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『LOVE TRAIN / THE FLIPPER'S GUITAR』 [フリッパーズ]


こんにちは、遂に登場!
キターーーー!!!フリッパーズ・ギターです。
90年冬リリースのシングル『 ラブ・トレイン』《PRDR-1017》です。

コーネリアスこと小山田圭吾氏&オザケンこと小沢健二氏によるサイコーにクソッタレなお洒落デュオ、たった3年弱の活動で日本のロックシーンの秩序を引っ掻き回して塗り替えしてしまった向こう見ずなイルカたち。
彼らの存在そのものが当時のロックシーンへのアンチテーゼでした。
面白かったですね。

これはアルバム未収録のシングルですね。
『カメラトーク』(1990)と『ヘッド博士』(1991)の間にリリースされたエアポケットのようなシングル。
『今絶滅の危機に瀕している『ラヴ』と『トレイン』について書かれた曲……』とか何とか嘘っぱちなコメントを彼らはしていました。『TRAIN TRAIN』(ブルーハーツ:1988)、『CHOO CHOO train』(ZOO :1991)そして、この曲を併せて“J-popのトレイン三部作”と言ったとか言わなかったとか。ウソです。

『ラブ・トレイン』は、こ戯れたイタリアサントラやシャバダバ☆イージーリスニングやマンチェスターサウンドなど奇を衒ったコンセプトを狙った確信犯なフリッパーズの二人にしてはストレートな屈託の無いギターポップって感じですね。
彼らにはこの手のサウンドは朝飯前の様にインスタントだったコトでしょう。
小沢健二氏の歌詞はとってもカラフルでポップで素敵。無意味さをマシンガンの如き饒舌さで疾走しています。『♪冬の日に手がかりはいつまでも冷たい』というようにこの曲も冬の曲ですね。
この小沢氏の詞のポップさは初期の佐野元春氏の歌詞に通じる感じがします。『スターダストキッズ』あたりの。

カップリングの『Slide』はクリスマス・ソングですね。
打ち込みのシンプルなリズムにアコーディオンやシンセのキュートな音色たちの装飾がキレイです。
歌詞は外国の昔の小説やおとぎばなしのようにイノセントな美しいフレーズの結晶。
とてもメランコリックかつメルヘンチックな世界を体験出来ます。
キラキラ切ないクリスマスソングであります。
サビの主旋律とバックのボーカルとの輪唱のような響きが美しいカノン。
http://www.youtube.com/watch?v=4ycBS2hXXMM

フリッパーズの魅力はやはり小山田氏のミラルクヴォイスと小沢氏の歌詞のセンスでしょう。洋楽を巧みに引用/構築のセンスも見事ですが、小山田氏の声と小沢氏の歌詞の視点はオリジナルと言えましょう。そして愛くるしいルックス&ファッションセンス。
小山田さんの声質の魅力って語られていそうで余り語られていない気がします。小沢氏の歌詞は小山田氏のワンアンドオンリーな声質の為に設計されたスタイルで、彼以上にこの歌詞の虚無感をスマートに表現出来る歌手は存在しないではないでしょうか。
小沢氏がフリッパーズ解散後、自分で唄う歌詞の表現法について方向転換せえざるを得ないのは当然の結果だったのかも。小山田氏はソロ活動でも初期はフリッパーズで慣れ親しんだ小沢氏の歌詞のスタイルを踏襲していました。この二つの代替不可能な声と詞のコンビネーションがフリッパーズの凄さだったのかなぁ。
都会の中古レコード屋文化、輸入レコード屋文化の成熟をフリッパーズの存在から垣間見ることも出来ます。
彼らはファッションを楽しむように無邪気に音楽を聴く術を体得していたのですね。ネオアコとソフトロックを歴史観を分断して並列に楽しむ世代。その影響を僕らも受けているのですが。
生まれるべくして生まれた音楽であり、彼らは選ばれた人間だったのかなぁと思います。

『ラブ・トレイン』〈作詞・作曲・編曲:DOUBLE KNOCKOUT CORPORATION 〉(03'25'')【1990】


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