『雨のチャイナタウン/シネマ』 [邦楽ロック/80年代]
こんばんは。
四半世紀の刻を超えて和製モダーンポップ集団、シネマが復活しました!!
松尾清憲、鈴木左衛子(さえ子)、一色 進、錦織幸也、小滝みつる(満)ら諸氏、オリジナルメンバーによる再結成。
プロデューサーは勿論当時と同じく鈴木慶一氏。
新作『CINEMA RETURNS』も更なるバンドの深化が感じられる力作です。
そんな訳でご祝儀のシングル・レヴュー!
『雨のチャイナタウン』《07SH1013》。
今夜も雨の歌です。
A面の『雨のチャイナタウン』、まるで映画の様なタイトル。
事件の始まりを予感させる華麗なストリングスのイントロがスリリング。
ハードボイルド調の探偵小説のような世界感を表現した歌詞とドラマティックなメロディライン。フィルム・ノワールを見事に音像化した、まさにシネマ・サウンドの真骨頂!!
哀愁を込めた松尾清憲氏のヴォーカル、ファムファタルな鈴木さえ子嬢のコーラス、ハーモニー。この曲こそシネマの最高傑作だと信じて疑いません。
B面、打って変わって明るい曲調の『おかしなレディ・キラー』、これも映画みたいなタイトルですが実際に同名の作品がハリウッドにあるそうで観てみたいです。
歌詞を読んでみるとインチキ詐欺師の犯罪コメディっぽいですが歌詞と実際の映画は関係しているかは判りません。
曲の方はニューオリンズ・ビートのドラムが楽曲の明るさを引き立てています。
シネマらしいユーモアたっぷりの楽しい作品です。
シリアスなフィルムノワール&犯罪コメディのB級映画二本立てを名画座で観た様な楽しいシングルであります。
このシングルは当時アルバム未収録でしたが、昨年、「ゴールデン☆ベスト」シリーズから1stアルバム『MOTION PICTURE』(名盤!)+未発表音源満載の二枚組のアンソロジーがリリースされ、このシングルも目出たく初CD化されました。因みにこのアンソロジーには「雨のチャイナタウン」のデモバージョンも聴けます。「おかしなレディキラー」はエンディングがオリジナルシングルと異なります。
シュガーベイブが60〜70年代のアメリカンポップスへの憧憬を日本語のロックに昇華したバンドなら、シネマは70年代の英国風のモダンでひねくれたロックやポップスへの憧憬を日本語のロックへ昇華したバンド。どちらも憧憬と造指の深さが桁違い。そして才能ある紅一点も在籍だし。前者は大瀧詠一氏が、後者は鈴木慶一氏という名プロデューサーが関わっている事実も実に興味深いです。
それにしても楽しいジャケットですね!
芸達者なメンバーですこと!
『雨のチャイナタウン』〈作詞:CINEMA、山川啓介/作曲:松尾清憲/編曲:鈴木慶一、CINEMA/弦楽編曲:矢野 誠〉(03'43'')【1981】
- アーティスト: シネマ, 鈴木慶一, CINEMA, 松尾清憲, 糸井重里, 荒木とよひさ, 一色進, 吉田美奈子, 山川啓介
- 出版社/メーカー: Sony Music Direct
- 発売日: 2006/06/21
- メディア: CD
CINEMA RETURNSは新譜? 驚きです。2000年も8年にさしかかろうという、今になってシネマが聴けるなんて。早速購入しようと思います。ありがとうございます。
by (2007-12-14 03:16)
つんさん、こんばんは!
コメントありがとうございます!!
つんさんもシネマお好きなのですね。
嬉しいです。
僕もシネマの再結成にはビックリしました!
オリジナルメンバーでの再結成だし。
それぞれキャリアを重ねたメンバー達の深みがサウンドに込められています。
少し渋いですが聴く度に発見があります。
12/16に紹介するシングルもシネマ関連なのでどうぞお楽しみ下さい!
by 都市色 (2007-12-16 00:02)