SSブログ

『太陽がまた輝くとき/高橋ひろ』 [高橋ひろ]

taiyou hiro.jpg

こんばんは。
雨の歌特集もいよいよ大詰めを迎え、全ての謎がついに解き明かされる時が来ました。
短冊CDのプラスチックケースが取れ易いのは何故なのか?
レンタルCDに付いているあの粘着質の高いシールはどうしたらキレイに剥がせるのか?
そして、短冊CDの急激な絶滅の謎。
嘘です。
スミマセン、判りません。

安芝居はこの辺にしまして、本日も雨の歌を。
大好きな高橋ひろさんのシングルを紹介します。
これも「アンバランスなKissをして」に続いてアニメのエンディングテーマとして起用されスマッシュヒットを記録しましたね。
しっとり、せつなく、そして逞しく、ドラマチックな雨の慕情。
この曲はかのペイル・ファウンテンズの「PALM OF MY HAND」をモチーフにしていますね。
以前このブログでも彼らのシングルを取り上げています。僕も大好きなバンドです。
ペイル・ファウンテンズのマイケル・ヘッドもバカラックを始めとする'60〜'70年代のアメリカン・ポップスに影響を受けているのでひろさんとルーツは同じですね。ひろさんもリアルタイムで彼らの音楽を聴いていたはず。
ネオアコのヒット曲を濡れた歌謡曲風に見事に仕立て上げるところがユニークですね。センスです。
こう云うのはクリとは云いません。
『換骨奪胎』と呼びます。

この曲には特に言葉とメロディの結びつきの深さを感じます。
人に優しく自分に厳しいひろさんらしい歌詞の世界。
ストイックな世界観に高橋ひろの哲学が忍び込んでいる気がします。
全体的にシリアスな歌詞の世界観。
マイナーな曲調。
悲壮感が漂いますけど最後には一筋の光明を確かめられ、救われる歌です。
思うようにならない厳しい世界にも強くポジティヴなメッセージが託されている気がします。

♪外は雨がまだやまずに 濡れてる人々と街が それでも太陽信じてる
 古いメロディ 滲むシルエット やわな生き様じゃ とても絵にはならないね 

♪忘れないで 忘れてくれ 今も 君への想いは 嵐が逆巻く夜の海
 むせび泣いて 群れ離れた さまよう二人の道標(しるべ)は 希望の2文字さ

ソフトで美しい歌唱の中に激情が込められていますね。
ひろさんのソウル(魂)を感じさせる唄です。
渾身の一曲と云う気がします。
そして、強い歌詞に負けない、寸分の無駄のない完成されたアレンジ。
しなやかさの中に逞しさを感じさせるサウンド。
素晴らしい。
ハモンドオルガンとシンセのソロは難波弘之氏による演奏です!
原田末秋氏のギターソロの音色の美しさ。




シングルとアルバムではミックスが異なります。
この曲が収録されている『WELCOME TO POPSICLE CHANNEL」も素晴しい内容です。
鮮やかで華麗で芳醇なメロディ、ユニークで美しい日本語の響きを重視した歌詞、そして旋律と歌詞の響きのバランスに配慮し、ヴァラエティに富んだアレンジで贈る全13曲。
これぞ日本のロック&ポップスと歌謡曲の共同開発による最高のハイブリッドモデル。
1990年代屈指のジェントルでスマートな歌謡ポップスアルバムであるコトを断言してしまいます。
高橋ひろの音楽の入門編としても最適です。

カップリングは『ランチタイムグッドバイ』。
打って変わって朗らかで屈託のない曲調。
1stアルバム『君じゃなけりゃ意味ないね』のオープニングを飾るご機嫌なポップチューン。
優しさと気遣いに充ちた歌詞も楽しいです。
アレンジは高浪敬太郎氏。
このアルバムも大好きです。

『太陽がまた輝くとき』《MRDA-00036》〈作詞・作曲・編曲:高橋ひろ〉(05’15’’)【1994】
nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 4

遠益

お久しぶりです!
自分は洋楽を全然聴かないので、曲のルーツなどの話はためになります。
都市色さんはいろんなジャンルをお聞きになるんですね。

この曲を歌番組で見て、すぐに買いに行ったことを思い出します。
家にあるCDはまだ、プラスチックと分離してません(笑)。
中古CD屋で、販促用の短冊じゃないやつも見かけますよね。

ひろさんの曲はやはり『昭和テイスト』な部分がグッとくるんですが、昭和にちょっと注目が集まる現在、ひろさんはどんな曲を作ったんだろうな…って思います。
by 遠益 (2008-06-26 17:42) 

nakamura8cm

本題とはズレて申し訳ないのですが、一応専門家なので(?)一言。

>レンタルCDに付いているあの粘着質の高いシールはどうしたらキレイに剥がせるのか?
剥がしちゃダメっ!(笑)レンタルシールに歴史的・美的価値を見出そう、という運動を展開中です(ホントか?)。だいたいにおいてジャケのデザインをブチ壊すことが多いシールですが、ごく稀に奇跡のようなマッチングと出会う幸せ。シールの主張が強すぎて、「逆にスゴイ」デザインに化けることもあります(これは鑑賞者の心の持ちようによる)。というわけで、わずかに賛同者もいるらしい「レンタルシール愛好会」、都市色さんもいかがでしょうか。

リンクはシール愛好家お薦めの一枚。
by nakamura8cm (2008-06-27 00:31) 

都市色

>遠益さん、こんにちは。
コメントありがとうございます!

ひろさんのルックスはどことなく昭和って感じですね。
昭和三十年代のハンサム顔と云うか。
これは褒め言葉です、えぇ。
昭和時代の音楽の再評価ってありますよね。
そうですね、ひろさんはそういうジャンル得意ですよね!

販促用の短冊じゃない方のCD、気になりますね。

by 都市色 (2008-06-28 09:48) 

都市色

>nakamura8cmさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!

レンタルの悪名高いシールに新たな価値を見いだそうとする姿勢は面白いですね。「あばたもえくぼ」ってことでしょうか。
良いことだと思います。
リンク先のジャケ、逆転満塁サヨナラホームラン的ですね。
by 都市色 (2008-06-28 09:51) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。