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『THANK YOU (FALETTINME BE MICE ELF AGIN)/ SLY & THE FAMILY STONE』 [ソウル/70年代]

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こんばんは。
二日に一度の深夜に届けられる“平成の『恐怖新聞』”こと「03'54’’」も200回を数えました。
といっても1年ちょっとのお付き合いですが。
という訳で皆さんに感謝!多謝!メルシィ!グラッチェ!
本当に有り難う御座います。
恐怖新聞と云っても読んでも寿命は短くなりませんが確実に時間は浪費されたことになります。

感謝の意味を込めて『サンキュー』。
唐突にスライ&ファミリーストーンです。
男はスライよ(by 安田謙一)。

そういえば今年の夏についに来日しましたね。
ファンキーにいってみましょう。

2006年のグラミーにてスライ&ファミリーストーンが出演時、まさか現れるとは思わなかったスライ氏が登場、驚異のモヒカン頭でステージを練り歩き、ちょっと演奏して退場してしまいましたがインパクトありましたね。来日公演でもフル出演では無かったようですが、少しでも勇姿を見られただけで昇天してしまう往年のファン続出でかえって貴重性と神秘性がさらに高まりました。

さて『THANK YOU』。
泣く子も黙るスライ&ファミリーストーンの代表曲のひとつ。
初期の若さ漲るパワフルなサウンドからステップアップしたさらに深化したスライのファンクを強調するナンバー。ラリー・グラハム氏のチョッパー・ベース奏法に象徴的です。太文字な低音。重戦車の如き重くうねるサウンドにノックアウト。
バンド=ファミリーの結束の強さを感じさせるアッパーな演奏ながらクールな質感。
サビの歌詞『♪THANK YOU FALETTINME BE MICE ELF AGIN』は何やら謎ですが
『♪THANK YOU FOR LET ME BE MYSELF AGAIN』のモジリであり「自身らしさ取り戻させてくれて有り難う」と云うコトでしょうか。全体的にスライ氏のドラッギーでニヒルな世界観溢れるモノです。

今回ご紹介しているのはシングルバージョンですが、世紀の問題作『暴動』のラストを飾っているアルバムバージョンに言及しない訳にはいきません。
アッパーなシングルバージョンと打って変わってダウナーな暗黒ファンク。シングルでのシャキッとしたリズムもルーズになって倦怠感、厭世感が曲中に蔓延しています。
当時の黒人市民運動やベトナム戦争等、混迷する社会とスライ氏の精神の闇を克明にサウンドに反映したようなヒリヒリした響きが耳から体中にまとわりついてしまいます。
演奏もここではほとんどスライが担当していると云う噂もあり、それが得も云われぬムードを生み出しています。
『暴動』を聴く前と聴いた後では自分の中で何かが変わった気がします。そんな音楽生活にショックを与える名盤はそうザラにある訳ではありません。
何度聴いても飽きない、止められない、魔法、というより麻薬というか「かっぱえびせん」な音楽。世界中のネガティヴを固めた強靭な生命力を持つ破壊的で快楽的な音楽。
そんな感じです。

カップリングは『EVERYBODY IS A STAR』。
正確には両A面あつかいだそうです。
こちらは打って変わってメロウなスローナンバー。
メンバーがそれぞれヴォーカルパートを担当するのが印象的で、ヴォイスパーカッションとハーモニーを披露するのもユニークです。
夕焼けみたいに人懐っこくせつないマイルドなホーンセクションのイントロが良いですね。
♪I LOVE YOU WHO YOU ARE
「誰もがひとつの星、自分のありのままを肯定しよう」という素敵なメッセージを放つスライも美しいですね。勇気つけられます。
スライ&ファミリーストーンの隠れた名曲です。

二曲ともオリジナルアルバム未収録ですが『グレイテストヒッツ』に収められています。

大雑把に言うと70年以降、スライを超えるミュージシャンは出てきていないと言えますね
プリンスもディアンジェロも大変素晴しいですがスライ&ファミリーストーン マナーを継承しているに止まっている訳で、スライとJBのインパクトを超えることは難しいと痛感します。


という訳でこの底抜け脱線ブログ、いつまで続くか分かりませんが、
これからも「すこし愛して、ながーく愛して♡」(by大原麗子)。

『THANK YOU FALETTINME BE MICE ELF AGIN』《5-10555》〈SYLVERSTER STUWART〉(4'48'')【1971】


グレイテスト・ヒッツ(紙ジャケット仕様)

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  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2007/05/02
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コメント 4

いとぞう

200回おめでとうございます!!

音楽における都市色さんへの信頼度は絶大なものがあります。
「都市色さんがイイと言うモノはきっとイイんだろうな」という感じで。

僕の大好きな曲・知らない曲、色々ですが、まだまだネタが尽きる事はないでしょう。今後も末永く続けてください!

by いとぞう (2008-10-01 21:43) 

nakamura8cm

200回おめでとうございます。

個人的には今年の6月にはじめてここを発見して以来、はまりっぱなしです。守備範囲がかぶっている、ということもありますが(笑)。これからもシングルブログ仲間&ライバルとして、熱い視線を送り続けます!

先週、TVで放送された東京JAZZフェスでのスライのステージを見ました。よく復帰したよなあ。あまりのヨボヨボさ加減にすこし悲しい気持ちにもなりましたが、伝説が動いてる!という興奮はありました。あと、オリジナルファミリーストーンのシンシア・ロビンソンのペットと掛け声が、レコードのまんまで感激しましたね。

しかし、この7インチシングル持ってるってのもシブいなあ。
by nakamura8cm (2008-10-02 00:28) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
お祝いのコメントありがとうございます。
プレゼントも頂きました。
重ね重ね感謝します。
このブログは飽くまで独断と偏見と塊。
大滝さん程ではないですが、自己満足男です。
アイドルポップスも増量で行きたいですね。
これからも宜しくお願いします。
by 都市色 (2008-10-02 18:47) 

都市色

>nakamura8cmさん、こんばんは。
お祝いのお言葉ありがとうございます!
nakamuraさんの8cmCDへのこだわりの深さにはいつも圧倒されています。見たことも無いブツばかりで短冊ワールドの奥深さを垣間見ています。
知らない短冊ばかりで参考になります!
こちらこそこれからも宜しくお願いします。

スライの来日の映像は見たコトないのです。
見てみたいような見ない方が良いような…。
by 都市色 (2008-10-02 18:51) 

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