『おいこら お嬢ちゃん/吾妻光良&スウィンギン バッパーズ』 [ジャズ]
こんばんは。
今夜は吾妻光良&スウィンギン バッパーズの登場であります!
結成30年を誇る、ユニークでゴキゲンなビッグバンド/ブルース/ジャンプバンド。
長谷川きよしさんに続いて、最近手に入れた素晴しいライヴ盤にバッパーズがあります。
こちらも永久保存版のライヴアルバム。
という訳でライヴアルバム発売記念としてこのシングルを紹介しましょう。
このシングルは先日の三遊亭円丈さんのシングルを再発したクリンクレコードが同じく数年前にリイシューしたシングルです。
90年代にも一度、長谷川きよしさんの前回のシングルと同時期にVIVIDサウンドからリイシューされています。VIVIDの再発盤はオリジナルに忠実なジャケットでしたが、今回のクリンク版はジャケットが変更されています。オリジナルのデザインの版元を紛失してしまったのかもしれませんね。
クリンクからの再発盤もオリジナルジャケットを意識したモノになってはいますが。
それにしても吾妻さん、若い!
彼らの魅力はゴージャスなビッグバンドサウンドにうだつの上がらない中年男性の悲哀をユーモラスにかっ飛ばす歌詞が乗っかってその塩梅が実に味わい深いのです。
歌詞もサウンドにノリが良くとけ込んでいます。
カラッとした明るさがあって、聴いていて元気が出ます。
ビッグバンドを率いて、国内でも指折りのブルースギタリスト吾妻さんの鋭い演奏とパワフルなしゃがれ声が放つ大人のエンターテイメント。
クレイジーキャッツにどこか似た雰囲気があるかも。
頑固親父風な吾妻さんのルックスも男らしくて良いと思います!
円熟味をますオジさんたちの面構えはカッコいいです。
チームワークの安定感、そして息の合った演奏は結成当時の音楽同好会ノリを程よく維持していて、みんなで音楽を楽しもうとする雰囲気が伝わってきます。プロの音楽だけどアマチュア精神が宿っているのが微笑ましいです。バンドのメンバーの皆さんはどなたもバンド業以外に本業を抱えていらっしゃるのですが結成当時から大きなメンバーの移動が無いのが結束の深さを物語っている気がします。
世知辛い世間の荒波を乗り越えて音楽を続ける事の素晴しさを、ゴキゲンなライヴ盤でしみじみ痛感する次第です。
さてシングルの話題に戻って。
A面の「おいこらお嬢ちゃん」。
この人懐っこいタイトル、サイコーですね。
超エンターテイナー、キャブ キャロウェイのオリジナルソング『QUE PASA CHICA』にバッパーズによる歌詞を乗せた(吾妻さんに言わせると替え歌だそうです)ナンバー。
明るいマンボのリズムにユーモラスなラヴソングのトッピング。
南国のラテンが醸し出すほのぼのとしたムードがいいですね。
♪愛が欲しけりゃ
電話一本寄こせよ
俺の出前は迅速
ケ・パサ・チカ
B面は『STROLLIN' WITH BONES』というジャズのスタンダードのカヴァー作品でインスト。
スリリングなホーンセクション、そして吾妻さんの超絶ギタープレイ。
演奏だけ聴くとこれが日本で近年に録音されたものだとは俄に信じられません。
それと、『おいこらお嬢ちゃん』のオリジナルの『QUE PASA CHICA』の英語バージョンも収録されています。
やはり日本人として吾妻さんのこなれた日本語の『おいこら〜』の方が好きです。
このシングルは彼らの初期の作品でモノラル録音です。
当時はアルバム未集録でしたが、のちにCD化された際に1st ALBUM「SWING BACK WITH THE SWINGING BOPPERS」のボーナストラックに収録されています。
ライヴ盤を聴いて、いつかバッパーズのライヴを直に体験したい!という欲望が更に高まるのです。
ほんじゃね!
『おいこらお嬢ちゃん』《CREP5701》〈作詞・作曲;CAB CALLAWAY /日本語作詞・編曲:SWINGING BOPPERS〉(2'18'')【1983】
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