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『恋する瞳(L'amore ha i tuoi occhi)/伊東ゆかり』 [歌謡曲/60年代]

伊東ゆかり.jpg

こんばんは。
今月は春をテーマにシングルを紹介していますが、
カンツォーネの美しい歌を取り上げてみたいと思います。

唄うのは伊東ゆかりさん。
和製ポップス歌手の草分け。
園まりさん、中尾ミエさんとの《三人娘》としても知られてます。
現在でも歌手に女優に活躍されていますね。

この曲で1965年にイタリアのサンレモ音楽祭へ出場し、入賞を果たしました。
イタリアではブルーノ フィリッピーニと云う歌手が唄っていますが、ブルーノ氏のカヴァーと言う訳ではなく同時期にこの作品をイタリア、日本それぞれで発表したに過ぎないようです。

この曲を竹内まりやさんの2003年にリリースしたカヴァーアルバム『LONG TIME FAVORITE』で初めて知りました。
まりやさんが幼少の頃に聴いて胸をときめかせた洋楽ポップスを集めて唄ったアルバム。
いわばまりやさんのルーツともいえるアルバム。
通常のオリジナルアルバム同様素晴らしい内容ですが、その中でもとりわけ気に入ったのがこの曲です。
まりやさんも当時TVからサンレモ音楽祭で「恋する瞳」を唄うゆかりさんを観て感銘を受け、後にカヴァーアルバムの制作時に真っ先に取り上げたいと思ったのがこの曲だったそうです。
僕もウットリするような魅惑の旋律の虜になりました。
これはバート バカラックとかテディ ランダッツォ級にメロディアス。
イタリア系のパッショネイトでダイナミックなムードとメロディにクラクラ。

カヴァーバージョンのアレンジは勿論山下達郎さんでストリングスアレンジは服部克久氏です。
ゆかりさんのオリジナル版の素晴しさを踏襲した内容です。
まりやさんはデヴューの頃から声質が伊東ゆかりさんと似ていると云われてました。
そのルーツはこの楽曲にあるのかも。
ゆかりさんのバージョンのアレンジは東海林 修氏です。
「ソフトロック ドライヴィン」とかでお馴染みの60〜70年代の日本のポピュラー音楽の優れたサウンドメイカーですね。
流麗なストリングスのイントロから魔法が降りて来たような、色褪せないメロディ。
ゆかりさんの澄んだ歌声は、慎ましやかながら恋のときめきを隠せない乙女の切ない心情が美しく響いてきます。



40年以上も前のこんなレアな映像が残されているからスゴいですよね。
現代の観点からも、十分モダンで上品な映像です。
初々しくお淑やかで奥ゆかしい大和撫子なゆかりさんの唄に国境を越えて聴き入っているイタリア人。素晴しいですね。



こちらは近年のTV番組での映像。

B面は『愛のめざめ』。
『HO CAPITO CHE TI AMO』というカンツォーネを岩谷時子さんの訳詞でカヴァーしているようです。こちらはもの悲しい、哀愁のメロディで、ゆかりさんは一途な女心を情感込めて唄っています。
同じくアレンジは東海林氏。

このシングルの数年後、71年には伊東ゆかりさんと東海林氏、伊集加代子さん、そして岡崎広志氏らが「伊東ゆかりwith GREEN GINGER」というユニットを組んでお洒落で洗練された洋楽カヴァーアルバム『LOVE』をリリースします。東海林氏や村井邦彦氏のオリジナルソングも収録されていて、爽やかなサウンドが楽しめます。

60年代の歌謡界、ひいては日本のポピュラー音楽界は今に負けないくらい、世界の音楽に対して開放的だったのかもしれませんね。シャンソンやカンツォーネやボサノヴァやジャズや民謡等の色んなジャンルが混在していて、それらを歌謡曲とミックスしたりして。
歌謡曲は懐が大きいですね。

『恋する瞳(L'amore ha i tuoi occhi)』《BS-7077》〈作詞・作曲:Pallavicini , Kramer/編曲:東海林 修〉(3’29’’)【1965】
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