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『SEASON IN THE SUN ー夏草の誘いー/佐野元春 with THE HEART LAND』 [佐野元春]

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こんにちは。
また更新が空いてしまいました。
お元気ですか?
シングルはアレコレ買ってるのですが、忙しかったり、思うところがあったりでブログの記事が上手く書けません、倦怠期でしょうか、スランプでしょうか。
山は死にますか?
海は死にますか?
よくも1日おきに記事を更新していたモノだと過去の自分に感心してしまいます。

と、ボヤいたところで、
今回は元春の1986年のシングル、『SEASON IN THE SUNー夏草の誘いー』です。
個人レーベル『m‘s factory』を立ち上げての第二弾シングル。
そして先月リリースされたばかりの最新アルバム「月と専制君主」の収録作。
実に素晴しいカヴァーアルバムです。
常にスマートに予定調和から逸脱する佐野元春なので、ありきたりなセルフカヴァー集にはなりません。
2009〜10年、NHK教育を通じてオンエアされた公開講座「THE SONG WRITERS」の講師、ホストを務めた佐野元春。改めてソングライティングの意義と価値を世に問うた彼による模範解答が最新作『月と専制君主』にて雄弁に響いています。
知的でクールで情熱的で大胆で清廉な佐野元春の「うたとことば」。
流行やテクノロジーの変遷に富んだ30年、真正面に時代と対峙しながら一貫して変わらない佐野元春の流儀がここにあります。

さて、シングル曲「SEASON IN THE SUN」。
アルバム「Cafe Bohemia」にも収録されています。
実に爽やかでメロディアス、大好きな作品。
初夏の風が吹き抜ける感じが耳にくすぐったいですね。
ポジティヴでジェントルなヴォーカル。
大サビのコード進行や転調がとても凝っています。
ハートランドの演奏の疾走感溢れる演奏が良いです。
間奏のギターソロは珍しく元春自身によるものですね。
この時期はハートランドにギタリストが不在でした、この時期のレコーディングには窪田晴男氏が参加したりしてます。窪田氏もハートランドのメンバーと元春は考えていたと何処かのインタビューで読んだ覚えがあります。
そしてこの曲の魅力の一つにはロミーと云う女性シンガーの存在が上げられます。
彼女の美しいハーモニーがフィーチュアされています。
ロミー嬢は石川セリさんの妹さんです。
彼女のアルバム「KI・A・I」に元春も楽曲を提供しています。

何と云うか、ネオアコって感じが聴き返してみるとしますね。
この時代は80年代中期のイギリスの音楽から影響を受けていますし。
元春は覆面バンドでブルーベルズというグループを結成して自身のラジオ番組で作品を発表していましたが、このグループの作品『SUNDAY AFTERNOON』は『SEASON IN THE SUN』の姉妹品みたいなサウンドですね。ロミー嬢もこのグループにヴォーカリストで参加していますし。元春と彼女のハーモニーはピッタリですね。
ブルーベルズと云うと、英国グラスゴー出身の同名のネオアコバンドがありますね。
「YOUNG AT HEART」「CASH」のヒットで有名です。

さて、このシングルのジャケットは見開き仕様で折りたたみになっていて、歌詞カードと素敵なピンナップが綴じられているのですが、ピンナップには詩人のウォルト ホイットマン、作家のヘンリー D ソローの言葉の引用が掲載されています。
新しいレーベルを立ち上げての、こうしたアートワークへの試み、〝鋼の様なwisdom〟を実践するのが元春らしいですね。
この楽曲にはエコロジーがテーマとして込められていますが、
勿論、ストレートに「高原の小枝を大切に…」と云うメッセージではなく、
かけがえのない環境へのグローヴァルな視点を湛えた歌。
なお、シングルとアルバムではミックスが異なります。

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そして最新作での「夏草の誘い」はアコースティックな楽器のアンサンブルを基調として、アナログレコードのような響きを大切にしたアレンジに心が和みます。
アコースティック スウィング風のナチュラルな演奏。
たおやかで清かな弦の響きが楽曲が持つエコロジーなメッセージと共鳴しています。
ホーボーキングバンドから井上富雄、Dr.kyOn、そして山本拓夫、ハートランドから古田たかし(現ホーボーキングバンドメンバーでもありますが)、長田 進、諸氏という佐野元春の音楽史を支えてきた同世代の旧知の仲間達とのクリエイティヴな演奏は楽曲の魅力をオリジナル版以上に引出すことに成功しています。円熟というには瑞々しい演奏が素晴しいです。

B面は『LOOKING FOR A FIGHTーひとりぼっちの反乱ー』。
片岡鶴太郎さんに提供したシングル作品のセルフカヴァーバージョン。
ハートランドによる演奏はパブロック仕様。

昨年から30周年記念イベントとして三回にわたるツアーを展開してきた元春。
来月には集大成となるスペシャルライヴが大阪と東京で企画されています。
僕は東京公演を観る予定ですが、とっても楽しみ。
それまでは実り多きこのセルフカヴァー集を聴いて待ち望みたいと思います。

『SEASON IN THE SUN』《08・5H-302》〈作詞/作曲/編曲:佐野元春〉(03’42’’)【1986】


月と専制君主(CD+DVD)

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  • アーティスト: 2011/01/26,2010/11/25,3500
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  • 発売日: 2011/01/26
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THE SINGLES EPIC YEARS 1980-2004/佐野

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  • 発売日: 2009/08/19
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  • 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
  • 発売日: 1992/08/29
  • メディア: CD



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コメント 4

いとぞう

久しぶりの更新ですけど、スランプ気味の時に無理に更新するより、書きたい時に書いたほうが良いブログ書けると思いますよ。

「夏草の誘い」は冬の曲が多い『カフェ・ボヘミア』の中で、初夏あたりに聴くとピッタリな爽快なナンバーですよね。
カフェボヘミア20周年盤に付属のDVDでは当時の東京マンスリーLIVEで、コーラスのロミーとの共演映像が観れて感激でした。
”いつでも君のために闘うよ”という力強いフレーズを、さりげなくサラッと歌うあたりが素敵です。
今回のセルフカヴァーも、ストリングスの響きが綺麗で好きですね~。

3月13日、楽しみですね!
by いとぞう (2011-02-15 17:54) 

うっち

お久しぶりです。

私も最近さぼり気味。
もう一つのフォトブログはがんばって更新してますが...

元春のライブ、最終日に行きます♪
しばらく彼の音楽から離れていた友人を誘って。
楽しみです!
by うっち (2011-02-20 07:39) 

都市色

>うっちさん、こんにちは。
NICE&コメントありがとうございます。
元春のライヴ、楽しみですよね。
チケットが届きました。
大阪公演はゲストが超豪華なのですが、東京公演はどうなのでしょうか。

by 都市色 (2011-02-22 08:57) 

都市色

>ろひさん、NICEありがとうございます!
by 都市色 (2011-02-22 08:58) 

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