『五月雨／大瀧詠一』 [ナイアガラ]
こんばんは。
銀次さんの次は大瀧さん。
大瀧さんも去年、この時期に記事で取り上げています。
銀次さんに続いてこちらもシングルのB面です。
『五月雨（さみだれ）』、旧暦での五月に降る雨、梅雨のコトですね。
ファーストソロアルバム『大瀧詠一』に先駆けて発表されたセカンドシングル。
1st収録のアルバムバージョンとは異なり、シングルヴァージョンでの荒くれた粗野な感じがイイですね。
ささくれ立った大瀧さんのヴォーカルもカッコ良い。
元々この曲ははっぴいえんどの『颱風』の続編として生まれたそうで、スワンプ ロック風なサウンドです。
ドラムはイーハトヴ田五三九こと、大瀧さん自身によるもの。
ベースは野地義行氏が担当しています。
シングルヴァージョンは野地氏のファンキーなベースのソロから始まります。
とても印象的なフレーズでまさにこの曲のキモですね。
この曲のフェードアウトで
「え〜、雨（飴？）売りでございます…」
という大瀧さんの茶目っ気タップリなひと言が聴こえます。
僕はシングルヴァージョンの方が好きです。
完成度で言えばアルバムバージョンが上だと思いますが、
コチラのラフな歌唱や演奏の方が“無鉄砲な雨”っぽさや“雨ざらし”感が強く、風流かと思います。
この曲はのちに「ナイアガラ カレンダー’78」にて大幅にバージョンアップされたアレンジで楽しめますね。大瀧さんの朗々とした歌もユニーク。
小西康陽さんが主宰するTOKYO COOLEST COMBOというイージーリスニングな楽団もこの曲をカヴァーしていて、おススメです。
A面は『空飛ぶくじら』。
作詞は江戸門弾鉄こと、松本隆さん。
作曲と編曲は大瀧さんの変名、ご存知“多羅尾伴内”名義。
メランコリックな曲調で、曇り空にぴったりな感じです。
当時としては珍しいホーンセクションが導入されています。
アルバム未収録でした。
マチャアキがカヴァーしていますね。
因みに歌詞カードは大瀧さんの筆による直筆です。
一枚目のシングルもアルバムも直筆でしたね。そちらとは別バージョン。
名エンジニア吉野金次さんによる録音＆ミックスは音が実に良いですね。
『五月雨』《OF-3》〈作詞・作曲・編曲：大瀧詠一〉（2’19’’）【1972】
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1997/11/04
- メディア: CD
タグ：雨の歌
大瀧さんの曲ってヴァージョン違いで
まったく違う曲に聴こえるのは私だけでは無い！
と勝手に思っていますが(^_^;)
同じ曲なんですけど、そうじゃない。と申しましょうか。
う～ん。なかなかこのニュアンスを表現するのが難しい！
簡単に言ってしまえば
「一粒で二度おいしい」という感じ(^^)
う～ん。ちょっと違うか(^_^;)
・・・失礼いたしました。
by リゼ・スタンスフィールド (2009-06-14 01:24)
僕も「五月雨」はシングルバージョンが一番好きです。大瀧さんはアルバムがリイシューされる度にバージョン違いを何曲も収録してくれるから嬉しいですよね。
「ナイアガラカレンダー」のは全然違うアレンジで、フランク永井風ですよね。あのアルバムは本来、梅雨の時期の６月を「青空のように」にして、どちらかというとイイ天気のイメージの５月を「五月雨」にしたところが流石、一味違いますよね。
「空とぶくじら」をマチャアキがカヴァーしてたとは知りませんでした。
by いとぞう (2009-06-14 22:10)
＞ リゼ・スタンスフィールドさん、こんにちは。
コメントありがとうございます！
大瀧さんほど、自作の再発にこだわりのある方は日本ではいないですね。
同じ曲でも別ヴァージョンが存在して、その可能性を否定せず、楽しむ余裕がありますね。
作り捨ての流行や時代から離れた独特の世界がナイアガラと云うユートピア。
by 都市色 (2009-06-15 17:28)
＞いとぞうさん、こんにちは。
コメントありがとうございます！
様々な別バージョンを聴かせてくれる大瀧さんのことを考えると、記録と云うコトに対する執念の深さを感じますね。
海外のロックに比べて日本のロックは歴史が浅いのでこうした貴重な音源が残っていないことが多く、残念に思うことしばしばなのですが、大瀧さんのこうしたレーベル運営を見ると趣味が反映されているとは云え、日本のロックシーンに対する批評になっていますね。
by 都市色 (2009-06-15 17:35)