『サンキュー／ピチカートファイヴ』：03'54''：So-net blog

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『サンキュー／ピチカートファイヴ』　[ピチカートファイヴ] [編集]

こんばんは。
気がついたら、このブログへのアクセスが30万を突破していました。
ゲントウキの「追憶のレイニーデイ」の時です。
アニソンからボサノヴァまで、杉良太郎からDUFFYまで。
こんなとっ散らかった内容のブログへブックマークも付けて飽きずにご覧下さっている皆さんには何と言って良いのやら。
兎に角、厚く感謝の気持を、という訳で深く深く『サンキュー』です。
時々ご覧下さって下さる方も、初めて来られた方もサンキューです。

これはピチカートの12インチですね。
レコードを1991年の7月、彼らの東名阪のツアーの物販で手に入れました。
名古屋クラブクワトロにて。
epcd『超音速のピチカートファイヴ』リリース後のツアーでした。
その中にも収録されているハッピーでファンキーな一曲。
黒人男性ヴォーカルグループ、HEARTS OF STONEのアルバム「 STOP THE WORLD WE WANNA GET ON」に収録されている『IF I COULD GIVE YOU THE WORLD』という曲のイントロをサンプリングしています。ゴージャスでインパクトのあるサウンドです。そしてハリーニルソンのファーストアルバムの『TEN LITTLE INDIANS』からもリズムパターンがサンプリングされています。
90年代初期のサンプリングブームの嵐。
楽曲の持つ、下世話で開放的なムードにあったサンプリングだと思います。
歌詞にある

♪真夜中のラジオは音楽と憂鬱なニュースで溢れている

というフレーズにリアリティを感じます。
この曲が生まれた90年代初頭は湾岸戦争もありました。
そして最近も情勢の不安なニュースや国内外のポップスターたちの訃報が飛び込んできたり。
そんなままならない世界の元で生きているコトの憂鬱を明るく歌い飛ばしてるのがこのラヴソングだと思います。
サビでの小西康陽さんとゲストのスクーターズのヴォーカリスト、ロニーバリーこと星野節子さんのコーラスがキュートです。野宮さんの歌声も軽やか。
この12インチには「PIZZICATO VS GIRL GIRL GIRL VERSION」という名でリミックスヴァージョンが収められていて、「超音速の〜」に収録されている音源よりもラフな仕上がりです。この曲は沢山のヴァージョンがありますね。
アルバムバ―ジョンばのシンプルな演奏も好きです。

もう片面には「大人になりましょう」の二種類のリミックスが入ってます。
「最新型のピチカートファイヴ」に収録されている音源から様々な過去の邦画からサンプリングされたセリフがカットされています。
二種類の音源は一方は野宮さんの普通のヴォーカル入り、もう一方はヴォーカルのトラックが全て「ア」に様々な音階をつけて♪「ア・ア・ア　ア・ア・ア・ア・ア・ア〜」と歌われてます。「衛星中継」っぽいのです。
ハウスを取り入れた「最新型の〜」のアレンジでの儚いピアノとシンセのストリングスが絡むエンディングが美しいです。
こちらもアルバムヴァージョンや「学校へ行こう」のサントラヴァージョンなど様様なヴァリエーションがあります。

野宮さんを三代目のヴォーカリストに迎えて、クラブ対応にも目を配り始めたアルバム「女性上位時代」周辺のサウンドは翌年には時代遅れになっても構わないようなインスタントで作り捨ての勢いが逆に凄みを感じさせて、今聴いても新鮮です。

拙ブログ、何卒これからもご贔屓に。

『サンキュー』《製品番号無し》〈作詞・作曲・編曲：小西康陽／リミックス：藪原正史、小西康陽〉（6’12’’）【1991】