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『I'LL GET WHAT I WANT(超・強気な女)/鈴木祥子』 [鈴木祥子]

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こんばんは。
今夜は鈴木祥子さんの新しいシングルを。
今、世界中で最もラケンローなあらくれ女流SSW。
ジャケットからしてもう暴走しています。

トッド ラングレンのベアズヴィル レーベルで残した最後のアルバムのデザインを完璧に模倣しています。
度を超した愛情のムーンサルトな裏返しです。
折りたたみのジャケットを広げると、祥子さんの下半身、ブラックジーンズの右の足もとにまでトッドのジャケへの引用が再現されてます。ベアズヴィルのあのロゴもキュートにアレンジされてます。
祥子さんもトッドと同じくマルチプレイヤーですね。
ローラ ニーロやトッド ラングレンのような型破りで個性的なSSWぶりがますます顕著な祥子さんです。
今回のシングルは21世紀以降、メジャーレーベルからの足枷を解き放たれた祥子さんのマイペースかつ精力的な活動の一里塚とも言える気がします。
このシングルは何とアナログオンリー。
しかも7インチとカセットテープという、21世紀の音楽メディアの状況を逆行する、反デジタルシングルのリリース。このブログにお誂え向き。
でもスゴいですね。80年代じゃないんですから。
カセットを出すなんて演歌歌手も真っ青です。
音楽配信なんて以ての他なのでしょうね。
でもただ単に過去のメディアへの愛情だけでなく、アナログ特有の音質面でも祥子さんに取っては生理的に相性が良いのだと思います。
過去のライヴで「カセットテープの音が好き!」と公言されていました。
祥子さんがデヴューした1988年はまさにアナログとデジタルの転換期で、当時いち早く他社よりもCDへの切り替えに踏み切ったソニー所属の彼女のアルバムやシングルは一度もレコードでは発表されませんでした。そういう昔年の恨みもあったのでしょうか。
二年前に10インチのレコード『FATHER FIGURE』を出したのが初めてのアナログ作品です。
このシングルが祥子さんの活動の一里塚と表現したのにはもう一つ理由があって。
この夏に祥子さんの近年の音楽活動に迫ったドキュメンタリー映画が公開されます。
『無言歌』というタイトルで、この映画の主題歌が今回のシングルです。
サントラ盤ももうすぐリリース予定。
nothing can stop herって感じの勢いですね。

さて、LONG AND WINDING ROADな前置きはともかく。
シングル。
タイトルは『I'LL GET WHAT I WANT(超・強気な女)』。
需要の少なそうなカセットでシングルを出しちゃうくらい強気な祥子さんの信条と心情を唄った内容。
曲調は強気なタイトルとは裏腹にまったりとした可愛らしい曲調。
ゆったりとチープなリズムマシンのビートのイントロからはじまる祥子さんのほぼ一人多重録音。
気怠く猫なで声な彼女の唄い方に反して繰り出される意志の強い言葉。
唇からナイフ。
女性の個を求めて歌を深く追求し続けて来た彼女ならではの凄みを感じさせます。
途中からドラムが祥子さん自身の演奏に変わりゆったりと確かにビートを刻みます。

B面は『DO YOU STILL REMENBER ME?』
こちらは穏やかさと安らぎを感じさせるカントリーバラードって感じのマイルドな歌。
ムーンライダースの武川雅寛氏がヴァイオリンとバンジョーで客演。
くじらさんはコーラスでも優雅な祥子さんのピアノと美しいハーモニーを奏でています。
歌に女性の健気さが滲み出ています。
7inchシングルにはオマケにステッカーと祥子さんの有閑マダム風のポストカードが付いてます。

次に、カセット版の『I'LL GET WHAT I WANT』をご紹介。

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カセットのA面に『I'LL GET〜』『DO YOU STILL 〜』、そして『I'LL GET〜』のカラオケを収録。
カセットと7インチでは少しヴァージョンが異なります。
B面には昨年末の南青山マンダラでのライヴを三曲収録。
フーターズのエリック バジリアンが書いた名曲『ONE OF US』、エイジアのヒット曲『HEAT OF THE MOMENT』、そしてフィル コリンズの『見つめて欲しい』をピアノの弾き語りで。
祥子さんの切ない歌声で過去の名曲に新しい魅力を吹き込んでいます。
僕もカセットの音って別にオッケーです。
中学時代はほとんどカセットデッキが大活躍でした。
ライヴ音源を聴いてまたライヴに行きたくなりましたねぇ。
映画にも。
“祥子のモダン・ポップ黄金狂時代”は今!

『I'LL GET WHAT I WANT(超・強気な女)』《7inchはBEEP-001、カセットはBECT-001》〈作詞・作曲・編曲:鈴木祥子〉(4’24’’)【2009】


romances sans paroles~bande originale du film~

romances sans paroles~bande originale du film~

  • アーティスト: 鈴木祥子
  • 出版社/メーカー: スリーディーシステム
  • 発売日: 2009/07/15
  • メディア: CD


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コメント 3

cytoron

こんにちは。
ひっさしぶりにコメント寄せさせていただきます。
このシングル僕も買いました!
なによりジャケットが最高ですね。
トッドのアルバムで一番最初に買ったのが
「the ever popular〜」なので嬉しいですね〜
その昔、トッドに狂っていましてユートピアを含む
オリジナルアルバムをはじめ彼がプロデュースしたアルバムも
相当集めました。しかしあんなに好きだったのに...今では...
あ、祥子さんの話から逸れましたね。
最近の彼女の活躍は頼もしいものがありますね。
これからもガンガンいってほしいものです。
カセットはデッキが死んでしまっているので見送りました..
しかし、このご時世にカセットとは!
そして締めの言葉“祥子のモダン・ポップ黄金狂時代”ナイスです!
by cytoron (2009-07-04 07:19) 

都市色

>cytoronさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!!
初めて買ったトッドのアルバムが「〜モダンポップ黄金狂時代」なのですね。僕は「サムシング/エにシング」でした。
cytoronさんはピチカートや祥子さんのファンとしても僕の先輩ですね。
リアルタイムで追っかけているとその活動の変化も痛感されるでしょうね。これからの彼女の音楽も気になりますね。
あ、前園直樹グループのアルバム買いましたよ。
by 都市色 (2009-07-06 00:24) 

都市色

>nobsatoさん、こんばんは。
はじめまして。
niceありがとうございます!
by 都市色 (2009-07-06 21:50) 

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