『HEY MANHATTAN ! / PREFAB SPROUT』

こんばんは。
今宵はプリファブ スプラウト。
全国3,540万人（推定）のポップミュージックファンお待たせの、
彼らの最新作『LET'S CHANGE THE WORLD WITH MUSIC』のリリースがひと月ちょっとに近づきましたね。皆既日食は見逃しましたが、8年ぶりに星をきらめかせて大接近するプリファブ彗星は見逃せません、聴き逃せません、買い逃せません。
そんなプリファブの夏にピッタリなシングルを。
『ヘイ マンハッタン！』。
実は今月下旬にこのシングルを収録した『ラングレーパークからの挨拶状（FROM LANGLEY PARK TO MEMPHIS）』（1988）が紙ジャケ＆デジタルリマスター盤で再発するそうです。『スティーヴ マックイーン』（1985）も紙ジャケで同時発売。
そういう意味でもこの曲を取り上げてみました。

初夏のニューヨークはマンハッタンへ訪れたパティ マクアルーン氏の胸の高鳴りを綴ったかのような歌詞がロマンティックです。
イギリス人からのニューヨークに対する視点が込められているという点では『ENGLISHMAN IN NEW YORK』に通じるモノがあるのでしょうか。それほど捻くれてませんが。
この曲もブログで取り上げていましたね。いや、違いました。
ウットリするような甘美なメロディライン。
ワクワクするような高揚感に充ちたイントロ。
パーカッションのリズムも心地好いですね。
パディ マクアルーンの面目躍如。
そしてどこまでも高く、優雅に宙を舞うようなきらめきに充ちたストリングス。
羽衣のようなウェンディ スミスのコーラス。
実に涼しげなサウンドですね。

♪ねぇ、夏がやって来たよ！
　世界中の人たちが僕の味方になったような気分さ
　眼下に広がるはブルックリン ブリッジ
　 数えきれない程の人々が僕と知り合いになろうとして躍起になってるよ
　僕はここだよ！
　希望を抱いて、神の恩恵に深く膝まずいてるんだ
　 僕が手に入れたいと思ってることは顔に書いてあるよ　
　この死ぬ程素晴しい場所を独り占めしたい気分だ

　ヘイ マンハッタン！
　さぁ、僕だよ！
　幸運なアンクルサムって呼んでくれ



特筆すべきはアコースティックギターをピート タウンゼントが弾いていると云うコトですが、目立ちませんね。
かといってガンガン弾いても曲のイメージに合わないし。
何と云ってもジョン アルトマンのストリング アレンジですね。
終盤のアンサンブルのスリリングでエレガントな響き。
コレでもか！と云わんばかりに流麗です。降参です。
プロデュースはアンディ リチャーズとパディ。

尚、シングルヴァージョンはアルバムとは異なり、エンディングがフェイドアウトしていきます。
魅惑の3分54秒。

B面は『TORNADO』。
アルバム未収録です。
ゆったりとしたテンポでムーディでジャジーでレイジーなワルツ。
セルジュ ゲンズブールっぽい感じがしました。
パディ マクアルーンがプロデュースしてます。

『スティーヴ マックイーン』、『ラングレーパーク〜』、そして『ヨルダン：ザ カムバック』（1990）の三作の中でどれが一番好き？と訊かれたら困りますね。恐らく僕には一生悩んでしまう質問でしょうね。三枚とも作風や構成が違っていて、甲乙付けがたい傑作です。
『ラングレーパーク〜』は他の二作の様な統一感は全くなくて一曲ごとに作風が異なるのですが、それぞれの楽曲の完成度の高さは目を見張るものがあります。そしてアメリカ音楽への憧憬が感じられます。ロックンロール、ジャズ、ゴスペル、ブルース、ソウルミュージック、ミュージカル等のスタンダードの陽性なエッセンスを見事にソングライティングに昇華しています。
新作も待ち遠しいですねぇ。

『HEY MANHATTAN ! 』《SK38》〈Written by Paddy McAloon〉（3'54''）【1988】

ラングレー・パークからの招待状(紙ジャケット仕様)

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: SMJ
• 発売日: 2009/08/26
• メディア: CD

コメント 1

＞うっちさん、NICEありがとうございます！
by 都市色 (2009-08-06 20:59)