『メッセージ ソング/ピチカート ファイヴ』 [ピチカートファイヴ]
こんばんは。
師走ですね。
今年もあと、ひと月。
今宵は冬に聴きたいピチカートのシングルを。
『メッセージソング』。
1996年の12月リリース。
この作品は当時、NHKの「みんなのうた」でもオンエアされたので覚えている方もおられると思います。
不意に突然斬り込んで来るようなエレクトリックギターのイントロに先ず驚きます。
実にカッコいいフレーズですよね。窪田晴男氏の演奏。
キタダマキさんの弾けるベース、そしてYOSHIEさんの荒くれドラム、河野 伸さんの唸るハモンド、ロックですね!
ピチカートにしてはやけにエモーショナルなバンドサウンドに当時、面を食らいました。
そう云えば前年(1995年)の彼らのライヴではアンコールにて4人編成のラウドなロックサウンドでピチカートの楽曲を演奏される展開がありました。
センチメンタル過剰な美メロと野宮真貴さんのクールさのなかにメランコリックさを滲ませた歌唱もいいですよね。
ソリッドな演奏の中に深い温もりを感じずにはいられない名曲。
歌詞が「ぼく」という男性人称が使われてたり、彼らにしては珍しい「メッセージソング」というタイトルといい、曲を書いた小西さんにとって転機になる作品かなと思ってましたが、数年後のインタビューで小西さんが別れた奥さんとの間に出来たお嬢さんに捧げた作品だと語られていました。パーソナルなシンガーソングライター風の作品といえます。
歌詞に思想や情念を込めることに否定的だった小西さんでしたが、ピチカートの後期の作品にはこの時期から内省的な作品が少しずつ増えていきます。それらの楽曲をまとめたのが、解散後に小西さんが選曲したピチカートのコンピレーション、『PIZZICATO FIVE I LOVE YOU』です。「メッセージソング」は収録されてませんが。隠れた名曲集です。
それから、この曲について言えば解散後のピチカートのトリビュートアルバム『戦争に反対する唯一の手段は。』での曽我部恵一さんによる弾き語りのカヴァーヴァージョンも大変素晴しいですよね。オリジナルに匹敵する出来です。
シングルの他の収録曲について。
二曲目は『銀ちゃんのラブレター』。
「みんなのうた」でお馴染みの曲のカヴァー。
この曲は作詞を俵 万智さん、作曲が福田和禾子さんが手掛けられています。
惜しくも福田和禾子さんは昨年の10月に亡くなられてしまいました。
福田さんのお名前にご存じなくても「北風小僧の寒太郎」や「赤鬼と青鬼のタンゴ」などは耳にしたコトがあるかと思います。素晴しい童謡作家ですね。
この様な隠れた名曲を取りあげる小西さんもさすがだと思います。
「メッセージソング」を演奏したメンツによる穏やかで温かななコンボ演奏です。
野宮さんの澄んだ歌が魅力的です。
幼い子供の無邪気でまっすぐな想い、優しさが歌に溢れた名曲ですね。
三曲目は『誰かが誰かに恋してる』。
こちらは小西さんのオリジナル作による可愛らしい童謡。
ホーンとストリングスとキッズコーラスがチャーミングさを増幅させています。
三曲ながらコンセプトがカチッと決まった素敵なシングル。
冬になると聴き返したくなるホッとな一枚。
因みにピチカートは翌年、コロムビアレコード内にレーベル《*********records,tokyo》を立ち上げることになります。
それから小西さんと云えば、三谷幸喜さんが脚本・演出、香取慎吾さん主演のオフブロードウェイミュージカルの音楽を担当されてますね。ファンとしてとっても作品が気になる今日この頃です。
『メッセージソング』《CODA-1093》〈作詞・作曲・編曲:小西康陽〉(03'44')【1996】
- アーティスト: pizzicato five,小西康陽,Brian Wilson,福富幸宏,村山達哉,坂元俊介,窪田晴男,佐々田健男,readymade string quartet
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2006/03/31
- メディア: CD
こんにちは。連日失礼いたします。
『銀ちゃんのラブレター』は「おかあさんといっしょ」で放送されている曲ですよー。
1994年6月の月の歌です。
ピチカートファイヴがカバーしているなんて知りませんでした!!!
聴いてみよう。
by 遠益 (2009-12-01 12:57)
こんばんは。「メッセージソング」は私も好きです。何となく師走、12月という感じ
がするのです。当時NHKで観て
「みんなのうた」でピチカート!? この激しい前奏!?
と驚きました。私もこの歌がプライベートな意味を持つことを後で知りました。「未来
への手紙」なのですね。
「銀ちゃんのラブレター」も後年、家族と「お母さんといっしょ」を観ていて、カバー
だったと知りました。
今YouTubeに高橋ひろさんの「唇がほどけない」のPVがupされています。
当時TVKでよく放送されていましたね。
by taka (2009-12-01 23:20)
>遠益さん、こんばんは。
ご指摘ありがとうございます。
「おかあさんといっしょ」だったのですか。
「みんなのうた」かと思ってました。
失礼しました。
ホントいい曲ですよね。
あ、’94年頃と云うと、茂森あゆみさんですね。
美しい方ですね。
関係ないけど「おかあさんといっしょ」の最近のお姉さんは可愛らしいですね。
by 都市色 (2009-12-01 23:25)
>takaさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
「メッセージソング」、いいですよね。
寒い季節に吹く北風のようなギターの音色と、切ないメッセージ。
ひろさんの「くちびるがほどけない」、アップされてますよね。
僕も最近見つけてビックリしました。
初めて見ました。
ひろさん、元気ですよね。
若い!、熱い!
by 都市色 (2009-12-01 23:37)
「メッセージソング」。
ピチカートの曲の中で、いや全てのポップソングの中で一番好きな曲かも。
自分のお葬式で流してほしいぐらいです。
by popholic (2009-12-02 01:07)
>popholicさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
なにか「最期の歌」って感じです。
この曲の素晴しさ、もっと評価されていいはず。
チビちゃんにpopholicさんのメッセージが早く届くといいですね。
by 都市色 (2009-12-03 08:33)
改めていい曲だと思いました。
意味ありげなPVのセンスもよく、「メッセージ」の伝わり方が倍増します。
by うっち (2009-12-03 11:24)
>うっちさん、こんばんは。
コメント&niceありがとうございます。
PVもいいですね。
花田裕之さんも渋いですね。
ジャック ニコルソンにdedicationされてますが、
映画「ファイヴ イージー ピーセズ」っぽい雰囲気でしょうか。
by 都市色 (2009-12-05 01:56)
>あさひさん、はじめまして。
niceありがとうございます。
by 都市色 (2011-04-23 07:17)