『BLUE VELVET / THE MOONGLOWS』 [DOO WOP]
こんちは。
年の瀬近い、黄昏の季節や時期になると聴きたくなる甘くやるせないバラード。
この曲は多くの歌手がカヴァーしています。
トニー ベネットが一番有名でしょう。
僕が初めて聴いたのはやっぱり達郎さんのカヴァーヴァージョンでした。
高校一年のときだったか。
とても美しい、メロディに感激しました。
歌詞も良いのです。
そのあと大学時代に観たピーター ボグダノヴィッチ監督の名作『ラストショー』の劇中にも流れました。
デヴィッド リンチ監督によるその名も『blue velvet』も然り。
1950年代を強烈に意識させる名曲であり、永遠のスタンダード。
今夜紹介するのはムーングロウズ版。
ドゥーワップ/黒人男性コーラスグループの代表格。
今年観た映画で印象に残った作品のひとつ『キャデラック レコード』で描かれたチェスレコードの所属であります。映画では時間と構成の制約の為なのか、彼らの登場はありませんでしたが。
ムーングロウズ版を初めて聴いたとき、
「アレ?レコードの回転数間違えちゃった?」
と、失礼なことを思っちゃいましたが、聴くほどに味わいです。
リードヴォーカルはボビー レスター氏。
太いバリトンが魅力的。
そして優しく温かい、ムーディーなコーラス。
バックでしっとりと響き渡るフルートの音色も効果的です。
スロウテンポの歌と演奏が、時の流れがゆったりとした世界を構築してます。
渋いけど、ドリーミィです。
このヴァージョンを聞き慣れるとトニー ベネット版は陽気で甘過ぎると感じますね。
「ON THE STREET CORNER 1」での達郎さんの一人ア カペラはムーングロウズ版よりもクローヴァーズ版を参考にしていたと思いましたが、手元にオンスト1が無く(実家に置いて来てしまった)、不確かなのですが。研ぎ澄まされた美しさを湛えた達郎版が僕は一番好きです。
B面は『TWELVE MANTHS OF THE YEAR』。
訳すと「一年の12ヶ月」でしょうか。
彼らの代表曲に『TEN COMMANDMENTS OF LOVE』(こちらも達郎さんはカヴァーしてますね。)がありますが、それと同型の「数え歌」です。「JANUARY」から「DECEMBER」まで君を愛しているよ、といった感じです。
こちらもムーディでいかにもドゥーワップ然としたせつないバラードで素敵です。
リードヴォーカルはハーヴェイ フークア氏、作曲も手掛けています。
艶やかなファーヴェイ氏のヴォーカルも良いですね。
二人の魅力的なシンガーが存在する稀有なグループ。
このシングルはオリジナル盤ではなく、再発盤です。
寒い季節に聴くドゥーワップもまた格別なり。
『BLUE VELVET』《CH-91026》〈Written by Bernie Wayne & Lee Morris〉(03'02'')【1956】
20th Century Masters: Millennium Collection
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Chess
- 発売日: 2002/07/02
- メディア: CD
>うまNAVIさん、NICEありがとうございます!
by 都市色 (2009-12-13 12:14)