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『祭の幻想/白木秀雄クインテット』 [ジャズ]

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こんばんは。
今宵もTHINK! RECORDSのシングルを取りあげましょう。
別にレコード会社の回し者ではないですよ。あしからず。
今、巷のコレクターの間で密かに盛り上がっているのが『和ジャズ』。
前回の沢田駿吾クインテットも和ジャズにカテゴライズされるかもしれませんね。
1960年代の日本のジャズ維新。
和ジャズの中の最高峰がこの『祭の幻想』。
タイトルがいいですね。
演奏するのはドラマー、白木秀雄率いるクインテット。
この楽曲は日本人によるオリジナル作品。
ジャズについて偉そうに語れるほどの知識はないので、
ボロが出ないうちにサッサと書いてしまいましょう。

雅やかな琴の独奏から始まるイントロ、お正月にピッタリな感じがします。
流れるような独奏が終ると和太鼓のようなドラムの迫力のあるビートが押し寄せてきます。
ドラムのリズムの影からピアノが同じく拍を打ち付けます。
スウィングするアップテンポのリズムに乗ってミュートしたトランペットとフルートがお囃子のように粋に奏で合います。
いなせな演奏。
日本的な音階を使った旋律は「祭り」という華やかなイメージからは少し逸脱して、明る過ぎず暗過ぎず、どこか不穏な「侘び寂び」を感じさせます。
そういえば、日本の祭りってどこかもの悲しい感じがする、そんなコトを思いました。
「祭り」の「幻想」。
夢とうつつを彷徨いながら、幻想的な世界へ演奏はひたすら進んでいきます。
そしてクライマックスの白木氏のドラムソロ。
緩急豊かな妙演。
力強く叩いたり、ブラシ、そして素手(指先)でドラムを轟かせてます。
最後の大祭りの叩きっぷり。

ジャズと邦楽の和洋折衷。
奇を衒ってますけど決して不自然な演奏ではないです。

B面は『ブルー ロメオ』。
白木クインテットのサックス奏者、松本秀彦氏の作品。
4ビートの気怠いブルース。
殊更エキゾチックな側面を強調しなくても、日本のジャズというものがユニークに成立しているコトを雄弁に奏でています。

ああ、何だか荒木一郎さんの小説『ありんこアフターダーク』を読みたくなってきました。

『祭の幻想』《SN-6》〈作曲:八城一夫〉(07'03'')【1961】


祭の幻想+2 Monaural Version SHM-CD Limited Edition(紙ジャケット仕様)

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  • アーティスト: 白木秀雄,小俣尚也,松本英彦,世良譲,栗田八郎,白根きぬ子
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2009/09/25
  • メディア: CD



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