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『しらけちまうぜ/小坂 忠』 [邦楽ロック/70年代]

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こんばんは。
最近手に入れたアルバムのひとつに小坂 忠さんの『HORO 2010』があります。
1975年にティンパンアレー系の仲間たちとガップリ四つに組んだ和製R&Bアルバムの名盤、「ほうろう」。その16chマルチトラックテープが近年に発見され、演奏の完成度の高さに感化されて当時の音源をバックに再びヴォーカルトラックを入れ直すと云う非常にユニークな企画盤。
今から丁度35年前の忠さんと、現在の忠さんの歌入れ10曲一本勝負。
〝リメイクに名作なし〟というのが一般的な相場ですが、いやいやどうしてこの変則的なリメイク作品はオリジナルに引けを取らない出来なのです。
フォークシンガーとして「ありがとう」でデヴューした忠さんがソウルシンガーとして再出発した最初のアルバムが「ほうろう」。
その後、クリスチャンになりゴスペル歌手としての長きに渡る経験が深く影響していると思います。
アル グリーンもポップなソウルシンガーとして活動してましたが70年代中期からゴスペルシンガーに転身。久しくシーンから離れていましたが、近年再びR&B界に復帰。
盟友ウィリー ミッチェル(R.I.P)のサポートを得て充実したアルバムをリリースしています。
ゴスペルで鍛えた歌の力、慈愛の心、それらが歌をより深くマイルドに表現しています。
忠さん、アル グリーン両氏のナチュラルで、艶やかで、渋くて、実に良い塩梅の歌声。
ヴィンテージないぶし銀のヴォーカル。
『HORO 2010』の中では特に「機関車」でのヴォーカルが素晴しいですね。
歌詞の味わい深さを惹き立てる名唱にじ〜んときました。
泣けます。

という訳で忠さんのシングル。
これは「ほうろう」からのオリジナルバージョンの『しらけちまうぜ』。
松本 隆&細野晴臣という名コンビによるハードヴォイルドR&B。
サザンソウル風にファンキーな名曲。
オリジナルバージョンの忠さんの歌は比較的ソフトな唄い方が魅力ですが、『HORO 2010』は人懐っこい感じ。酸いも甘いも知り尽くした男の魅力が出てます。
この曲は桑名正博さん、野村義男さん、そして小沢健二さんも取りあげてますね。
90年代半ばに渋谷クワトロでヒックスヴィルと青木達之さんをバックに唄うオザケンを観ました。
嬉しかったです。

http://www.youtube.com/watch?v=BhhZXsiMYcY



B面は『ボンボヤージュ波止場』。
こちらもハードヴォイルドを気取ったメロウでムーディなバラード。
オリジナルはクールな語り口の歌唱ですが、62才の忠さんの歌は抑揚の効いたダンディな響きでこちらも素敵です。
やっぱり歌が上手いですよね。

そして驚くのは今から35年前の音源で聴ける卓越した演奏。
細野さん、松任谷さん、林さん、そして茂さんのリズムの緻密さ。アッコちゃんも。
全員20代。う〜ん。スゴい表現力。
コーラスの美奈子さん、達郎さん、そして大貫さんも上手いですね。
先日のユーミンの「ひこうき雲」のマスターテープの話にも通じますけれど、あの時代の方々の才能のほとばしりには今もうならされます。
興味深いテーマです。
それにしてもティンパンアレー系のミュージシャンは皆さん、今も活発にクリエイティヴに活躍されてますね。何よりなことです。

『しらけちまうぜ』《CD-238-Z 》〈作詞:松本 隆/作曲:細野晴臣/編曲:細野晴臣・矢野誠〉(03'02'' )【1975】

HORO2010

HORO2010

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックダイレクト
  • 発売日: 2010/03/24
  • メディア: CD



ほうろう

ほうろう

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
  • 発売日: 2001/11/21
  • メディア: CD



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