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『駅/竹内まりや』 [竹内まりや]

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こんにちは。
今年最後のブログ更新です。

今年最後に観に行ったライヴは竹内まりやさんの「SOUVENIR AGAIN」 。
10年ぶりのコンサート、大阪城ホールにて12月21日。
まりやさんのソロコンサートを観るのは初めてでした。
達郎さんのコンサートのサブライズで登場して歌う姿を観たのは丁度二年前の今はなき、大阪フェスティヴァルホールでした。
その時も驚きと共に感動しましたが、こうしてワンマンライヴを観られるとは、本当に嬉しかったです。
十代の頃からずっと聴き続けて来た憧れのミュージシャンのライヴを偶然にも今年は沢山観るコトが出来ました。元春、達郎さんは何度も観ていますが、吉田美奈子さん、伊藤銀次さん、コリン ブランストーン(ZOMBIES)、キャロル キング、ジェームズ テイラーは初めてライヴを体験しました。
そしてその集大成とも言えるまりやさんのライヴ。
達郎さんとの結婚後、レコード会社を移籍しての音楽活動はレコーディングのみに専念していたのでライヴ活動は皆無に近く、本当にレアなライヴ。
本当に夢のような一夜でした。
そこにはレコードやCDで聴こえる、いつものまりやさんがいました。
いつまでも瑞々しいアルトヴォイスを響かせて…。
そして若々しく、美しい容姿。
最大の理解者である達郎さんが率いる素晴しいバンドをバックに演奏される名実共にヒットソング。
70年代、80年代、90年代、そして21世紀以降の名曲たち。

彼女の唄は常に僕の生活と共にありました。
テレビから「不思議なピーチパイ」が聴こえて来たのは保育園から小学校に上がる頃。
高校に入り、初めて買った彼女のアルバムは「リクエスト」、「元気を出して」に泣きました。
「シングル アゲイン」がヒットしていたのは高校一年の頃、当時僕が片思いを寄せていたクラスメートが音楽の授業でこの曲を演奏しました。
「マンハッタンキス」は浪人時代、江戸川近くのボロアパートにて、CDラジカセで良く聴きました。
大学に入学した記念に買ったアルバム「ユニヴァーシティ ストリート」。
ベスト盤「インプレッションズ」を繰り返し聴いた大学時代。
「カムフラージュ」を聴いたのはフリーターだった頃。主題歌となったドラマ「眠れる森」を良く観てました。
静岡の実家に戻って生活を始めた頃、愛聴したカヴァーアルバム「ロングタイム フェイヴァリット」。
そして現在まで。
何度聴いても色褪せない彼女の歌を振り返ると僕の記憶が蘇るのです。
洗いざらしのシャツ、履き慣れたスニーカーのような親しみのある音楽。
改めて、ライヴによってまりやさんの存在の大きさ、かけがえのなさに気付かされた夜でした。
何と云うか、心の恋人なのですね。

そんな訳でまりやさんのシングルをとりあげましょう。
僕が初めて買ったまりやさんのシングルが「駅」です。
アップしてる画像はアナログシングルですが、中学三年のときに買ったのは8センチのCDシングルでした。今は実家に置いてあるはず。
このシングルは「駅」とカップリングの「AFTER YEARS」との両A面扱いだったと思います。
「AFTER YEARS」から紹介しましょう。
この曲は当時テレビの情報番組のエンディングテーマに使用されていて、気に入ってシングルを買いました。
学生時代の仲間たちが仕事帰りに再会するという内容の歌詞。
その中にはかつての恋人も…。
甘くほろ苦いノスタルジー、過ぎ去りし青春をさらりと楽曲にコンパクトにまとめあげる手腕のみごとさ。まりやさんの真骨頂だと思います。甘美でありながらどこか哀愁を感じさせるメロディ。
ボサノヴァ風のリズムに、アコースティックな楽器編成の落ち着いた響きが印象的。
シンプルでありながら抑制の利いた達郎さんの丁寧なアレンジが楽曲の鮮度をいつまでも保っています。聴けば聴く程味わい深い、隠れた名曲だと思います。
のちにアルバム「QUIET LIFE」(1992)に収録されます。

そしてカップリングの「駅」。
有線でも大ヒットしたまりやさんの、そして日本のポップスのスタンダード。
もともとは中森明菜さんの為に書き下ろされた作品ですが、アレンジャーの達郎さんが明菜さんのバージョンの出来に憤慨し、この素晴しいセルフカヴァーバージョンを作ることになったそうです。
一見するとマイナー調の歌謡曲に堕しかねないメロディですが、作品の魅力を十二分に理解した達郎さんの気品溢れるアレンジによってエヴァーグリーンなポップスに仕上りました。
市井のありふれた日常風景の中に忍び寄るドラマ。
雨模様の夕暮れ時の駅にて、偶然かつての恋人を見かける…。
静かな唄い出しから徐々に物語が大きく動き出し、サビでの心の中に吹き荒れる葛藤の嵐。
穏やかながら、危険な香りが漂うAメロの旋律、巧みに計算されたような完璧なメロディラインだと思います。聴く度にゾクゾクします。サビからの怒濤の展開を予見する見事なイントロ。
チェンバロの響きも良いですね。
そしてマエストロ、服部克久さんの繊細でスケールの大きなストリングスアレンジも琴線に響きます。
木崎義二さんがこの曲を「カンツォーネ」だと評したのを読んだコトがありますが、叙情的な深い陰影を帯びた素晴しいメロディですよね。
大阪城ホールで観たライヴでも勿論この曲を披露して下さいました。
目頭が熱くなりました。
このライヴの開演前、最寄りの大阪城公園で降りずに、一つ前の京橋で降りてホールへ向かったのですが、ちょうど歌の世界のような夕方の雨で、まりやさんの歌を聴きながら京橋の風景を思い出しました。まりやさんは歌いながら、歌の世界に感情移入したようで涙ぐんでいました。
それがさらにグッと来たのです。
本当に良い曲だなぁ、とシビれました。
劇的ながらどこか淡々と演奏を続ける達郎バンドの表現も良かったです。
この曲を収録した「リクエスト」が彼女のアルバムで一番好きですし、大切な思い出の一枚です。

このシングルの二曲、どちらも「過去の恋人との再会」がテーマのですね。

念願のまりやさんのライヴを観られて大満足。
ファンを大切に思う気持ちも強く伝わるコンサート全般の構成も素晴らしかったです。
今もライヴの余韻が覚めやらぬ、といったところ。
また近いうちにライヴを開催して欲しいです。
いつまでもお元気で、いつもの素敵なまりやさんでいて欲しいと思います。

それでは、今年一年、このブログをご覧下さってありがとうございました。
最近は思うように更新出来てませんが、紹介したいお気に入りシングルはまだまだいっぱい。
来年も引き続きご愛顧の程を。
それでは良いお年を。

『駅』《MOON-753》〈作詞/作曲:竹内まりや/編曲:山下達郎/ストリングスアレンジ:服部克久〉(04’46’’)【1987】


REQUEST

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: イーストウエスト・ジャパン
  • 発売日: 1999/06/02
  • メディア: CD



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  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
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コメント 4

いとぞう

明菜さんバージョンって実はちゃんと聴いた事が無いので、「駅」はまりやさんのイメージしかありません。名曲ですよね。
僕が初めて買ったまりやさんのアルバムも「リクエスト」でしたので、とても思い出深いです。当時、このアルバムは驚異的なロングセラーを記録していましたよね。いつまで経っても売り続けている、そんなイメージでした。

大阪城ホールのライヴも素晴らしかったことでしょう。
都市色さんの今年は沢山の初ライヴを体験して、充実していましたね!
来年もよろしくお願いします。良いお年を!
by いとぞう (2010-12-31 15:12) 

nakamura8cm

おお、まりやさんのライブ行かれたんですね~いいな。
私の「今年はじめて」はシャルロット・ゲンスブールでした。生シャル。興奮しました!
それはさておき、奇しくもうちの大晦日ネタもまりやさん。都市色さんの記事を引用させていただきました。
来年もお互いマイペースで続けていきましょう!
by nakamura8cm (2010-12-31 23:49) 

都市色

>いとぞうさん、
明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
明菜さんの「駅」は何と云うか覇気が無いと云うか、丁寧に上手く歌おうとして逆に曲の良さを殺してる気がします。
「リクエスト」が初めて買ったまりやさんのアルバムとは同じですね。
by 都市色 (2011-01-06 05:01) 

都市色

>nakamuraさん、
明けましておめでとうございます。
お返事が遅れて申し訳ありません。
シャルロット ゲンズブールが来日してたのですね。
BECKがプロデュースしたアルバムを引っさげてのライヴでしょうか。
買おうと思ったのですが、そのアルバムはまだ聴いてないのです。
レコードで欲しいです。
「夢の続き」の短冊もレアですよねぇ。
カップリングがレコードと違うのですし、さすがです。
これからも宜しくお願いします。
by 都市色 (2011-01-06 05:05) 

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