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『BAND ON THE RUN / PAUL McCARTNEY & WINGS』 [BEATLES]

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こんにちは。
ロック界の超大物が続きます。
今回はポール マッカートニーさん。
昨年11月にリリースされた、彼の過去の名作の本格的なアーカイヴ シリーズの第一弾、
『バンド オン ザ ラン』の特別盤から、同名タイトルの7インチも再発されました。

『バンド…』は通常盤、デラックス盤、そしてスーパーデラックス盤と、まるで「松/竹/梅」って感じで三種類出ましたが、小市民の僕はお金がないのですが奮発してデラックス盤(¥4500)を購入。
僕が生まれた年、1973年にポールは二枚のアルバムを出しました。
「レッド ローズ スピード ウェイ」、そしてこの「バンド オン ザ ラン」。
僕はどちらも好きですが、後者のアルバムはビートルズ解散後の彼の最大のヒットアルバムになりました。
コンセプチュアルな大作志向を好むポールらしい、ユニークなポップアルバム。

さて、オープニングナンバーの「バンド オン ザ ラン」の7インチ。
この曲を初めて聴いたのは中学2年くらいでした。
ポールのベストアルバム「ALL THE BEST」に収録されてたのを聴きましたが、印象的でした。
まったく異なる様々なメロディが整合感無く、串団子みたいに無理矢理一つにまとまっている気がしました。
勿論、それ以前にビートルズの「アビーロード」の「YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY」も聴いていました。
そのときはあのアルバム特有の後半のメドレー大会に劇的な有終の美を感じたのですが、「バンド オン ザ ラン」は、刑事ドラマのモンタージュ写真の如きアンバランスさに戸惑いました。
しかし、「ALL THE BEST」には更にその上を行くような「LIVE AND LET DIE/死ぬのは奴らだ」も収録されており、このベスト盤を聴き続けているうちに不思議なポールのポップマジックにハマってしまいました。このベスト盤はホントに今でも大好きです。この一枚を入口としてソロのポールを聴き出しました。
ポールの音楽は「考えるな、感じろ」って名言が相応しい、動物的な勘で作られているのではないでしょうか。とにかく人を楽しませるのが好きな、エンターテイナー精神旺盛なポールの音楽のセオリーを越えたパワーを感じます。2002年に観に行った東京ドーム公演でも感じました。
東京ドームと云えば、ジャイアンツ。
ジャイアンツの長嶋茂雄選手に通じるモノを感じました。
話は戻って「BAND ON THE RUN」。
このタイトルも不思議ですね。
中学生だった僕には意味が判りませんでした。
直訳すると「走る状態にあるバンド」、それが「バンドは逃げる」という意味に訳される。
コンサートツアーに明け暮れるバンドではなく、お尋ね者のバンド。
サウンドも、穏やかなオープニングから、いきなり少し翳りのあるマイナー調のメロディに移行して、さらに脈絡無くオーケストレーションが橋渡しとして響きだし、派手な明朗なメロディへ。めくるめく展開の嵐。
でも何だか楽しい。
理屈を越えた面白さがあります。
思わずくちづさんでしまう朗らかなキャッチーなメロディの宝庫。
大らかで楽天家な人柄が滲んでいます。
素晴しいですね!
ウィングスにはリンダ マッカートニーと云うポールの奥さんも参加していますが、
プロフェッショナルなメンバーを起用しない、というのがまたポールらしくって良いですね。

B面は「NINETEEN HUNDRED AND EIGHTY FIVE (西暦1985年)」。
アルバム「BAND ON THE RUN」のラストを飾る、まるで映画のエンドロールに流れるドラマティックな大団円。
高揚感を湛えたプログレ風なサウンド。
最後の最後に「BAND ON THE RUN」のフレーズ断片も再登場、ふりだしに戻ります。
つまりこのシングルはアルバムのオープニングとエンディングのカップリング。
「起」と「結」。
伝説巨神イデオン風に言えば(?)、「接触篇」と「発動篇」ってコトです。
そんなコトないか。失礼、言い過ぎました。
このアルバム全体を俯瞰しても、個性的な曲が多いですよね。
ラゴス録音が関係しているのか、プリミティヴで型破りな曲が多い感じがします。
でも響きは人懐っこく親しげ。
さすがポール マッカートニー。大好き。

それにしてもどうして「1985年」なのでしょうね。
この曲が作られたと思しき、1973年からはまだ遠い未来に感じられたのでしょうか。

僕が購入した「BAND ON THE RUN」デラックス盤はCDの一枚目がオリジナルバージョンだけを収録、二枚目がアルバム未収録のシングル曲やアビーロードスタジオでのライヴ「ONE HAND CLAPPING」からの音源、二枚ともデジタルリマスター、高音質盤仕様。そしてDVDにはアルバム収録曲のプロモーションビデオ、ラゴス録音やアルバムジャケットの撮影風景を撮った映像、そして前述の「ONE HAND CLAPPING」からの映像と盛り沢山。
ブートレグ映像で知られる「ONE HAND CLAPPING」が比較的良い状態で観られるのは嬉しいですが、ブートレグ映像では見られた曲が一部カットされているのが残念。それはコレまで世紀に録音されたことが無い「SUICIDE」というジャジーな曲で、出来が良いだけに無念。ポールがスーツで正調をしてピアノを弾き語るのが素敵です。いつかポールにはこう云ったピアノの弾き語りのお洒落なアルバムを出して欲しいなぁ。
因に今回取りあげた7インチもリマスターされた良い音です。

と、今回のブログも何だか話が脱線気味で大味なところがポールらしくって良いワケないか。
お粗末!

『BAND ON THE RUN』《HRM-32631》〈Words & Musc : Paul McCartney〉(05’12’’)【1973】


バンド・オン・ザ・ラン デラックス・エディション(完全限定生産盤)(DVD付)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2010/11/17
  • メディア: CD



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坂井哲也

先日『ノーウェアボーイ』という映画を見たのですが、ポールがあまりにも優等生というか、トッチャンボーヤなので笑ってしまいました(ジョンは全く似ていなかった)。

余談ですが都市色さん、やはり同い年でしたね。同年代の人が、趣味のブログを続けていると、こちらの励みになります。これからもマイペースで更新続けてください。
by 坂井哲也 (2011-02-26 20:27) 

都市色

>坂井さん、こんにちは。
コメント&niceありがとうございます!
「ノーウェアボーイ」をご覧になったのですか。
良いですね。
僕は最近映画を観てません。
観たいなぁ。
ポールがトッチャンボーヤ風ですか。
なるほど。
こちらこそ、これからも宜しくお願いします。
三月中にはアニソン特集やります!
by 都市色 (2011-02-28 06:34) 

挿入できるよ

アルバイトはじめましたd(´∀`*)グッ★ http://cwca.mobi
by 挿入できるよ (2012-05-03 10:24) 

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