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『祈り/小林建樹』 [邦楽ロック/00年代]

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こんにちは。
母なる大地の気まぐれな運命のひとひねりに日本各地で嘆きの日々。
今も末恐ろしい余震が続いています。
被災者の方々には心よりお見舞い申し上げます。
マグニチュード9.0を記録した地震の前に、今や日本中が程度の差こそあれ、被災者なのかもしれません。北関東や東北地方に身内や友人がおられる人は多いでしょう。
その人たちの安否に心此処に在らずな日々。
知らず知らずのうちに心労が体を蝕んでいることでしょう。

こんな圧倒的な地震を前に音楽は無力です。
それでもテレビから映される自然の猛威、壊滅に近い被災地の映像、ニュースからの情報に翻弄されたとき…。
僕は黙って電源を消して、ベッドに横たわって、瞑想して、気晴らしに音楽をかけます。
現実からの積極的な逃避、束の間の。
心を鎮める為の音楽が僕にはあります。
そんな思いでブログを自己満足に更新しています。

本日紹介するのは奇才シンガーソングライター、小林建樹さんの「祈り」。
2000年にリリースされたシングルでドラマのエンディングテーマにも使用されました。
絶望の闇の中から一糸の光が漏れ射し、希望を見出す崇高なバラード。
傷ついた友人や恋人の側にそっと寄り添うような音楽。
渾身の気持ちを歌に込めて、鍵盤を叩く孤高のピアノマン。
静謐と激情が交差する歌声。
ドラマティックな展開の旋律に心を奪われ、やがて優しさに包まれます。

♪答えは全部心の中に あるはずだから 迷わないで
 さよならなんて 意味が無いのさ 今は目を閉じて耳を澄まそう



ピアノの無垢な響きにささくれた心が癒されます。
この作品のレコーディングエンジニアは何と吉野金次さんと伊東俊郎さんです。
吉野さんらしい歌心を大切にされた響き。
名曲たらん仕事ぶり。
建樹さんはご両親から聴かされた元春の「サムデイ」に影響を受けて音楽を志すようになったと聞いたことがあります。

カップリングは「メッセージ」。
清らかさと猥雑さが絶妙にミックスされてポップに弾けてるのが小林建樹さんの音楽なのですけど、その魅力が良く出ている曲ですね。
16ビートの気怠いリズムにメロウな旋律が踊ります。
ビター&スウィートさが何とも心地良いメロディです。
途中で4ビートのジャズになったり、そういうひねくれたソングライティングが光ります。
やけっぱちな唄声も良いです。

ジェケットの写真は蜷川実花さんによるものです。

小林建樹さんの音楽、もっともっと高く評価されても良いと思うのです。
キリンジや青山陽一さん、カーネーションのファンの方は聴いて損はしません。
桑田佳祐さんの新作のタイトルは「MUSIC MAN」で素晴しい内容ですが、建樹さんはその10年も前に同じアルバムタイトルで傑作を創ってますから!!
ホントに良いアルバムです。
建樹さんはここ数年はプレイヤーやプロデューサー、作曲家として裏方の活動が目立ちますが、そろそろご自身の作品も出して欲しいです。

ときには素敵なメロディーで心を休ませましょう。

『祈り』《KTCT-1669》〈作詞/作曲/編曲:小林建樹〉(05’13’’)【2000】


Blue Notes~The Best of Tateki Kobayashi~

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  • アーティスト: 小林建樹,ホッピー神山,羽毛田丈史,窪田晴男,奥田健治
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルJ
  • 発売日: 2002/10/16
  • メディア: CD



Rare

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  • アーティスト: 小林建樹
  • 出版社/メーカー: キティ
  • 発売日: 2000/07/05
  • メディア: CD



Music Man

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  • アーティスト: 小林建樹
  • 出版社/メーカー: キティMME
  • 発売日: 2001/09/12
  • メディア: CD



小林建樹 ゴールデン☆ベスト

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルJ
  • 発売日: 2006/07/05
  • メディア: CD



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