『くだらないの中に/星野 源』 [星野 源]
こんにちは。
震災から一週間以上経ちました。
未だ絶え間ない余震に不安な日々が続きます。
実家の静岡でも地震が起きたとき、原発がある母方の実家の町での思い出が頭に浮かびました。
幼き日、あの頃の平穏な日々、でもあのときにも原発は動いていたのです。
一週間以上前の日々のことが遠い昔のよう。
本日紹介するのは星野 源さんのファーストシングル「くだらないの中に」。
SAKE ROCKのメンバーであり、俳優としても活躍されています。
「ゲゲゲの女房」を観ていた僕にとってはSAKE ROCKの、というよりも「貴司」役の星野さんであります。
昨年リリースされたファーストソロアルバム「ばかのうた」はとても愛聴した一枚。
彼の歌声を初めて聴いたとき、(顔に似合わず)渋い声に驚きました。例えるなら、西岡恭蔵さんに似てるな、と思いました。そして内容は細野さんのファーストアルバムを思い出させました。
「HOSONO HOUSE」をもっと庶民的にしたような。
そんな大名盤でした。
と、言う訳で待望のシングル「くだらないの中に」。
期待を裏切らない名曲でした。
凡百の自称アーティストたちが見過ごしてしまいがちな、平穏な日常の瑣末な、しかし愛おしい瞬間を見事に歌詞に紡ぎ、万人の心を打つ「うた」に昇華してます。
言葉に呼応するメロディの美しさ。
頭皮の匂いを嗅ぎあって、「臭いなぁ」と笑い合うふたり。
アホなことを、バカなことを云い合えるふたり。
それは気心の知れた者の間で知らず知らずのうちに自然に生まれる愛情表現の一つなのでしょう。
愛する人といつも通りに生活を営むことの素晴しさを「くだらないの中に」は伝えてくれてるのだと思います。。
星野 源さんの視点の温かさ、寛大さに心を揺らされました。
素晴しいシンガーソングライターですね。
細野晴臣さんが注目するのも頷けますね。
そして、
そんな日常は平和な世界が基盤として存在するからこそ。
改めて、ありふれている(ように見える)平穏な日常の貴重さと脆弱さを認識しますね。
♪流行に呑まれ人は進む 周りに呑まれ街はゆく
僕は時代のものじゃなくて
あなたのものになりたいんだ
なんて真摯な良い曲なんだ。
二曲目は「歌を歌うときは」。
女性人称で優しく、そして率直な言葉で歌われるメッセージの鋭さと深さに感動します。
♪歌を歌うときは 背筋を伸ばすのよ
人を殴るときは 素手で殴るのよ
さよならをするときは 目を見て言うのよ
好きだというときは 笑顔で言うのよ
三曲目は「湯気」。
ゆったりと、かつ太いグルーヴのバッキング。
ゆらゆらと湧き立つ湯気をキーワードに描写される日常生活のアレコレ。
星野 源さんの素朴でイマジネーション豊かな「歌」の世界のおおらかさ。
四曲目は「ブランコ」(HOUSE VER.)
ブランコを押してくれる隣人の存在の有り難さ。
人生を共にしてくれる「君」へのラヴソング。
自分だけの言葉で歌われる「うた」の心強さ。
「君は一人じゃない」なんて、稚拙なJポップのクリシェは使わない。
五曲目は「ばかのうた」収録曲でもある「くせのうた」のアコギでの弾き語りヴァージョン。
「くせのうた」(HOUSE VER.)。
唄の背後にカラスが鳴く声が聞こえて来て、なんだか星野さんのアパートの部屋でくつろぎながら歌を聴いてる気分になります。
ザ・バンドの「ウェイト」のような滋味溢れるバラード。
日常から漏れるパーソナルな独白のような歌詞に人生の重みを感じさせます。
でもどこか朗らかな響きがあって、そこが彼の唄の魅力ですね。
人は笑いながら悲しいことを呟く。
初回盤の「くだらないの中に」はDVDが付いていて、PVあり、ライヴ映像あり、メイキングあり1時間強の充実ぶり。もう売れ切れてるところもありますが、通常盤だけでも価値はあります。
星野 源さんの「うた」はブルース。
美しい側面も、醜い側面もひっくるめて人間を音楽で表現出来る数少ない音楽家ですね。
其処には愛とユーモアが絶え間なく流れています。
とても大好きなSSW。
フツーのお兄さんみたいな佇まいも素晴らしい。
このブルースが少しでも多くの方に、日本の隅々にまで届きますように…。
安らぎの日常が再び戻りますように…。
『くだらないの中に』《VIZL-409》〈作詞/作曲/編曲:星野 源〉(04’18’’)【2011】
>うっちさん、niceありがとうございます。
by 都市色 (2011-03-22 13:32)
こんにちは。
ちょっと気になる星野源、
彼の運命の秘密を読み解いたコラムがここで読めます☆
http://birthday-energy.co.jp
「運命2011これがあなたの生きる道」も配信中です。
ぜひ行ってみてくださいね♪
by ぜんざい (2011-03-28 22:58)