『粋なうわさ/ヒデとロザンナ』 [歌謡曲/60年代]
こんにちは。
今回も筒美京平さんの作品を。
ヒデとロザンナの「
出門 英さんと、イタリア人女性のロザンナさんによる夫婦デュオ。
1969年のシングル。
作詞はお馴染み,橋本 淳さん。
♪シャララ ラララ シャララ ラララ〜
の明るいイントロが印象的。
恋人たちの出会い(一番)と別れ(二番)を微笑ましいメロディに乗せて歌います。
チェンバロとストリングスのピチカートの音色がロマンティックな京平先生のアレンジ。
当時19歳のロザンナさんは日本語が上手いですね。
エンディングではイタリア語で何か語っているのですが,イタリア語が判らない僕には訳せません。
ご存知の方がいたら教えて下さい。
B面は「愛のひととき」。
これがまたB面なのが惜しいくらいのクオリティ。
ボサノヴァ歌謡の決定版、名曲。
「粋なうわさ」よりも大好きです。
♪ダバダバ…
な、お二人のユニゾンとフルートの調べからウットリしちゃいます。
メジャーセブンスを多用したコード進行が誘う甘美なメロディ。
ナイロン弦のギターの爪弾き、転がるようなピアノの音色,ギロのリズム。
洗練された京平先生のアレンジの妙。
演奏だけを聴けば海の向こうの曲だと思いますよね。
昼下がり、恋人たちが小舟に乗って波に静かに浮かんでいる、橋本 淳さんのムーディでメロウな歌詞も良いです。
エンディングの展開も良いんですよね。
お洒落過ぎます。
いつかショコラ&アキトにカヴァーして欲しいなぁ。
この曲を初めて聴いたのは、1992年の浪人時代の秋でした。
小西康陽さんがDJを、橋本 徹さんが選曲を務める伝説のラジオ番組「サバービアズ パーティ」。
「ジャパニーズA&M」というタイトルの特集でした。
1970年前後、大阪万博に盛り上がる日本で当時流行ったソフトロックやボサノヴァをフィーチュアした歌謡曲が30分の放送内に沢山流れました。
とにかく驚きました。
日本でこんなにお洒落な歌謡曲があったのか!?と。
筒美京平さん、村井邦彦さん、浜口庫之助さん、三保敬太郎さんなど優れた作曲家の仕事に感動しました。
その二年後、高浪慶太郎さんがライヴでこの曲をカヴァーしてくれました。
とても嬉しかったです。
その数年後、レコード会社各社が協力してその時代の音源を集めたコンピレーションが発売されました。その名も「ソフトロック ドライヴィン」。
今でも高く評価される伝説の名コンピレーション。
選曲は土龍団。
そのコンピの日本コロムビア編に「愛のひととき」は収録されました。
他にも、いしだあゆみさんの「ひとりにしてね」「絵本の中で」(クロディーヌ ロンジェが日本語で歌ったこともある名曲)、堺 正章さんの「ベイビー勇気を出して」、佐川満男さんの「フランス人のように」など名曲多数でした。日本コロムビア編が僕は一番好きです。
更に数年後、筒美京平さんの作曲家生活40周年を記念した8枚組CDボックス「THE HIT MAKER」にも収録されました。
シングルのB面なのですが、とても洗練されたサウンド。
B面だからといって手を抜かないのも凄いですね。
改めて筒美京平さんの、リアルタイムで新しい海外のサウンドをキャッチして自分の作品として吸収するセンスと才能に感動します。
リスペクト。
『粋なうわさ』《P-58》〈作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平〉(02’37’’)【1969】
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