『GOLDEN KING／口ロロ』：03'54''：So-net blog

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『BLUE SHININ' QUICK ..｜『夏が来た！／キャンディーズ』ブログトップ

『GOLDEN KING／口ロロ』　[ヒップホップ] [編集]

こんにちは。
夏らしいシングルをギャンギャン紹介していきまショーコスギ。
このブログには初登場です、口ロロ、クチロロ。
ブリリアントなブレイクビーツポップユニット。
大好きです。
良いですね。
デヴュー間もない頃はポストフリッパーズとの呼び声も聞こえました。
なるほど。
このグループのフロントマン、三浦康嗣さんの才能は凄いですから。
今回取りあげるのは2007年のアルバム「GOLDEN LOVE」からの先行マキシシングル「GOLDEN KING」。

坂本龍一氏が主宰するCOMMONSへの移籍後初のシングル。
夏に恋する男たちの不埒な妄想と暴走を弾けまくるシンセサイザーのビートと乱れるドラミングに乗せて世間さまと夏のお天道様のご機嫌を伺ったり訴えたりするアッパーチューン。
三浦氏の淀み無く溢れ出すライミングとフローに身を委ねてパーリーパーリーでゲットストーンドなのです。殆ど言葉に意味はないのですがサウンドに絶妙にマッチした言葉の身軽さが天晴です。
無性に楽しい音なり。

♪21世紀の猛暑にあがるテンションmove on up ! かけろモーション！
　funky & fresh な太陽が黄金でrockする！

このPＶも実に面白いですね。素晴しいアイディアです。
KYで本日もご安全に夏をお過ごし下さい。

二曲目は「STARFLIGHT -PLANETARIUM VERSION-」。
一転してクールダウンして、夏の夜空をバックに聴きたくなっちゃうメロウでセンチなポップチューン。ヒンヤリとするウーリツァーの音色。ベースのグルーヴ。
ハートを心地好く射抜くような甘美なメロディと16ビートに降参です。
この曲も名曲ですよね。

♪後になって意味が変わる瞬間　今がきっとそんな瞬間
　何があろうと何はなくとも初めから決まっていたような
　それは最高にクールでカラフルな世界との出会い

作詞作曲は三浦氏です。
メロディアスなトラックメイカーとしての才能も素晴らしい。
歌詞も良いですし。
少年の様なミントブルーな歌声も素敵で、小山田圭吾さんに通じる歌唱。
僕がDJだったら前回取りあげたフリッパーズの「星の彼方」に絶対繋げちゃいます。

三曲目は「VALENTINE♡KISS」。
バレンタインの歌なのかもしれませんが、ウッドベースによるミディアムテンポのブレイクビーツを主体としたインストゥルメンタル。フェンダーローズとハープとエレキギターのカッティングがアクセントとなって淡々と流れて行きます。
仄かなあたたかい光に包まれているようなサウンド。
作曲アレンジは口ロロ。

「GOLDEN KING」「STARFLIGHT」は傑作アルバム「GOLDEN LOVE」に収録されています。「VALENTINE♡KISS」はアルバム未収録。
「GOLDEN LOVE」は夏向きな曲が多いので、この季節にピッタリです。

口ロロは結構メンバーの入れ替わりが多いのですが、この時期は三浦氏と南波一海さんの二人で活動していました。この二人がオリジナルメンバーだと思うのですが、この後多少入れ替わりがあり、現在は三浦氏、村田シゲさん、そしていとうせいこうさんのトリオ編成になっています。
南波さんは現在音楽ライターとして活動中ですね。
「GOLDEN LOVE」には当時まだ正式にメンバーではありませんでしたがせいこうさんが１曲ラップで参加しています。
せいこうさんが2009年に参加して以降はより実験的なサウンドが増えたり、幅の広い自由な音楽性になってると思います。

三浦康嗣さんと云うと、彼が音楽を手掛けた舞台「わが星」を先月に伊丹で観賞しました。
“ままごと”という劇団で作演出を手掛ける柴幸男さんはこの作品で岸田國士戯曲賞を獲得しました。
宇宙の歴史ととある惑星のとある国のとある街の公団住宅に生活する少女の一生をリンクさせたストーリィ。口ロロの「00：00：00」と云う楽曲が物語のキーとなり全編に会話とライムが渾然としたブレイクビーツミュージカルでありました。
感動しましたね。
HIP HOPと云う形態のユニークさ、可能性の大きさも再確認しました。
口ロロは所謂、形式的なHIP HOPからフットワーク軽く逸脱しているので好きです。

『GOLDEN KING』《RZCM-45493》〈作詞／作曲／編曲：三浦康嗣〉（03’33’’）【2007】