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『CABIN ESSENCE / THE BEACH BOYS』 [BRIAN WILSON]

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皆さん、明けましておめでとうございます…って遅いですね。
今年も本ブログを宜しくお願いします。
気がつけば、三週間近く更新していませんでした。
その間、色々あったような,無かったような。
まぁ、思うところがありまして、少し休んでいました。

しばらく放置しても埃が溜らないのがブログのいいトコロ。
埃は溜りませんでしたが、うさん臭い出所からのコメントを沢山頂戴しました。

さて、今年一発目のシングルはビーチボーイズです。
ロックファンにはお馴染みの幻のアルバム『SMiLE』が44年のときを経て、昨年遂に公式リリースされました。
「PET SOUNDS」(1966)に続く新作として、旺盛な創作意欲の絶頂にあった若きブライアン ウィルソンが作詞のパートナーに同じく新進気鋭の音楽家として売り出し中だったヴァン ダイク パークスを迎えてアルバム制作を開始するも、アルバムの内容を巡ってのバンドメンバーやレコード会社との軋轢、そしてブライアン自身のドラッグ禍により、アルバム制作は頓挫します。
その後、アルバム自体は封印されますが、収録曲は様々に形を変えながら後の彼らのアルバムに収録されたり、ブートレグとして非公式にファンの間で聴かれてきました。
1993年に出た彼らのCDボックス「GOOD VIBRATIONS BOX」には未完成ながら当時のセッション音源が初めて公式に収録され、不完全ですが個人的に初めての「SMiLE」 体験となりました。
さらに時代は進みますと、2004年に心身共に復調したブライアン ウィルソンがライヴバンドのメンバー達のサポートを受けて再レコーディングした、彼名義での「SMiLE」を発表してまさに世界を「アッ!」と云わせました。
来日ツアーではライヴでも見事アルバムを再現して魅せました。
そして現在に至ります。
つまり今回の「SMiLE」は三度目の正直。
CDボックス版、そしてブライアン版を経て、あらためてアルバムとして通して聴きますと、やはりある種の感慨が湧いてきます。若き日のイノセントなブライアンの歌声とクリエイティヴでエキサイティングなサウンドが色褪せるコトなく心に響きます。新しい世界の音が広がって1967年で時代が止っている気がします。カールもデニスも健在でした。
21世紀の音楽状況と比べると、コンセプトアルバムが成立しにくい世の中にあってますますこのアルバムの希少性が浮かび上がります。
そして現代よりも1960年代には音楽が文化の中でプライオリティが高かったと云うコト。

とはいえ、正式なタイトルが「SMiLE SESSIONS」である通りにこれも完璧ではありません。
空中分解したSMiLE遺跡とも云える当時の音源の断片を基に、2004年のブライアン版をリファレンスしながら21世紀のレコーディング技術で復元したレプリカなのです。

てな訳で、シングルの紹介を。
前回のスマイレージ(S/mileage)から「SMiLE」へ。
“スマイル”つながり。
笑うカドミウム電池には福来る。
ビーチボーイズの幻のアルバム「SMiLE」からの音源なのですが、英国のユニークな音楽雑誌「MOJO '60S」のオマケの7インチです。
今回出た「SMiLE SESSIONS」のコレクターズ ボックスにも7インチが付いて来ているようですが高くて変えませんでした。勿論内容は違います。
MOJO誌の付録とはいえ、ちゃんとキャピトルからライセンスを取った正規盤です。

まずはA面。
「CABIN ESSENCE」。
彼らのアルバム「20/20」に収録されていますが,元々は「SMiLE」セッションで生まれた作品。
“ドウィン ドウィン ドウィン…”という奇妙なコーラスに乗ってバンジョーの音色とノスタルジックなメロディが哀愁を漂よわせる「HOME ON THE RANGE」と目まぐるしく響き渡るグループのフシギなコーラスワークがサイケデリックな「WHO RAN THE IRON HORSE」。
そして「HAVE YOU SEEN THE GRAND COULEE DAM」という三拍子のメロディアスな曲の三部構成からなる小組曲でアメリカの開拓時代を綴ったヴァン ダイク パークスの歌詞が印象的。この歌詞の一部を巡ってマイク ラヴとヴァン ダイクが衝突、彼はセッションを降りてしまったそうです。
三章からなる「SMiLE」の第一章を締めくくる曲でもあります。
音源は「GOOD VIBRATIONS BOX」とほぼ同内容です。
一言で云えば、あんまりシングルのブログで取りあげにくい曲ですね…。

B面は「WONDERFUL」。
ハープシコードの演奏をバックにブライアンの美しいファルセットの歌唱とメロディラインが光る美しいバラード。そしてグループの穏やかなハーモニーが重なります。
「PET SOUNDS」のサウンドからの影響を感じさせます。
アルバムの中でも「CABIN ESSENCE」に続いて登場する曲で第二章の始まりとなる曲。
こちらも音源は「GOOD VIBRATIONS BOX」とほぼ同内容。
「SMiLE」セッションから派生した模造品「SMILEY SMILE」(1967)にも収録されていますがリードヴォーカルはカールでアレンジも異なります。

かように曰く付きなコメントばかりの楽曲ですが勿論内容は面白いです。
プログレッシヴロックが生まれる前のアルバムです。
今こそ自由な耳で広く聴かれるアルバムかも知れません。
“ビーチボーイズ”というイメージを忘れて。

そして、幻のアルバムをリリースしたという禊が済んだからなのか判りませんが、
遂にブライアンがマイ クラブ、アル ジャーディン、そしてブルース ジョンストンたちと再びTHE BEACH BOYSとして活動するニュースが伝わってきましたね。
勿論古巣のキャピトルレコードから。
「SMiLE」をリリースすることよりこちらのニュースの方がビックリだったりして。
みんな仲良くね。
来日して欲しいです。
ブライアンがビーチボーイズのメンバーとして来日するのは過去にありませんでしたから。
もうこうなったら「ADULT CHILD」もワーナーが没にしたブライアンの幻のセカンドアルバム「SWEET INSANITY」もリリースしちゃえ!!

『CABIN ESSENCE』《品番なし》〈Written by BRIAN WILSON & VAN DYKE PARKS〉(03’29’’)【2010】


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コメント 2

いとぞう

更新がなく心配しておりました・・まあ、足を止める必要がある時もあるでしょうし。とりあえず安心しました。
曲についてのコメント出来ずにスミマセン・・でも、新年一発目がビーチボーイズとは景気がいいですね!今年も色々な曲を紹介してくださいね。
by いとぞう (2012-01-18 17:48) 

都市色

>いとぞうさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
ご心配をおかけして申し訳ありません。
まぁ、よくあることです。
元気です。
まだまだブログは続きますので今年もよろしく!
by 都市色 (2012-01-21 12:23) 

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