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『ダウンタウン ボーイ/佐野元春』 [佐野元春]

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こんばんは。
「UPTOWN GIRL」とくれば、この曲。
元春の「DOWN TOWN BOY」でしょ。
もう大好きな曲過ぎます。
ユーミンにも同名の素敵な曲がありますね。

この曲のシングルバージョン。
「Back To The Street」「Heart Beat」と少しずつですが着実に活動をステップアップしていった1981年の佐野元春。
そのクリエイティヴィティの閃き、スピード感の瞬きが最初のピークへまっしぐらに高まっています。
ナイアガラトライアングルの「A面で恋をして」と同時期にリリースされたシングル。
演奏は勿論、ザ・ハートランド。
ドコドコドコドコ…!と古田たかしさんのドラミングがワイルドに走り出し、銀次さんのエレキギターがメロウなフレーズを漂わせるイントロが始まると、
元春が《都市のフェアリーテール》を歌い出します。

♪ハニーチェリー
 疲れた心にさえ
 セクシーに shakin' in the night
夜のメリーゴーランド
 毎日が迷子のアクロバット
 Marvin Gaye の悲しげなソウルに
 リズムを合わせてゆけば
 この街で
 またひとつ誰かの愛を失いそうさ

“ストリート”を舞台とした初期の作品の中でもこの曲は一際ドラマティックでロマンティックなストーリィを内包しています。
街に暮らしている様々なダウンタウンボーイ達の表情を捉えた歌詞。夜の空気を吸い込んで。
物語を綴るコトバは彼らの多感な情報量を削ぐコトなく、雄弁にBEATへ乗っています。
♪マーヴィン ゲイの悲しげなソウル
と云うフレーズもストーリィを深めるもうひとつのBGMとして効果的です。
物語のクライマックスは2コーラス後の怒濤の大サビ。
思い思いに生きる彼らを祝福するようなオーケストレーションが夜空から星屑のように振り注ぎます。
ハートランドの情熱的な演奏もスパーク。
そして新しい夜明けを示唆する、希望を滲ませた3番の歌詞も良いですね。

♪クレイジー エンジン
 バラバラのロンリーをすり抜けて here comes the night
 すべてをスタートラインにもどして
 ギアを入れ直している君
 オールナイトムービー
入り口の前では くわえタバコのブルーボーイ
 たったひとつだけ残された
 最後のチャンスに賭けている

何度聴いても初めて聴いた時のようなフレッシュな感動を呼び起こしてくれるエヴァーグリーンな曲。
まさに我が青春の1曲。

サードアルバム「SOME DAY」に収録されているのは再レコーディングされたモノでアレンジも異なります。深いエコーとシンフォニックなサウンドに仕上っていて、アルバムバージョンも出来は良いです。甲乙付け難いです。
2年前にリリースされたベストアルバムにはシングルバージョンのリミックス版が収録されています。
ライヴでもときどきレパートリーに加えられて多いに盛り上がります。
その時期によってアレンジは大幅に異なりますが。
最近ではコヨーテバンドと一緒に演奏される機会が多いです。

B面は「スターダスト キッズ」。
既に拙ブログでも過去に取りあげていますが、アレンジが異なります。
オリジナルバージョンはこちらですが、どちらかというと《プロトタイプ》という表現が合いそうな気がします。
歌詞は同じですが、アレンジが全く違います。
今回のは基本的にシンプルなドラム、ベース、ギターで構成され、サックス、マリンバ、ハーモニカが要所要所で奏でられますが、音質はノーエコーでデモテープのような響き。
そして新たにスペクターサウンドの様なアプローチでリアレンジしたモノが翌年の1982年にA面扱いでリリースされたバージョンです。

そう云えば、ナイアガラトライアングルVOL.2だけじゃなく、「SOME DAY」も30周年(来月で)。
記念盤は出そうにありませんが、お目出度うございます。
このアルバムで元春はブレイクしました。
当時の状況はニール ヤングに全く似ていますよね。
ニール ヤングもアルバムを二枚リリース後、CSN&Yに参加して注目を集め、満を持してのサードアルバム「After The Gold Rush」で不動の人気を獲得。
どちらも代表作となる三枚目を出す前に充実したコラボレーションアルバムを残していますね。

最後に。
現在、元春はホーボーキングと共にビルボードでの三ヶ月連続のマンスリーライヴを敢行中。
その後はコヨーテバンドを率いて初夏にもツアーを開催予定。
今年も活発な音楽活動でファンを大いに楽しませてくれる事でしょう。
問題は僕がライヴに行けるかですが。
ニューアルバムも期待したいところです。

『ダウンタウン ボーイ』《07・5H-101》〈作詞・作曲・編曲:佐野元春/ストリングス編曲:大村雅朗〉(03’45’’)【1981】


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コメント 3

いとぞう

これはもう大好きな曲!青春の1曲と呼ぶに相応しい名曲ですね。
昨年、新宿ネイキッドでのイベントで大音量でアナログ盤を聴いた時は本当に感動だった・・能地祐子さんが当時を思い出して涙していたのも印象的でした。
青春の甘い思い出も苦い思い出も、そして明日を夢見る気持ちも、10代の頃の思いが全て凝縮されてますね。
ギターロックなアレンジのこの曲は現在のコヨーテバンドにピッタリだと思います。
スターダストキッズはハッキリ言ってA面としてリテイクされたバージョンのほうが出来が良いですが、ダウンタウンボーイはシングルバージョン・アルバムバージョン共にそれぞれの良さがあって、どちらも好きです。

そして今年のビルボードライヴですが、ビルボードの会員登録がどうにもうまくいかず、行けそうにありません・・アーリーサマーツアーのほうは、6月の東京公演の2階指定席の申込みに落選・・やはり1階スタンディングを狙うしかないかなあ。
by いとぞう (2012-04-10 17:57) 

都市色

>いとぞうさん、こんにちは。
熱いコメントありがとうございます!
ロフトにて大音響でシングルを聴けたのは良いですよね。
この曲はレコードで聴くと感動がさらに深まります。
アナログの質感が合います。

by 都市色 (2012-04-14 04:58) 

都市色

>vegaさん、niceありがとうございます!
by 都市色 (2012-04-23 17:02) 

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