SSブログ

『トーキョー シック/佐野元春 & 雪村いづみ』 [佐野元春]

TC600.170x170-75.jpg

こんばんは。
久しぶりにダウンロード限定のシングルを取りあげましょう。

モボとモガ、フロム トーキョー。
元春と雪村いづみさんによるデュエット。
この少し風変わりなカップルによるスウィング歌謡、「トーキョー シック」。
ニッポンの戦後歌謡史に名を残すシンガー、雪村いづみさん。
美空ひばりさん、江利チエミさんと共に〈3人娘〉としても有名ですね。
彼女の名前は日本のロック史にもたびたびリンクします。
細野さん率いるティンパンアレーとの共演盤「スーパージェネレーション」、
続いて、ピチカートファイヴのラストアルバム「さえらジャポン」への客演。
このアルバムにて雪村さんが歌われている「アメリカでは」は、雪村さんも出演された和製ミュージカルの傑作「君も出世ができる」で歌われたオリジナルソングのカヴァーですが、大学時代にこの映画を観ました。あの頃、3人娘による映画「ジャンケン娘」シリーズ、雪村さんが主演した岡本喜八監督のデヴュー作「結婚のすべて」などを楽しみ、比較的身近に感じていました。
小西さんはその後も雪村さんの「恋人になって(I WANT TO BE MY BABY)」をリミックスしています。これは「ATTRACTIONS !」に収録されており、7インチとしてもリリースされて、このブログでも勿論取りあげています。

そして今回の元春とのデュエット。
洋楽派の元春が日本の歌謡界に目を向けると云うのは少し意外な気がしましたが、
日本のポピュラー音楽史の数々の歌手の中から雪村さんに注目をしていたと云うのはさもありなん、と云う気がします。
雪村さんの高い歌唱力、スタイリッシュな容姿、幅広い音楽性。
日本の音楽の洋楽化をスマートにこなしているモダンガール。
そんな雪村さんとの共演を目論んで作られた楽曲は陽気なスウィング。
日常の憂さを吹き飛ばすようにFantastic Somethingを求めて街へ繰り出す恋人たちの歌。
モダンなビートにステップを踏んで、
晴れがましくゴージャスなビッグバンドと共に。
75才の雪村さんと56才の元春の若々しい歌声。
お侠でパンチの効いた雪村さんの歌声、ヴァイタリティに溢れていて良いですね。
楽曲として、現代的と云うよりは1950年代当時の歌モノのジャズ風なアプローチだと思いました。
元春だったらもうすこし洗練された曲も作れると思いますが、
少しバタ臭いというか。
それは勿論否定的ではなくて、
今は50年代あたりの和モノのジャズが再評価を受けている時代ですので、それは新鮮に感じます。
比較的ストレートな耳障りの良いメロディ、シンプルな歌詞。
一度聴いただけで耳に残るうた。
軽くハミングしちゃうような。
聴いていると心がポッと温かくなるような。
ジャッキー&ロイのように息もピッタリで素敵です。
アレンジは前田憲男氏、エンジニアは行方洋一氏。
両氏ともジャズから歌謡曲まで長年にわたり第一線で活躍されている大御所。
元気の出る音です。
前田氏は元春のバラード集「スローソングス」にも参加されていました。

「トーキョー シック」、タイトルもユニークだと思います。
生粋の東京っ子のふたりによるスカッとする江戸前スウィング。
♪とりあえず、粋なふたりです。
先日まで3ヶ月連続で行われた、元春のビルボードでの定期ライヴでも雪村さんがゲストで出演されて、この曲が披露されたとか。
行きたかったですねぇ。

同曲のステレオバージョン、モノラルバージョン、そしてカラオケをiTunesから絶賛配信中!

最後にブログの筆者から元春にひとつお願いがあるとすれば、
「7インチ出しましょう!」。

以上です。

『トーキョー シック』《品番不明》〈作詞・作曲:佐野元春/編曲:前田憲男〉(04’26’’)【2012】


スーパー・ジェネレイション

スーパー・ジェネレイション

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1994/11/21
  • メディア: CD



さ・え・らジャポン

さ・え・らジャポン

  • アーティスト: pizzicato five,小西康陽,ベルトラン・ブルガラ,松本隆,千家尊福,谷川俊太郎,戸田昭吾,村山達哉,窪田晴男
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2006/03/31
  • メディア: CD



君も出世ができる [DVD]

君も出世ができる [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD



nice!(0)  コメント(8)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 8

いとぞう

コレは待ちに待った元春の新曲!と捉えていいですよね。
きっと元春なりの復興ソングなのかもしれません。それを戦後の歌謡史的楽曲で表現するなんて、やっぱり元春は目のつけどころが違う、と思いました。
こんな曲も書けるんだから、改めて元春のソングライターとしての才能を感じずにはいられません。

そして雪村いづみさんのヴォーカルが素晴らしいこと!誰も敵いません、といった感じ。元春ですら若造みたいになっちゃいますね。ラジオでのお2人の対談も素敵でした。ビルボードライヴに行けなかったのが悔やまれます・・

そしてこんな素敵な曲がネット配信のみなんて・・何とかならないのでしょうか?都市色さん同様、是非7インチでリリースしてほしいです!
by いとぞう (2012-05-19 20:50) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
最近の元春の曲には珍しいジャズっぽい曲が新鮮ですね。
今回のビルボードもライブDVDとしてリリースしてくれると良いのですが。
by 都市色 (2012-05-21 23:05) 

Ko-ichi

参加ミュージシャンのメンツが凄いですね。

CD化はしてないですか?

私は20代ですが、こういうのって、良いというか"粋"ですよね。


by Ko-ichi (2012-06-04 01:13) 

都市色

>Ko-ichiさん、はじめまして。
コメントありがとうございます!
20代の若さで,この曲の肝をキャッチするなんて、素晴しいセンスですね。それこそ粋です。
アナログも欲しいですが、
CDでも欲しいですね。
by 都市色 (2012-06-04 22:20) 

安倍寧

NHKテレビで仲のいいふたりを見てジェラシーを感じたくらい。
この軽やかさを彼女から引き出した佐野さんにシャッポを脱ぎ、
最大限の敬意を表します。
by 安倍寧 (2012-11-06 23:58) 

都市色

>安倍寧さん、はじめまして。
コメントありがとうございます!
お返事が遅れまして申し訳ありません。
「songs」でレコーディング風景が放映されたそうですね。
生憎観られなかったのですが、佐野さんと雪村さんはホント、モダンですよね。
センスがいいです。世代を超えて現代にもその素晴らしさは普遍です。
二人のライヴも観たかったです。
by 都市色 (2012-11-13 22:50) 

yatti

昨年・2012/5月 ビルボードライブにご出演のいづみさんの
「トウキョーシック」を聴きに行ってきましたよ!!

テンポの早い曲、楽しい素晴らしいいづみさんの歌いっぷりに ただただ感動!!

昨年秋の「songs」は30分の中にいづみさんの全てが(もっと今までの
素晴らしい実績を 紹介して頂きたかった~)盛り込まれて 永久保存版に・・・。

by yatti (2013-05-17 00:11) 

都市色

>yattiさん、はじめまして。
コメントありがとうございます!
ビルボードでのライヴをご覧になったのですかぁ。
羨ましいです。
雪村さんは本場のジャズの現場を体験しているのでお年を召してもセンスが良いですよね。
元春とは年が離れているけれど、音楽を愛する気持ちは同じでなんと言うか“ソウルメイト”と言った関係だと思います。
また共演して欲しいですね。
by 都市色 (2013-05-18 00:26) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。