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『Sunny Afternoon / The Kinks』 [英国ロック/60年代]

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こんばんは。
誠に瑣末なことで恐縮ですが、拙ブログが8/25で5周年を迎えました。
25日に記事でも上げようと思ったのですが、遊びに出かけて家に戻ってくるとクタクタですぐに寝てしまいました。
今月は仕事も忙しくて、あまりシングルを紹介出来ませんでした。
紹介できなくても、相変わらずシングルはレコードやCDでアレコレ買っています。
将来のことはわかりませんが、当分はこのブログも続くでしょう。4桁は硬いでしょう。

という訳で夏ももう終わりですね。
なんだかまた忙しいうちに過ぎてしまいそうです。
花火も海も行かなかったなぁ。
そんな少し淋しい夏にぴったりな曲を。
キンクスです。
ビーチ・ボーイズも来日しましたが、レイ・デイヴィスも来日しましたね。
フジロックへ。
さぞ楽しかったでしょうね。

彼らの1966年のヒットシングル「Sunny Afternoon」。
バンドとしても転機となる楽曲。
「You really gat me」、「 Till the End of the Day」などビートナンバーとは一線を画す、メランコリックなミディアムテンポ作。
同世代のバンドが溢れんばかりの若さや欲望を激しいビートに乗せて謳歌しているのに対し、
破産した上流階級の嘆きをシニカルに歌にしてしまうユニークなソングライティング。

容赦なく強い夏の日差しがようやく西に傾き、
かつては豪邸だった部屋の窓から差し込んできます。
事業に失敗し、負債を抱え、税務署から家財を差し押さえられ、恋人に逃げられ…。
ガランとした部屋でぼんやりと失ったものを考えながら男は一人、過ぎ行く夏を憂います。
まさに“斜陽”。
諸行無常。

人生の悲哀に満ちた嘆き節。
レイ氏の深い人間観察力。
この曲を書いたのが22歳のときなのですから驚きです。
どんだけ老成してるのでしょう。
とても地味な曲調ですが、
見事、ビートルズのシングル「Paperback writer」を抑えてチャートのナンバーワン。
十代のころ、初めてこの曲を聴いたときは何て暗い曲なんだと思いました。
とてもヒットするような感じはしなかったのです。
こういう不遇な歌詞が英国の民衆の共感を得たのかもしれません。
僕もその後、ずっと聴いていますが、聴けば聴くほどしみじみと感慨を覚えます。
生きることの空しさ。
大人になるほど、心に染みますね。
シニカルなメロディの中にも少しユーモアを感じさせるのもグッド。
夏の気だるさがうまく旋律に表現されているイントロも技あり。


日本では「およげ!たいやきくん」の元ネタとしても知られていますね。
この曲にも哀愁が漂っています。

「Sunny Afternoon」を収録したキンクスのアルバム「Face to Face」はコンセプトアルバムの走りとしても知られています。
英国市井の様々な階級のひとびとの営みをレイ氏が歌と言葉で描写しています。
とても大好きなアルバムです。



この曲のPV、何なのでしょう。
真夏の曲なのに真冬の雪景色の中で演奏していてとても寒そうです。
バンドのブラックジョークなのでしょうか。

さらに、このシングルのジャケット。
PVに負けないくらいに思いっきり曲を誤解していますね。
夏の歌には違いないですけど、海でもトロピカルでもなんでもないのに。
陽気なイメージと逆行しています。
PRTというレコード会社からリリースされた再発シングルらしいです。

B面は「Sittin' On The Sofa」。
この曲もレイ氏による作品。
ブルージーなビートナンバー。
弟デイヴによる、シンプルでキャッチーなギターのリフもイカしています。
ルーズでガレージな演奏がかっこいいです。
ワイルドに弾かれ続けるピアノも良いですね。
ニッキー・ホプキンスでしょうか。



今度は兄弟で仲良く、キンクスとして来日して欲しいです。

『Sunny Afternoon』《PYS 2》〈Written by Ray Davis〉(03'41'')【1966】



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