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『ミスター サムシング ブルー/八代亜紀』 [ジャズ]

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こんばんは。
最近愛聴しているアルバムの一枚に、八代亜紀さんの新作があります。
演歌で有名な八代さんがジャズに挑戦された『夜のアルバム』。
プロデュースが小西康陽さん。

八代さんの音楽のルーツは何とジュリー・ロンドンでありまして、
演歌歌手としてデヴューする以前はナイトクラブで活動されていたそうです。
ですから今回のアルバムは先祖返りのような必然性を持っているわけです。
このアルバムは《ジャズのアルバム》ではなく《夜のアルバム》と題されています。
単なるジャズ・スタンダードのみならず、'60~70年の歌謡曲も取り上げられています。
あの当時のナイトクラブで流行っていた音楽。
ジャズも歌謡曲もひっくるめての流行歌。
プロデューサー、小西さんの選曲やアレンジにもこだわりや叡智が感じられ、単なる二匹目のどじょうに終わらない、末永く聴ける味わい深い内容に仕上がっています。
前園直樹グループやPizzicato One、そしてラジオ番組『これからの人生』など、小西さんの近年の音楽活動もこのアルバムには反映されていますね。

さて、今回のアルバムだけがとりわけ大きくメディアに取り上げられがちですが、
八代さんのジャズへのアプローチは何も今に始まったわけではなく、以前にも行われていました。
そのジャズへの最初の挑戦作がこちらです。
1997年のシングル『ミスター サムシング ブルー』。
このシングル、ずっとこれまで紹介したかったのですが、ようやくチャンス到来。
作詞は湯川れい子さん、そして作曲とアレンジは長谷川智樹さん。
長谷川さんはピチカートのソニー時代にアレンジャーとして多く参加されていますね。
ロマンティックなスマートなビッグバンド・スウィング歌謡に仕上がっています。
ゆったりとした4ビートに乗って、甘く淡い歌いっぷり。
歌い方はジュリー・ロンドンというより、ヘレン・メリルやジューン・クリスティっぽい感じでしょうか。
素敵です。

カップリングは『Sentimental Boat to Heaven』。
こちらは何と、鴨宮 諒さんが作曲をしています。
ご存知、ピチカートファイヴのオリジナルメンバーですよね。
内容も悪かろうはずがありません。
エキゾチックでラテン風味のスウィング歌謡。
小粋で楽しい船旅が綴られる、歌詞は同じく湯川女史、アレンジは長谷川氏。
ヴィブラフォンの響きもが楽しいイントロ。
ウキウキするラテンパーカッションのリズム。
リズム感も良い八代さんの歌いっぷりも艶っぽくて、いなせで粋です。
こちらも最高です。

奇しくも鴨宮、長谷川、そして小西諸氏らピチカート人脈によるジャズ歌謡でした。
出来れば、『夜のアルバム』でも小西さんのオリジナルソングを聴いてみたかったです。
過去の小西作品のカヴァーでも良いですし。

歌の上手い人は演歌でもジャズでもラテンでもやっぱり表現力は見事ですね。
芸術の秋。
亜紀の夜長はジャズる心で決まり!

『ミスター サムシング ブルー』《CODA-1146》〈作詞:湯川れい子/作曲・編曲:長谷川智樹〉(03'20'')【1997】


夜のアルバム

夜のアルバム

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2012/10/10
  • メディア: CD



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