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『彼岸/GREAT3』 [ロッテンハッツ]

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こんばんは。
11月21日にGREAT3の待望のニューアルバムがリリースされました。
僕も買いまして、現在ハードにリスニング中です。
愛聴しています。
今年の5月末に活動開始を宣言して、7月に配信シングルをリリース、そして今月にはアルバムをリリース。
短期間でのアルバム制作ながら、その内容の濃度の高さには驚きます。
やはりGREAT3にしか出せない音が感じられました。
新しいメンバー、janさんも早くもソングライティングや演奏で頭角を表しています。
あらかじめ決められていたかのようなメンバー加入、違和感のない存在感。
これは運命。
そしてオリジナルメンバー、片寄、白根両氏も活動休止期間中での充実したソロ活動やサポート活動が新作のクオリティの高さにフィードバックされていますね。
単なる原点回帰ではなく、人生の螺旋を駆け上り、成長したサウンドメイキングと新メンバー加入によるスパイスでよりGREAT3がアップ・トゥ・デートされています。
40代になってもやっぱりGREATでした!

という訳で、彼らのアルバムからの先行シングルを。
タワーレコード限定リリースの『彼岸』。
仏教用語であるこの言葉をタイトルにするとは意外な感じがしますが、これまでも片寄さんの作詞には古い日本語を使った言い回しが多いです。
そしてこの言葉を用いる為の覚悟を十分に感じさせるミディアムバラード。
とにかくイントロの響きから沈痛なイメージが垂れ込めてきます。
共同プロデューサー、長田 進さんによる歪んだエレクトリックギターの音色は〈嘆き〉。
堀江博久さんの鍵盤の音ももの哀しい。
ただならぬ雰囲気のイントロに導かれて歌われるのは、ある意味このバンドが再始動する為の要因、そして決意。
7月にリリースした新曲は風雲急を告げるような強い衝動を荒々しいロックサウンドに表現した、快楽的なGREAT3らしさを感じさせましたが、今回のような一転して退廃的でデスパレートでメランコリックなサウンドもGREAT3の真骨頂です。
作曲は白根賢一さん、片寄さんに負けないメロディメイカー振りを遺憾なく発揮されています。
シンプルで情熱的で美しい旋律に震えます。
そして、この楽曲はこれまで以上に歌詞にリアリティが染み込んでいます。
バンドをめぐる様々な仲間たちが様々な理由で突然にこの世を去っていく現実。
年齢とともに現実味を帯びていく〈死〉。
心にもたげてくる〈生きることの意味〉。
そうした普遍的な命題に正面から立ち向かった片寄さんの言葉は壮絶なまでに美しいです。そして仲間たちへのレクイエム。

心臓の鼓動が/変わることなく/また今日も/波打ち続けるのは/
当たり前だと思ってたけど/動かしているのは/自分じゃない/
本当にその意味を理解したら/誰も皆/命を絶てはしない/
魂の輝き/この胸に預かってるんだ/最後まで共に歩こう/



本当に生きることってしんどいですけれど、この曲を聴くと少し救われます。
歌詞のメッセージの深さに耐え得る研ぎ澄まされたメロディ。
悲痛な表現の中に人生への肯定が滲んでいます。
掛け値なしに名曲。

そしてこのシングルのカップリングはライヴテイク。
8月1日に渋谷のライヴハウスにて、約9年ぶりGREAT3として出演したステージを収録。
演奏時間としては22分程ですが、バンド復活への歓喜と熱狂に満ちたオーディエンスに囲まれて熱演を繰り広げるメンバーたちの模様が記録されています。
新メンバーjanさんが加入して一発目のライヴでもあるので非常に記念すべきライヴでもあります。
音質は良くないですが、それもまた味わい深いです。
存在感のある高桑さんの後釜を担うjanさんにとっては大きなプレッシャーでしょうが、ベースを弾き初めてそれほど長くないとは思えない堂々たるプレイです。
でも高桑さんはライヴでもムードメイカーだったので、janさんにはそこが少し淋しかったのも正直な気持ちです。
入って間もない彼にそれを求めることは勿論酷なことですから、janさんはjanさんらしさで新しいGREAT3像を確立して欲しいです!
セットリストは、

1.Disco Man、2.Last Song 、3.Under The Dog、4.Soul Grow

僕も20代の頃には何度も彼らのライヴを観にいきましたので、この演奏には興奮しました。
またライヴ、行きたいです。
上手くいけば来年の一月末の梅田クラブクワトロを観れるはず。
ライヴチケット付きのアルバムを買いましたから。
う~ん、楽しみすぎる。

それから、11月28日にはショコラ&アキトの5年ぶりとなる3rdアルバムが発売されました。
同じ月にほぼ同時に片寄さんが関わるアルバムが久しぶりなのに2枚も出るなんて、実にミラクルです。
その両方ともお世辞抜きに素晴らしい出来です。
待った甲斐がありました。

『彼岸』《QIAG-70071》〈作詞:片寄明人/作曲:白根賢一/編曲:GREAT3 & 長田 進〉(04’43’’)【2012】

GREAT3

GREAT3

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
  • 発売日: 2012/11/21
  • メディア: CD



DUET

DUET

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: RALLYE LABEL
  • 発売日: 2012/11/28
  • メディア: CD



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