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『TWO RINGS / ICE CHOIR』 [米国ロック10年代]

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お早うございます。
ジェームズ・イハさんに続いて、今回も米国のアーティスト。
Ice Choir(アイス・クワイア)です。
このブログでも過去に取り上げたPains of being pure at heartのドラマー、カート・フェルドマンを中心とするブルックリンの4人組グループ。彼らの1stアルバム『AFAR』は去年よく聴いたお気に入りでした。
そのアルバムからの先行シングル『Two Rings』。

彼らの魅力は80年代に流行ったニュー・ロマンティックを髣髴させるダンサブルでエレクトロニカなサウンド。演奏に使われている機材もヤマハDX7、TX816やミニモーグなど、80年代に使われた同期を敢えて使用するこだわり。
少し懐かしいようなシンセサイザーを駆使しながら構築されるサウンドは、目眩がするほどに甘美で流麗な響きです。超ロマンティック。
書いておきながら、初めて聴いたときに思ったのはニューロマというよりもプリファブ・スプラウトでした。
アルバム『ヨルダン・ザ・カムバック』、シングル『If you don't love me』『Sound of Crying』、そしてアルバム『Let's change The World with Music』あたりのサウンドに似ていますね。
よくプリファブ・スプラウトっぽいという表現のバンドに限って詰まらないものが多いのですが、Ice Choirはダテじゃありません。
カート氏の歌声もどこかパディ・マクアルーンっぽいですし。

もうそのくらいメロディアス。うっとりするほどの『Two Rings』。
イントロのシンセベースの轟き、そして淀みなくミステリアスに舞い降りる電子音。
グラフィカルに華麗に構築される音像の虚構、魔法。
微塵の綻びも見せないエレガントなサウンド。
叙情的なメロディ、歌詞。



先ほど紹介したプリファブ・スプラウトの『If you don't love me』とメドレーで聴きたくなります。

B面は『The Ice Choir』。
グループ名を曲にしています。
“氷の聖歌隊”、ロマンティックな言葉ですね。
こちらもメチャメチャメロディアスですが、ネオアコやギターポップ寄りで、P.O.B.P.A.Hに通じる清廉で瑞々しい青春っぽさがあります。
サウンドもシンセサイザーを駆使しながらもバンドっぽいです。

カート・フェルドマン氏はIce Choirを結成する以前には“The Depreciation Guild”というシューゲイザーバンドを組んでいて、こちらも実に良くて、2ndアルバム『Spirit Youth』はIce Choirでのサウンドを予見させる仕上がりで素晴らしい内容です。

単なる'80年代の音楽へのノスタルジーではなく、高いクオリティで迫るサウンドに現在を生きる新しい世代の音楽だと感じます。良い音楽を受け継いでいこうという気概が感じられます。
ブルックリンは熱い。

『Two Rings』《YB121/LIFE079》〈Written by Kurt Feldman 〉(04'08'')【2011】


AFAR

AFAR

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: FASTCUT RECORDS
  • 発売日: 2012/08/08
  • メディア: CD




SPIRIT YOUTH

SPIRIT YOUTH

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: FASTCUT RECORDS
  • 発売日: 2010/08/04
  • メディア: CD



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