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『W.W.D / 冬へと走り出すお!/でんぱ組.inc』 [邦楽女性アイドル10年代]

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お早うございます。

アイドルのシングル、ジャンジャン行きましょう。
お次はでんぱ組.incを。
秋葉原発のサブカル電脳系アイドルグループ。
実際に秋葉原のライヴ&バーでバイトしているメンバーで結成されたmade in AKIHABARA@deepな女の子たち。
このグループの命名者はなんとサエキけんぞうさんだそうです。
実にサブカル。
そんな彼女たちのニューシングルは『W.W.D』と『冬へと走り出すお!』の両A面仕様。

まずは『W.W.D』。
※この歌詞は実話を元に構成されています。
と、歌詞カードにわざわざ注意書きが載っているように、
関係者たちの話から、楽曲制作者のヒャダイン氏によって構成された切実な歌詞。
でんぱ組結成の経緯、そして現在に至るまでの個々のメンバー自身の内面、葛藤、メンバー間の数奇な縁など、偶然と必然が交差するエピソードが赤裸々に綴られています。

映画『桐島、部活辞めるってよ』の主人公のような、学園内ヒエラルキーの最下層に身をやつしていたメンバーたちが、アニメオタク、ひきこもり、メイド喫茶の店員、ネットゲーマー、コスプレイヤーとして、実社会と拗れながらもやがて〈ディアステージ〉というカフェに集い、《でんぱ組.inc》という名の下に活動を始める。
ロッキング・オン・ジャパンの二万字インタビューを地で行くような歌詞にメロディを付けたような。
歌詞だけ読んでも濃いです。
現在、さまざまなアイドルグループが活動していますが、ある意味“ゲンダイのアイドル”を象徴するようなグループといえます。
“実録、ザ・でんぱ組”、または“いつみても波乱万丈〈でんぱ組編〉”。
主演:でんぱ組.inc、監督・脚本・編集:前山田健一で贈る、ノンフィクション・ソング巨編!
例によって、サウンドはももクロで聴かれるような、詰め込み型、ミュージカルでスペクタクルでジェットコースタームービーな感じです。



ももクロの『Z伝説』を更にディープにしたような歌詞とサウンドはエモーショナルの極地。
前回のBABYMETALに負けないハードな楽曲といえます。
シリアスで〈人生いろいろ〉な内容をコミカルにポジティヴに歌い倒す彼女たちの唄は技量を超えて胸に迫るものがあります。
かく云う僕も『桐島、~』の世界での主人公前田君のような青春を過ごしていたので、彼女たちの活動にはシンパシーを禁じえません。

“マイナスからのスタート 舐めんな”

着実に人気と評価を高めている途上にいる、勢いを感じさせます。


続いて、もう一方のA面曲『冬へと走り出すお!』。
ヘヴィな一曲目とバランスを取るように、ライトでポップな冬季限定ラブソング。
このタイトルでピンと来た渋谷系ファンもいらっしゃると思います。
でんぱ組のファーストアルバム『ねぇきいて?宇宙を救うのは、お寿司・・・・ではなく、でんぱ組.inc』に収録の『くちづけキボンヌ』(名曲!)を提供した、かせきさいだぁ&木暮晋也(ヒックスヴィル)の両氏による新曲です。
タイトルを聞いて、かせきさいだぁの初期のオリジナルソング『冬へと走り出そう』のカバーなのかなと思いましたが、書き下ろしでした。
軽快なアップテンポのリズムに乗って、♪シュワシュワと弾けるサイダーの泡のようなフレッシュさ、スウィートなメロディが展開されます。
♪ ダバッダバッダバッダバ・・・・なスキャットが入ったり、曲の間奏に『愛し愛されて生きるのさ』をパロディにしたような語りが入ったりと、渋谷系フレーバーが良い塩梅にナチュラルに織り込まれているのも良いです。
間奏での語りからそのまま『冬へと走り出そう』でのリリックへと繋がるのもバッチリ。
6人のフワフワとした唄声、ラップも曲にピッタリでチャーミングこの上ない。



この曲もハートウォーミングな良い曲ですよね。
アキシブ系ど真ん中!

かせき&木暮コンビはでんぱ組以前にも、古くは市井由理さんやハルカリへ素晴らしい楽曲を残しています。
このお二人は“トーテムロック”というユニットを10年前から結成して定期的にライヴをしているのですが、先日神戸の元町のカフェでのライヴへ行ってきました。
楽しい演奏と面白いトークで心が大変温まりました。
現在のところ唯一の彼らのミニアルバム『TOTEM ROCK EP』は長いこと廃盤で、プレミアが付いているほどだったのですが、このたび、かせきさいだぁのファーストアルバムの再発と同時に再発が決定しました。
どちらも長年の愛聴盤です。貴重なボーナストラックも付くそうで買いです。

でんぱ組.incの今回のシングルはオリコンチャート初登場8位ということで、彼女たちのエポックメイキングな一枚とも云えそうです。
かせき&木暮両氏にとってもトップテン入りのシングルを手がけたのは初めてだと思います。
前山田氏に負けない売れっ子ソングライターチームになって欲しいです。

でんぱ組、トーテムロック、ヒャダインにおめでとう!!!

♪ SHOUT TO THE TOP ! SHOUT ! そんな気分で走り出すのです~


『冬へと走り出すお!』《TFCC-89416》〈作詞:かせきさいだぁ/作曲・編曲:木暮晋也〉(04'11'')【2013】


W.W.D / 冬へと走りだすお!  【初回限定盤A】(CD+DVD)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: トイズファクトリー
  • 発売日: 2013/01/16
  • メディア: CD



ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc![初回限定盤]

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: トイズファクトリー
  • 発売日: 2011/12/14
  • メディア: CD






TOTEM ROCK EP+【2013年リマスタリング、ボーナストラック付】

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  • 発売日: 2013/02/06
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コメント 4

いとぞう

コレはまたスゴイ大作ですね~。実話を元にした歌詞、こういう手法で来ましたか。昔はアイドルポップスってもっと大衆音楽だったと思うのですが、今は一部に世間を巻き込んでるグループもあるけど、基本的にサブカルチャーですよね。熱心に追いかけてるファンになればなるほど夢中にさせる要素があって。このグループや楽曲も、狭く濃くの世界ですね。そんなところがいかにも現代のアイドルらしいな、と思います。
by いとぞう (2013-01-25 17:59) 

pocari

トーテムロックが好きなこともあって、初めて、でんぱ組.incを聞いてみましたが、二曲とも良かったです。アイドルソングも聴きたい気持ちがあるのですが、なかなか手が出ず。それでも聴きたくなる愛に満ちた文章で、良い紹介だなあ、といつも思っています。
by pocari (2013-01-26 01:48) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
80年代も個性的なアイドルはいましたが、作られた個性という感じもしました。
ツッパリ風なアイドルとか。
虚構を楽しんでいた気がします。
今はリアルに生き様を特色にしている感じですね。

イジメとか自殺とかで世知辛いことの多い若い世代にも夢を与えられるアイドルが増えると良いですね。
by 都市色 (2013-01-27 00:41) 

都市色

>pocariさん、はじめまして。
コメントありがとうございます!
お褒め頂き、うれしいです。
褒められることがないので・・・・。
トーテムロック、良いですよね!
「くちづけキボンヌ」も良い曲です。
かせきさいだぁの新作でもリメイクされてますが、でんぱ組バージョンも好きです。
アイドルはいまや多すぎてどこから聴けばいいか判らないほどですね。
僕の拙いブログがなにかの参考になれれば良いのですが・・・。
これからもよろしくお願いします。
by 都市色 (2013-01-27 00:46) 

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