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『みんなのうた/サザンオールスターズ』 [桑田佳祐]

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スタンドォ~!
アリーナァ~!

という訳で、こんばんは。

デヴュー35周年の6月25日。
まさかの活動再開、サザンオールスターズです。
寝耳に水。
何度目の復活でしょうか。

そんな訳で、
夏をあきらめている場合じゃありません。
シングルを取り上げましょう。
みんなのうた 』の7インチです。

サザンの最初の活動休止期間が80年代の中期にありました。
二枚組アルバム『kamakura 』(1985)リリース後、約三年間。
その間にメンバーのソロ活動があったり、原さんの出産があり。

そしてメジャーデヴュー10周年にあたる1988年6月25日にリリースされたのが今回のシングル。
久しぶりに届けられたシングルは、これぞサザンって感じのアップテンポ曲。
待ち焦がれていたお祭り感に満ちています。
国民的バンドとしての矜持がタイトルに込められているのかもしれません。

でも単に勢いだけのイージーな曲ではなく、桑田さんのポップなメロディメイカーぶりが遺憾なく発揮されていると思います。
とにかくこの曲はコロコロとメロディが矢継ぎ早に展開されていきます。
いくつかの曲のモチーフを一曲にまとめたような、整合感の無さが面白いと思います。
そういうところがポール・マッカートニーに似ていますね。
メロディが展開されるたびにテンポが少しずつ速くなっているのもユニーク。
Aメロは16ビートですが、Bメロから8ビートになりヒートアップ。
再会の喜びを分かち合うような明るいサビのメロディが突き抜けていきます。
Cメロでのアカペラでクールダウンしてさらに大サビで昇天。

最後のフレーズ、


 ♪ いつの日か この場所で
   逢えるなら やり直そう
    忘れかけた 真夏の恋人は You

《真夏の恋人》とは、サザンのことなんですね。

梅雨空から見え隠れする入道雲を浮かべた夏空ような一曲。

桑田さん自身はソロ活動もサザンの活動再開ギリギリまで続けていまして、
みんなのうた 』にもソロ活動を共にした名アレンジャー、小林武史さんが引き続いて関わっているのですが、
明らかにソロ活動の作風と異なるサザンらしさがこの曲には感じられます。
不思議です。
ソロとサザンの違いは明確には無いのかもしれませんが、
でも、何となく、確かに、違います。
うまく言えないですが。

ソロ活動に一定以上の達成感を得られたからかもしれません。
時間をかけて製作された初のソロアルバム『Keisuke Kuwata』の完成度の高さ。
今聴いても素晴らしいと思います。
だから何の未練もなくサザンの活動へシフト。
そして、久しぶりにサザンを再開出来るコトの喜びや、楽しさ、新鮮さが『みんなのうた 』には詰まっていると思います。
小林武史さんも関わっているので、アレンジもスッキリしていますね。
バンドサウンドとしての勢いを削ぐことなく。
抜けの良いサウンド。
ここでの経験がミスチルで後に活かされているのでしょうね。

この曲はリリース以来のライヴの定番曲なのですが、近年、この曲を演奏するときには桑田さんはホースを抱えて客席に大量の水を撒き散らすのに執心で、歌詞もうろ憶えです。
水撒きもサザンのライヴの定番と化しています。
大きなホースなので水圧も凄いのでしょう。
唄いながら水を撒くのではなく、水を撒きながら片手間に唄っています。
歌うコトよりもよりも客席に水を発射するコトにプライオリティが置かれているところが重要。
曲なら家でも聴けるのです。
桑田さんに水をぶっかけて貰えるのはコンサートだけ!
この一曲の為に掛けられる噴射の費用も莫大な筈。
タンクやポンプもデカいのでしょうね。
そういう馬鹿馬鹿しさを含めての『みんなのうた 』、サザンオールスターズです。
お祭りです。


B面は『おいしいね~傑作物語 』。
一転して、ブルージーなラテンファンク歌謡。
世知辛い音楽業界を皮肉ったような歌詞。
“産業ロック”とか“業界不惑”などのフレーズが怪しく響きます。
前者の用語の考案者である渋谷陽一氏がこの曲を当時絶賛していましたっけ。


このシングルの2曲はアルバム未収録でベスト盤などの企画盤には収録されています。

思えば、
僕が初めてコンサートへ行ったのはこの年のサザンのコンサートツアーの横浜スタジアム公演でした。
もう25年前。
未だにサザンを愛する人たちが沢山いて。
またサザンの夏が始まろうとしています。

個人的に、5年ぶりの活動再開とは意外と早かった気もしますが、
今回の復活には、大病を患い、大震災も経験した桑田さんの深い深い想いが根底にあるのだと思います。
使命感にも似た思いが屋号を再び掲げる覚悟を抱かせたのでしょう。
復活大歓迎。
8月に出るニューシングルも楽しみ。
そしてツアーも。

今年の夏も各地のコンサート会場でこの曲が演奏されるとき、大量の水がアリーナに噴射されることでしょう。

この夏も人気者でいこう。



みんなのうた 』《VIHX-1744》〈作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:SOUTHERN ALL STARS & 小林武史〉(04'13'')【1988】


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コメント 2

いとぞう

「無期限活動停止」という名の「解散」だとばかり思っていたので、この復活には本当に驚きました。良いことですよね。サザンは永遠に解散しちゃいけなんでしょう。当時、この曲は8cmシングルCDで買いました。でもアナログ盤のほうがイイですね。桑田さんのソロもバンドもサザンもどれも同じ、という見方も出来るけど、やっぱりサザンだと意味合いが違います。瑞々しい日本語の歌詞も素敵ですね。
by いとぞう (2013-06-26 22:33) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
無期限活動停止が解散とほぼイコールのバンドが多い中、サザンは違いますね。
いつまでも日本の風物詩として、名物バンドとして、日本のポップス界をリードし続けてほしいと思います。
僕も当時はCDシングルを買いました。
プラスチックのケースを折って、パッケージをコンパクトにしてしまったので行方不明です。多分に実家にあると思いますが。
やはりレコードがイイですね。
by 都市色 (2013-06-29 02:14) 

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