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『LOOKING FOR ATLANTIS/PREFAB SPROUT』 [PREFAB SPROUT]

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こんばんは。

ふた月ほど前に、
ブラジル・リオデジャネイロ沖の大西洋にある海底台地で、陸地でしか観られない花崗岩が大量に見つかり、アトランティス大陸のような陸地が存在したことを裏付ける証拠になると、ブラジル政府が発表したニュースを覚えていますでしょうか。
高度な文明を誇りながら、一万二千年前に洪水で海底に消えたという、伝説の大陸、アトランティス。
真実はいかに。
地球の表面積の七割が水に覆われている訳で、海の世界にはまだまだ知られざる真実が隠されているのかもしれません。
ダイオウイカに巨大サメ、う~ん、ロマンですね。

という訳で、棚から一掴み、一枚のシングルを。
曲は勿論、『LOOKING FOR ATLANTIS(邦題は“アトランティス大陸を探して”)、プリファブ・スプラウトの登場です。

1990年にリリースされた五枚目のアルバム『Jordan: The Comeback』からのシングルカット。
名作揃いの彼らのアルバムでも屈指の一枚。
名実、質量ともに傑作。
今でも僕はこのアルバムをことあるごとに再生しています。
何度聴いても飽きません。
西洋ポピュラー音楽の粋を網羅した抒情的で甘美なメロディ、多彩で瑞々しいサウンド。
ソングライター:パティ・マクアルーンとプロデューサー:トーマス・ドルビーの才気が遺憾なく発揮されています。上質のロマンチシズムを湛えて、解けることのない音楽の魔法が64分に渡り展開されたポップ・クラシック。眩い宝石のような音楽。
そんな名作のオープニングナンバーでもある『LOOKING FOR ATLANTIS』。
掴みはオッケー。

ニール・コンティのタメの効いたドラミング・ソロから始まります。
彼の軽快なビートの疾走感から、プリファブ・スプラウトワールドが助走されます。

“君を愛しているのが誰なのか(僕なのに)判りもしないのに、アトランティス大陸が何処なのかなんて、
チャンチャラおかしいよ”

一言でこの曲の歌詞を表すならば、こんな感じでしょうか。
パディらしい、ひねりの効いたラヴソング。



ややテンポの速いシャッフルビートにのって若々しい旋律が弾けます。
ウェンディ・スミスのそよ風にも似たコーラスもナイス。
ハーモニカの隠し味もピリリ。
夏に聴くのが実にピッタリ。
つきぬけ爽快!
プリファブ・スプライト!

アレ?

なおシングルには7インチと12インチの両方がリリースされました。
それとCDシングルも。
7インチにはイントロをやや短くしたミックスが、12インチにはエクステンド・ミックスが収録されてます。
7インチはなんと、演奏時間が3分54秒であります。


B面は同じくアルバム収録曲の『Michael』。
大天使ミカエルを主題にした楽曲。
敬虔なキリスト教信者のパディ・マクアルーン。
若い頃は神学校に通って、一時は宣教師になることも考えていたとか。
プリファブ・スプラウトの音楽はキリスト教と切っても切れない関係でして、
こうして聖書の世界から歌の主題を得ることが多々あります。
16世紀の画家、エル・グレコの美しい宗教画を思い出させるような、
思慮深く、抒情的なメロディ。
ミカエルについての歌ではありますが、
曲の内容は、第三者の何者かがミカエルに語りかけているもので、
堕天使ルシファーの為に、ミカエルを通じて神に許しを請おうとしています。

トーマス・ドルビーによる重厚で多彩なシンセサイザー・ワークも色あせることなく響きます。

この曲はアルバムでは終盤に位置されています。
アルバムの後半は短い演奏時間の曲がめくるめくようにメドレー風に流れていきます。
64分という長い収録時間ながら、中だるみせず、流れるように淀みなく展開されていきます。
『One of the broken』~『Michael』~『Mercy』のバラード三連発の感動的な流れ、う~ん、美しい。

さてさて。
プリファブ・スプラウトファンにとって、
ここ最近、吉報が幾つか届きました。

一つ、スウェーデンのジャズ・サキソフォン奏者、ヨアキム・ミルダーが『quoted out of context』というアルバムをリリースしました。
パディがこれまで残してきた楽曲から10曲をカヴァーしています。
端正で慎み深いジャズサウンドで。
プリファブの一枚めから最新作まで、そしてアルバム未収録のシングルのカップリング曲、そしてパディの唯一のソロアルバムの楽曲からも選ばれています。
並々ならぬパディ・マクアルーンへの愛情が感じられます。
パディもこのアルバムに直筆のコメントを寄せていました。

二つめ、プリファブ・スプラウトの『スティーヴ・マックイーン』と『ラングレーパークからの挨拶状』の二作品が“レガシーレコーディング”シリーズの高音質盤で24日に再発されました。
まぁ、それほど珍しいことでもないですし、出来れば全カタログいつも手に入り易くしておけ、てなもんですが。

そして、そして三つ目。
ご存知の方もおられると思いますが、プリファブ・スプラウトのニューアルバムが10月にリリースされるとのこと。
いやぁ、めでたい。
前作『Let's Change The World with Music』から四年ということで、もう四年経ったのかという気がします。
このアルバムも素晴らしかったです。
奇跡に感謝します。
もうアルバム出してもらえるだけで嬉しいです。
質は保障されているようなものですし。
パディ、ありがとう!!
泣けてきます。
タイトルは『Crimson / Red』。
キング・クリムゾンにそんなタイトルがあったような。
まぁ、いいです。
希望が見えました、10月までなんとか生きていけそうです。
ほんとうに、ありがとう!
パディ。

ワクワクしますね。
アトランティス大陸のように神秘的で魅惑的な音楽。

『LOOKING FOR ATLANTIS』《656141 7》〈Witten by Paddy McAloon〉(03'54'')【1990】


Jordan: The Comeback

Jordan: The Comeback

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Columbia Europe
  • 発売日: 2000/12/14
  • メディア: CD



スティーヴ・マックイーン

スティーヴ・マックイーン

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2013/07/24
  • メディア: CD



ラングレー・パークからの挨拶状

ラングレー・パークからの挨拶状

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2013/07/24
  • メディア: CD


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