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『DNA1980 Vol.1/武藤彩未』 [さくら学院]

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こんばんは。
先週、さくら学院初代生徒会長、武藤彩未さんの卒業後、初のライヴを東京くんだりまで観に行ってきました。
満を持しての、待望のソロデヴュー。
一年四か月ぶりにファンの前に姿を現しまして、ステージに帰還。
それはそれはアイドルポップスファンにとっては大変素晴らしい時間が流れました。
期待を上回る内容に感動しました、ハイ。

僕なんかは彩未さんが卒業してから、ティンクルスターズのシングルを聴いて俄然、ファンになったという、遅れてきた男でして。
今回、肉眼で見る彼女の天賦のアイドル性に心臓を撃ち抜かれました。
可憐な容姿、愛くるしいルックス、立居振舞の品の良さ、ステージ度胸、МCでの面白さ。
アイドルとして百点満点でした。
さらに、この一年のレッスンで鍛えた歌唱力がプラス。

非の打ちどころのない存在感。

詳しいことはmixiの日記に書きましたので、多くは申し上げません。
とにかく、
武藤さんの覚悟と所属事務所のアミューズの本気を感じました。
万障を排して上京した甲斐がありました。

そして、ライヴ会場で限定CDを二種類、入手しました。
『DNA1980 Vol.1』、『DNA1980 Vol.2』。
これが凄い。
なんとCDなのにLPサイズのジャケットに収められており、
しかもゲートフォールド仕様、16ページの写真集&ライナーノーツ付。
さらにさらに本人の直筆サイン&シリアルナンバー入り。
これだけでも彩未さんに賭けるアミューズの気合が漲ってます。

勿論、凄いのはアートワークだけじゃありません。

今夜は二枚のうち、『DNA1980 Vol.1』を取り上げたいと思います。。
このユニークなタイトル。
ソロシンガーとして活動するにあたってのコンセプトが、“80年代の女性アイドルポップス”。
ご両親の影響で幼い頃から松田聖子さんを聴いて育ったという彩未さん。
彼女の端正で純真な容姿は80年代の花形アイドルのようなムードを感じさせますね。
選ばれた人間に感じられる気品があります。
集団の中だけじゃなく、個として、さらに才能を遺憾なく発揮出来る期待感。
80年代の女性アイドルの遺伝子を受け継ぐに相応しい存在感。

この二種類のシングルの内容は80年代アイドルソングの名曲カヴァー集。
あの時代のアイドルソングのカヴァーってありふれてますし、駄作になるのがオチなのですが、
さにあらず。
凡百の産業廃棄物行きのソレとは一線を画した名カヴァー集に仕上がっています。
楽曲が80年代なら、サウンドも80年代を、という事で、80年代に活躍した往年のスタッフが結集して製作されてるのが特徴です。
名仕事師の職人っぷりが遺憾なく発揮されています。

という訳で一曲目は『素敵なラブリーボーイ』。
少し前にこのブログで取り上げましたね。
オリジナルは林 寛子さんで、70年代の作品ではあるのですが、僕が知ったのは82年の小泉今日子さんのバージョンでしたので、コイズミ版の方に愛着があります。
穂口雄右氏のお得意のパンチの効いたポップなアイドル歌謡の名曲にチャレンジする彩未さん。
2013年にこの楽曲をアレンジを担当するのは佐藤 準氏。
アレンジャーのみならず作曲家としても有名ですね。
80年代から現代まで第一線で活躍されている大御所。
基本的にオリジナル版のアレンジを意識した生楽器のアンサンブルで構築されて、80年代のサウンドが蘇ります。
だからと言って、いわゆる“懐メロ”に堕することなく新鮮に響いているのが素晴らしいです。
参加しているミュージシャンも80年代から歌謡曲、ロック畑で活躍している一流ミュージシャンばかり。

Keyboard: 佐藤 準
Piano: 中西 康晴
Electric Bass: 松原 秀樹
Drums: 山木 秀夫
Electric Guitar: 今 剛
Percussion: 三沢 またろう
Strings: 篠崎 正嗣ストリングス
Operator: 山崎 哲雄

凄いですね。
現在の観点での新人アイドルの初レコーディングとは思えないメンツですが、
80年代にはこれらが当たり前でもありましたね。
佐藤氏は今回のリアレンジに際し、林版、コイズミ版にもなかったフレーズをイントロにてストリングスで奏でていて、それが功を奏しています。
オリジナルに敬意を表しつつ、武藤彩未版としての個性をうまく出しています。さすがです。
そして歌の主役である、武藤さんの歌唱。
さくら学院時代と比べて、明らかにアイドル歌手としてパワーアップしています。
清楚で伸びやかな歌声が楽曲の世界観と一体化しています。
小悪魔な女の子の可愛らしさがバクハツしてます。

二曲目は武藤さんが敬愛する歌手、松田聖子さんの『チェリーブラッサム』。
アレンジは同じく、佐藤準氏。
演奏のメンツも同じです。
ギターを弾いている今剛さんは聖子さんのバージョンでも弾いていたそうです。
財津和夫氏による爽快感のあるメロディが躍動感のあるビートに乗って疾走します。
こちらもオリジナルに敬意を表した素晴らしいアレンジで演奏にガッツが込められています。
イントロのドラマティックな幕開け、海のように蒼いビートとメロディ。
まさに新しい世界に飛び立とうとする彼女の確固たる意志を湛えた、瑞々しく凛とした歌声が広がります。

三曲目は『リ・ボ・ン』。
堀 ちえみさんの85年のシングル。
この曲も実にアイドル歌謡全開のマイナーな曲調。
『チェリーブラッサム』同様、三浦徳子さんが作詞を担当していますね。
作曲は松田 良氏。
今回アレンジを担当しているのは船山基紀氏。
こちらも歌謡界を代表するアレンジャーの大家。
筒美京平先生の作品でもおなじみですね。
オリジナル盤は萩田光雄氏でエレキ歌謡を意識したようなサウンドで哀愁の度合いが半端ないのですが、
船山氏のアレンジは端正なストリングスも響かせながら、華麗にドラマティックに仕上げています。
そして、彩未さんの歌声も実にマイナー歌謡のムードを巧みに醸し出しています。
恋人との悲しい別れの物語を憂いを帯びたニュアンスで堂々表現しています。
堀 ちえみさんより上手いかも。

Piano: 山田 秀俊
Electric Bass: 長岡 道夫
Drums: 島村 英二
Electric Guitar,Acoustic Guitar: 増崎 孝司

こちらも卓越したミュージシャンが参加されてますね。
大滝さんのレコーディングでおなじみな方々。

そして最後は『悲しみよこんにちは』。
ご存じ、斉藤由貴さんの86年春のヒット曲。
森 雪之丞&玉置浩二の黄金コンビですね。
アレンジを担当するのは本間昭光氏。
佐藤、船山氏に比べると若いですが、主に90年代以降のJ-POP界をリードする名アレンジャーですね。
こちらも原曲の良さを活かして、現代にブラッシュアップしたサウンド。

Piano,Keyboard: 本間 昭光
Electric Bass: 松原 秀樹
Drums: 玉田 豊夢
Electric Guitar: 古川 昌義
Alto Saxophone: 竹上 良成
Strings: 金原 千恵子ストリングス
Operator: 飯田 高広

そういえば、彩未さんの初のソロライヴはこの曲で始まりました。
彼女はさ学卒業後、長いレッスン時代を過ごしますが、
その時の辛い思いをこの曲に託すことで乗り越えたそうです。
悲しみという試練と仲良く付き合うことで困難を克服する。
本人の実感がこもっているのでひと際魅力的に響きますね。
眩しいほどに明るい歌声に、聴いているこちらもなんだか頬が緩んできそうです。

4曲を通じて、思うことは彩未さんの歌唱力の成長です。
口に出せない苦労も多かっただろうと思います。
特に流行り廃りの激しいアイドル界に於いては焦りもあっただろうと思います。
見切り発車でさ学卒業後に、すぐにデヴューすることも出来たでしょうが、
将来の為に、敢えて準備期間を用意したスタッフの英断にも敬意を表したいと思います。
彩未さんの魅力は安っぽい流行から外れたところにあるという事なのだと思います。

カヴァー集ですが、並みのカヴァー集ではありません。
この彩未さんの今回のレコーディングのディレクターがアミューズの元・代表取締役の松崎澄夫氏で、レコーディングエンジニアが鈴木智雄氏が手掛けているだけあって音も確か。
松崎澄夫氏は『素敵なラブリーボーイ』の穂口雄右氏と作曲家になる以前、アウトキャストというGSバンドを組んでいた関係もありますし、キャンディーズのプロデューサーとしても有名。
穂口氏の最大の仕事の一つであるキャンディーズの元マネージャーがアミューズの会長の大里洋吉さんである訳で、いわゆるレジェンドたちが関わったプロジェクトだけあって内容もしっかりしているのですね。
鈴木智雄さんというと松田聖子さんの80年代前半のほとんどの楽曲を担当していました。

錚々たる顔ぶれに囲まれながらも、すくすくのびのび歌うコトを楽しんでいる彩未さんがCDから伝わってくるのでした。

ライヴで披露されたオリジナル曲『彩りの夏』も実にすばらしくて、
彼女の未来も眩しいくらいに明るいと確信しました。

これからが楽しみで仕方がありません。

『DNA1980 Vol.1』《MUSE0001》【2013】


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コメント 4

いとぞう

80年代テイスト溢れた、顔のどアップのジャケ写も素敵ですね。
LPサイズというのが良いです。どうせならCDだけでなくアナログ盤もあったらもっといいのに。
それにしても参加ミュージシャンの顔ぶれがスゴイ!かつてのアイドルや80年代ポップスのレコードのクレジットでよく名前を見た方たちばかり。
武藤さんの音源、聴いてみたいです。
by いとぞう (2013-07-26 09:16) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
やはり80年代のアイドルソング、イイですよね。
ある種、理想的な世界でした。
80年代の良いところを取り入れて是非これからの活動を
素晴らしいものにしてほしいと思います。
レコードも出して欲しいです。


by 都市色 (2013-07-28 23:30) 

夏の友達

素敵なライブでしたね!
これがアイドルのライブだ!って感じで素晴らしかったです!
80年代へとタイムスリップできましたしね。
都市色さんの記事も知らなかったことたくさんで、またこれを読んでからCDを聴きたくなりました!
「彩りの夏」も最高でしたね~。こちらのCD化もされるといいなと思います!
次のライブも楽しみです!
お疲れ様でした!
by 夏の友達 (2013-07-31 23:13) 

都市色

>夏の友達さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
遅くなって申し訳ありません。

真野ちゃんがハロプロ卒業して、
グループ内ソロではなく、純然たるソロアイドル歌手の不在を埋めるような、輝かしい才能を感じさせる武藤彩未さん。
感激のデヴューライヴでしたね。

それから、次のライヴも早速決定しましたね!
次回も平日なのでスケジュールが厳しいです・・・・。
行けるといいなぁ。

by 都市色 (2013-08-03 03:49) 

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