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『ALL TOMORROW'S DANCE PARTIES / LOU REED』 [米国ロック/60年代]

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こんばんは。
ルー・リードがお亡くなりになりました。
僕もロックファンとして彼の偉大な音楽を浴びて育ちました。
特に大学時代は聴きました。
ヴェルヴェッツ、そしてソロ活動。
ロックンロールの基礎教養であり、永遠の謎。
1996年の来日公演を東京厚生年金会館で観たことは忘れません。

という訳で、ルー・リード追悼で1枚。
本日のシングルは、彼の初期の音源をご紹介。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを結成する以前の活動をまとめたコンパクト盤です。
このシングルのタイトル『ALL TOMORROW'S DANCE PARTIES 』なんて、気が利いてますね。
“ワイルドサイド”をまだ歩いていない頃のルー・リードです。

まずは、B面に収録されている楽曲から。
1958年、高校生で16歳のルー・リードは同級生二人と初めてグループを結成します。
その名は“THE SHADES”、のちに“THE JADES”に改名します。
サングラスをかけて演奏していたそうです。
ギターとヴォーカルの三人で活動していましたが、タイム・レコードというレーベルのボブ・シャッドにアプローチをして2曲のレコーディング・セッションを取り付けます。

B面の1曲目は『SO BLUE』。
ルー・リードとメンバーのフィル・ハリスの共作。
アレンジはリロイ・カークランド。
陽気なドゥーワップソング風なロックンロールです。
ディオン&ベルモンツっぽい感じ。
ブルックリン生まれのルー・リードなので当時のニューヨークの都会の裏町で響いていたストリートコーナーシンフォニーは耳に馴染んでいたのでしょうね。



2曲目はルー・リード一人で作った曲で『LEAVE HER FOR ME』。
こちらもドゥーワップ風なR&B。
2曲ともにまだルー・リードはヴォーカルを取っていないようです。
残りの2人が担当してるようです。
2曲とも黒人のバックコーラスが入っていて、この曲ではサビでも黒人らしきヴォーカルが聴こえます。
そして同じく2曲共にサックスを吹いてるのはキング・カーティス。



続いて、A面。
THE JADESの活動から4年後の1962年。
シラキューズ大学へ進学して、感謝祭のお休みを利用して再びボブ・シャッドの下で2曲のレコーディングを敢行します。
このときは“LEWIS REED”と名乗っていました。
『YOUR LOVE』はB面の2曲の続編のようなドゥーワップ風なロックンロール。



2曲目の『MERRY GO ROUND』は少しラテンのリズムが入ったイントロにファンキーなハモンドオルガンがご機嫌なR&B風なロックンロール。
この曲で印象的なハモンドオルガンを弾いているのはデイヴ“ベイビー”コルテス。
同年にヒットした『Rinky Dink 』が有名です。

この2曲ではまだルー・リードの後の退廃的で知的な音楽スタイルは形成されてはいませんが、ロックンローラーとしての資質が開花していますね。
ヴェルヴェッツでの暗黒面を覗かせるヴォーカルスタイルとは異なりますが、とてもパワフルで切れ味鋭い歌唱力でカッコいいですね。
ソングライティングも確か。
ロックンローラーとしての基礎体力がしっかりしているからこそ、ヴェルヴェッツのようなアナーキーな反則技が使えるのですね。
楽器の演奏能力が高い細野さんや教授やユキヒロさんが敢えてYMOでテクノをやるのに近い感覚でしょうか。違うか。

この後、ルー・リードは大学在学中にデルモア・シュワルツに師事して詩作を学び、さらにソングライティングに磨きをかけていったのでしょう。
今回紹介したシングルは2000年にNORTONというレーベルから再発された7インチであります。
50年代末期からすでにロックンロールミュージシャンとして活動し始めていたルー・リード。
ニューヨークという刺激的な街で早熟な感性を研ぎ澄ましていたことが伺える貴重な音源であります。

ルー・リードの“あのとき君は若かった”でした。

『ALL TOMORROW'S DANCE PARTIES 』《EP-097》〈Written by Lou Reed〉【2000】


NYCマン ヒストリー・オブ・ルー・リード 1967-2003

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  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2003/05/21
  • メディア: CD



トランスフォーマー

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  • 出版社/メーカー: Polydor / Umgd
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Loaded (Fully Loaded Edition)

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