『I LOVE YOU, SUZANNE /LOU REED』 [米国ロック/80年代]
こんにちは、ルー・リード氏(佐野さん風に)でもう一枚。
1984年のアルバム『NEW SENSATIONS』から、『I LOVE YOU, SUZANNE』。
このアルバムは『BLUE MASK』、『REGENDARY HEARTS』の後にリリースされたアルバムであり、当時はコアなファンからは酷評を浴びたと云います。
前2作に比べますと、分が悪いですがポップで聴きやすくて、良いと思います。
今回のシングルのジャケットはアルバムと全く同じですが、いかにも80年代的ですね。
テレビゲームに興じるルー氏とテレビの画面に映っているルー氏。
ラスボスでしょうか。
ユーモラスです。
という感じで、アルバムのオープニングでもある今回のシングル曲。
ダンスパーティ向けなシンプルなロックンロールです。
いかにも80年代産の音がしますね。
ウキウキとするビート。
スザンヌという女性へのモーレツなラヴソング。
こうしたポップであっけらかんとしたサウンドの中にもルー・リード氏のニヒルで苦味のあるヴォーカルは特別な魅力を放っています。
前回ご紹介したヴェルヴェッツ以前のルー・リード(ルイス・リード)のサウンドに通じている気がします。
このMV、面白いですね。
サングラスを掛けてポーカーフェイスでクールな感じのルー氏でしたが、最後にはノリノリでステップやターンを決めたり、でんぐり返りしたり、ダンス・ダンス・ダンス。無邪気この上ない。
彼にだって人目を憚らずに踊りたい夜だってあるのかも。
B面は『VICIOUS』。
ご存じ名作2nd『TRANSFORMER』のオープニング曲。
この曲はアンディ・ウォーホールからの助言を受けて作られたそうです。
タイトルからして『背徳』。
サディスティックでスキャンダラスな世界観を歌ったロックンロール。
ヴェルヴェッツ時代の影響が色濃く残っています。
ミディアムテンポのロックですが、タイトな演奏。
ノイジーなギターはミック・ロンソンによるものでしょうか。
大胆不敵なロックンロール。
プロデュースはデヴィッド・ボウイ、ミック・ロンソン。
『TRANSFORMER』は名曲の多い問題作。
今聴いても素晴らしい。
スキャンダラスな世界観は今を予見しているのかもしれませんが、そういう事を抜きにして、良い曲が多いですね。
ソングライターとしてもやはり素晴らしいです。
『I LOVE YOU, SUZANNE』《RCA 417》〈Written by Lou Reed〉(03'15'')【1984】
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