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『甘ったれ/森 進一』 [歌謡曲/70年代]

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こんばんは。
ハイ、今夜も元気にブログを更新しましょう。

『ろくでなし』に続いては、『甘ったれ』。
森 進一さんの1978年のシングルです。
ジャケ写の森さんもなんだか気障というか、ボンボンって感じのお召し物ですね。
表情といい、服装といい、“甘ったれ感”が強いです。
イイですね。

そしてこの曲は『ろくでなし』同様、サルヴァトール・アダモ氏の作曲です。
A、B両面とも。
作詞は岩谷時子さんではないのですが、両面とも阿久 悠氏、アレンジは川口 真氏という布陣。
1970年代後半期の歌謡曲最前線をリードする逸品です。

まずはA面の『甘ったれ』。
やはり曲名は『ろくでなし』からの連続性が感じられます。
これは阿久氏のアイディアなのかレコード会社側からのものなのかは判りません。
如何にも歌謡曲って感じのタイトルですよね。
イタリアの作曲家/歌手のアダモ氏は歌謡曲ど真ん中なマイナー調のメロディを見事に構築。
さすがプロという仕上がり。
哀愁が吹きすさぶような濡れた世界。
そして阿久氏の歌詞は虚栄に満ちた都会のネオンの片隅で、心の傷をなめ合う男と女を描いています。
阿久&川口コンビの森 進一作品というと名曲『東京物語』(1977)が挙げられますが、『甘ったれ』はまさに『東京~』の次に出たシングルでもあり、続編的な意味合いが感じられます。
残念ながらここでの物語の二人は悲しいかな荒んでいます。
今回はアレンジのみを担当する川口氏も職人芸と云える流麗なサウンドで楽曲をこれでもかと劇的に盛り上げます。硬質なリズム。
ギラつくようなエレキギターのフレーズにヒラヒラと絡みつくピアノのリフレインが琴線を震わせます。
よろめくようなそのピアノのリフは演奏中に何度も効果的に響きます。
そして森氏のあの独特の歌声。
抑揚を利かせたハスキーな声帯が男と女の情念を炙り出します。
演奏時間は3分56秒、惜しい。

B面は『みんなやさしかった』。
先述の通り作詞:阿久/作曲:アダモ/編曲:川口の布陣。
一転して、こちらはアダモ氏の独壇場って感じの欧州ポップス風歌謡。
ゆったりと慈愛に満ちたメロディが展開されるミディアムバラード。
タイトル通りに、心根の良い人々の美しさを朗々と謳歌しています。
マイウェイの如くに熱唱する森進一節。

今年の紅白にも出演される森さん。
思えば、演歌に拘らず積極的に様々なポップス系の音楽を取り上げていますね。
『襟裳岬』は吉田拓郎氏、『冬のリヴィエラ』は松本隆&大瀧詠一コンビ、『紐育物語』は松本隆&細野晴臣コンビ、最近では中島美嘉さんの『冬の華』もカヴァーされていました。
他にも、小室哲哉、はたけ、井上陽水、長淵 剛、谷村新司諸氏等々の多彩な顔ぶれが楽曲提供しています。
中田ヤスタカ氏の曲を歌う日も近いと思います。
期待しましょう。

『甘ったれ』《SV-6361》〈作詞:阿久 悠/作曲:サルヴァトール・アダモ/編曲:川口 真〉(03’56’’)【1978】


森進一スペシャルセレクション~コラボレーション・ベスト~

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2010/11/03
  • メディア: CD



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