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『TWINKLE CHRISTMAS/EPO』 [ピチカートファイヴ]

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オハヨウゴザイマス。

今年もまた、自動的にその時期が近付くとクリスマスソングがあちこちから聞こえてきます。
セットされた目覚まし時計のベルのように。

そういうことになっているんです。
世界的に。
クリスマス粉砕とかなんとかデモ行進したって、太刀打ち出来るほどの相手じゃないんです。
相手にとっては痛くも痒くもないんです。
むしろそういう可哀想な人々を救済したいのが宗教。
長いモノには大人しくマカロニです。

という訳で、クリスマスのシングル盤を。
これは兼ねてからご紹介したかった1枚。
大好きな大好きなクリスマスシングル。

EPOさんと鈴木さえ子さんのスプリットシングル。
なーんて贅沢なんでしょう。
スペシャルです。
1986年に、ファッションデパートの“メルサ”のクリスマス時期のテーマソングとして制作されたモノです。
非売品であります。
メルサで商品を購入したお客さんにプレゼントで配布されたのかもしれません。


お二人が当時在籍していたのはミディ・レコード。
80年代のハイセンスなポップス紳士淑女による音楽ブランド
充実した録音環境が備わったスタジオで制作された豊かな音楽。
ラグジュアリーな80年代の音楽。

A面はEPOさんの『TWINKLE CHRISTMAS』。
12月のイルミネーションきらめく都会の街並みを、さらに魅力的に彩るクリスマスソングです。
EPOさんの生粋のメロディメイカーぶりが遺憾なく発揮されています。
疾走感のある軽快なリズムに乗って、メランコリックなコード進行がハートを心地よく揺さぶります。
そして伸びやかな歌声。
ホント、才気走ってます。
素晴らしい。

そしてサウンドを通じての、こ、この溢れる胸の高まりは!
あ、このデジャヴは!
そう、ロジャニコ。
スモール・サークル・オブ・フレンズ!
DON'T TAKE YOUR TIME》ですね。

かの名曲のアレンジを巧みに換骨奪胎。
アレンジを担当しているのは、勿論この方、小西康陽さん。
コーラスアレンジは高浪慶太郎さん。
1986年の冬と云えば、ピチカートファイヴが杉 真理さん達のクリスマスアルバムに参加しているときですね。
そして、翌年春にリリースされたファーストアルバム『COUPLES』をレコーディングしていたであろう時期。
若き日の彼らの溢れんばかりの創作意欲を感じます。
隙のない完璧なアレンジからもA&Mレコードへの偏愛がデコレートされています。
小西さんが解説を担当したロジャー・二コルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズのファースト・アルバムが世界に先駆けて日本で初CD化されたのが1987年ですので、かなりマニアックな所を突いていますね。
今でこそ僕みたいなボンクラ・リスナーが“あ、ロジャニコ!”としたり顔で指摘してやがりますが、当時は一部の好事家以外には知られていない名盤でした。

EPOさんとピチカートの見事なコラボレーションなり。


この曲は後に森丘祥子さんが『夢で逢えたら』というアルバムでカヴァーします。
小西さんがプロデュースを手掛けて、故・宮田繁男さんがアレンジを担当。
宮田さんは幻のピチカートのメンバーでした。

ピチカートはもう一つ、とあるデパートのクリスマス時期のテーマソングを制作していて、ソノシートを残していますが、そっちはもっとレアです。

B面は鈴木さえ子さんの『HOLLY』。
作曲・編曲ともにさえ子さんが担当。
さえ子さんと云えば、『 I wish it could be Christmas everyday(毎日がクリスマス だったら)』というチャーミングなクリスマスソングがありますね。
今回取り上げるのはインスト曲で幻想的でクラシカルに構築されたクリスマスワールド。
都会の喧騒を離れて、静かに過ごす暖かい聖夜。
厳かで優美なサックスソロを奏でるのはリアルフィッシュの矢口博康氏。

この二曲ともお二方のアルバムには未収録で、ミディレコードのクリスマスソングのコンピレーションに入っているのだけなのが淋しいですね。
もっともっと世間に知られて欲しい名曲。

こんな素敵なクリスマスソングがデパートでBGMとして流れていたのですね。
あの頃は良かったという単純なコトではないのですが、80年代中期の若くて豊かな日本を思い返すのです。


『TWINKLE CHRISTMAS』《MDR-11》〈作詞・作曲:EPO/編曲:小西康陽/コーラス編曲:高浪慶太郎〉(03'25'')【1986】

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