『Partition Love/東京女子流』 [東京女子流]
ハイ、こんにちは。
東京女子流のニューシングを紹介しましょう。
『Partition Love』です。
この曲自体は昨年秋に『Get The Star』の発売日と同時に配信限定でリリースされました。
《TGS No.32》として昨年春のシングル『運命』以前から作品としては存在していまして、配信リリース前からティザー動画がyou tubeで数種類も発表されてファンの間で期待が高まっていました。
果たして期待通りの楽曲の素晴らしさに。
僕も何度も何度もi tunesで再生しました。
という訳で長らくフィジカルとしての商品化が望まれていたのですが、遂に2月12日に発売されました。
作詞作曲を担当しているのがBaseball Bearの小出祐介氏。
自他共に認めるアイドルポップス通である小出氏による渾身の一曲。
『ヒマワリと星屑』をフェイヴァリットに挙げ、ライヴでこの曲を女子流さんとコラボした小出氏でありますから、
座付きアレンジャー・松井 寛氏の作り出すTGSサウンドの傾向と対策を十分研究したような、まさに東京女子流の本流を往く“ど真ん中”な楽曲に仕上がりました。
Astalight(女子流ファン)が望む女子流王道サウンドが詰まってます。
小出さん、ありがとうございます!! 敬礼!
小出氏が用意した楽曲をやはり職人・松井氏が見事なアレンジで調理。
ティザー動画で初めてイントロとアウトロのみを聴いただけでもう胸がドキドキと高まりました。
専属ギタリスト、土方隆行氏の鳴らすフレーズからグッとハートを鷲掴み!!
とことん、びっしりとメロディアス。
歌の内容としては〈教師と生徒の道ならぬ恋〉という、ある意味定番。
ドラマ『高校教師』にイメージが飛びます。
タイトルにある《Partition》とは《仕切り、分割、区画》という意味です。
パーテーションという言葉が一般的にも会話に使われるほど。
先生と生徒の間にある見えざる障壁の葛藤。
少女の爆発しそうに切ない片想い。
テレビ情報誌“B.L.T”に掲載されている小出氏の連載コラムに松井氏と女子流のA&R担当のSKT氏を交えての対談がありました。
それによれば、小出氏は歌の物語のモチーフを塾にしていて、パーテーションで区切られた空間での塾の先生との緊密な雰囲気がイメージにあったそうです。
なるほど。
物理的な実際のパーテーションの意味もあるのでした。
そう考えると歌詞の最後のラインが理解できます。
歌の主人公である少女が先生に“この壁〈Partition〉”の意味をそっと教えようとするのです。
それは・・・。
歌う女子流さんたちの歌唱もドラマティックな世界を切迫感を持って、抑揚を効かせて盛り上げます。
80年代的エモーショナルなメロディに乗って同世代の少女の気持ちを歌い込みます。
大人と少女、年の差の恋というありがちな設定ですが、さすが小出氏のソングライティングは非凡なセンスでアイドルポップスのスタンダードを生み出しました。
楽曲、アレンジ、演奏、歌唱、全てが素晴らしい。
ドラマ仕立てのPVは女子流作品の中ではこれまでありませんでした。
演技にも熱が入る5人、映像というキーワードは次の曲にも関係があります。
カップリングは『月のきまぐれ』。
女子流さんは昨年に2本の主演映画を撮影しました。
どちらも今年の前半に公開予定だそうで、その内の一本である『5つ数えれば君の夢』(3月8日ロードショー予定)の主題歌です。
特報を観ただけで、またまた胸がドキドキしてしまいます。
救心でも買ってこようかな。
ミニシアター系作品独特のムードが堪りませぬ。
監督を務めるのは新進気鋭のフィルムメーカー、山戸結希女史。
昨年秋に彼女が監督した映画『おとぎばなしのように』を観賞しましたが実に素晴らしかったです。
もう『5つ数えれば~』を映画館で早く観たくて仕方がありません。
この曲を手掛けているのは“きくお”という名前のサウンドクリエーター。
打ち込み主体でヴォーカロイド系の作品を手掛けているそうです。
きくお氏による作詞作曲編曲ですが、これまた素晴らしい。
ハートウォーミングでドリーミィこの上ないサウンド。
幻想的でファンシーなムードはこれまでの女子流に全く無かった感じです。
ワルツのリズムに乗ってメロディが無邪気に踊りだします。
女子流さん達の歌も『Partition Love』と打って変わって浮遊感のある可愛らしい感じ。
真夜中に幼き日の頃の楽しい夢を見ているような不思議な感じ。
または、真夜中の月の清かな夜、ぬいぐるみや人形やおもちゃたちが勝手に動き出して遊んでる様な。
この曲を聴いてるだけでなんだか『5つ数えれば君の夢』の世界がなんとなくイメージ出来そうな。
楽しみだなぁ。
3曲目はType-Aには『約束』のアコースティック・バージョンが収められています。
彼女たちの3rdアルバムのタイトルソングでもある『約束』、自分たちの今の心境を映し出したような味わい深いバラードが土方氏のアコースティックギターの伴奏で歌い直されています。
この曲もイイですねぇ。
Type-Cにはお馴染みのRoyal Mirrorball Mixでございます。
ライトな4つ打ちハウス仕様、こちらもカッコいい。
なお、今回のシングル曲は《恋愛三部作》と冠されており、その第一弾に当たります。
女子流の曲にこれまでラヴソングが無かった訳ではないですが、結成6年目に突入し、年頃の乙女になった彼女たちが歌う等身大の“恋の歌”はこれまでとはまた違った表現を楽しむことが出来そうです。
さて、昨年12月に開催された2度目の武道館公演も素晴らしかったのですが、
3月からは全国ツアーも始まります。
今回はアレンジャーの松井氏のリミックス音源を主体としたダンス&ヴォーカルでさらに盛り上がるライヴが期待出来そうです。
題して『Royal Mirrorball Discotheque』。
う~ん、楽しみ。
同時期に松井氏のソロアルバムもリリース。
女子流さんも参加してます。
さらに新学期と共に、メンバー全員が遂に東京主体で生活を開始。
東京女子流の新たなる局面を迎えることでしょう。
音楽業、女優業等々、益々のご活躍を心よりお祈りしています。
『Partition Love』《AVCD-48876/B》〈作詞・作曲:小出祐介/編曲:松井 寛〉(05'03'')【2014】
Partition Love (SINGLE+DVD) (TYPE-A)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: avex trax
- 発売日: 2014/02/12
- メディア: CD
Mirrorball Flare + Royal Mirrorball Discotheque (2枚組ALBUM)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: avex trax
- 発売日: 2014/03/12
- メディア: CD
TOKYO GIRLS' STYLE LIVE AT BUDOKAN 2013 (3枚組Blu-ray Disc)
- 出版社/メーカー: avex trax
- メディア: Blu-ray
MALTINE GIRLS WAVE EP [Analog]
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: AVEX / JET SET
- 発売日: 2014/03/19
- メディア: LP Record
TOKYO GIRLS' STYLE LIVE AT BUDOKAN 2013 (2枚組DVD)
- 出版社/メーカー: avex trax
- メディア: DVD
Partition Love (SINGLE+DVD) (TYPE-B)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: avex trax
- 発売日: 2014/02/12
- メディア: CD
武道館公演も楽しまれたようで何より。
新曲も素晴らしいですね。アイドルポップスの完成形といった感じ。ここまでレベル高いのは今だと女子流とモー娘。が双璧でしょうか。
小出祐介さんの「B.L.T.」連載、アイドルポップス論が大変興味深く、いつも読んでいますよ。
by いとぞう (2014-02-16 17:18)
>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
最近はそれほど沢山アイドルソングを聴かなくなってきたのですが、女子流のサウンドは飽きずに楽しめます。
メロウでメロディアスなサウンドが僕にピッタリです。
小出さんの曲はこれまでも好きだったので嬉しかったです。
by 都市色 (2014-02-22 19:35)