SSブログ

『I've got you under my skin/FRANKIE VALLI & FOUR SEASONS』 [米国ロック/60年代]

スキャン0321.jpg

こんばんは。

またご無沙汰しちゃいました。
最近仕事が忙しくて、

♪今日も僕はひとりきり~家に帰って寝るだけ~ 

な日々を過ごしてまして。
せっかくの休みも眠ってばかり。

ブログもおろそかになりがち。
でも初志貫徹。
つーわけで、シングルを紹介しましょう。

フランキー・ヴァリ&フォーシーズンズです。
勿論、
最近観た数少ない映画、『ジャージーボーイズ』から。
クリントイーストウッド監督による、人気ブロードウェイ・ミュージカル作品の映画化。

フォーシーズンズの立身出世物語といえる、青春映画でした。
大好きな60~70年代のポップミュージック界の裏側を見せてくれる映画は大好きです。
大好きなフォーシーズンズなら尚更です。

大好きな割には、ビートルズやビーチ・ボーイズやストーンズ、ディランといったロックミュージシャンに比べてメディアに取り上げられることの少ないフォーシーズンズですので、とっても新鮮でした。
原作のミュージカルはまだ観たことは無いですが。
彼らはニュージャージー出身ということで、ブルース・スプリングスティーンと同じですが、ボス同様に貧しい家庭に育ち其処から抜け出すために同郷のスターであるフランク・シナトラを夢見て音楽を続けます。
シナトラがそうだったように、フランキー・ヴァリもマフィアの親玉に慕われていたのが面白かったです。
そのマフィアの親玉を演じていたのがクリストファー・ウォーケン。
という事で、彼が出演した映画でフォーシーズンズの名曲『Can't take my eyes off you』が効果的に使用される名作『ディアハンター』(1978)も思い出してしまいます。
劇中にも登場するフォーシーズンズのプロデューサー・ボブ・クリュー氏は惜しくも9月にお亡くなりになりました。
謹んでご冥福をお祈りします。
改めてフォーシーズンズの原点はストリートコーナー・シンフォニーであり、彼らは遅れてきたホワイト・ドゥーワップだったんだなと思いました。

とっても素晴らしい映画でした。
音楽を理解する名監督であるクリント・イーストウッドの手腕も素晴らしい。
ヴァリ氏も来日公演を延期させてまで映画の監修に当たっていただけにディテールもしっかりしてます。

そんな訳で、今回ご紹介するのは彼らのシングルで『I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN』です。
邦題は『君はしっかり僕のもの』。
これまでフランキーヴァリのシングルは『Swearin' God』と『September Rain』を取り上げてきましたが、フォーシーズンズの曲は初めて。
この曲はカヴァー曲で、コール・ポーターのペンによる有名なスタンダード曲です。
数々の歌手が取り上げていますが、最も有名なモノはシナトラ氏によるものですね。
そのシナトラ版以上に素晴らしいのがフォーシーズンズ・バージョン。
シナトラのヴェガスでの公演を観てフォーシーズンズの面々、とくにボブ・ゴーディオはこの曲を自身のグループで取り上げることを希望して、ボブ・クリューもそのアイディアに乗ったそうです。

本当に素晴らしいアレンジです。
編曲するのはチャーリー・カレロではなく、アーティ・シュロック氏。
イントロにはオリジナルバージョンに無いエレガントでシンフォニックなサウンドがアダプトされているのにびっくりします。
そしてヴァリ氏の特徴であるファルセットが花開きます。
ヴァリ氏はシナトラに憧れていたのでこのカヴァーでの歌唱は気合が入っていたでしょうね。
お得意の美しいコーラスワークも効果的だし、シナトラバージョンにはない魅力で楽曲の素晴らしさを引き出しています。
ゴージャスなオーケストレーションに多幸感が溢れます。
『Can't take my eyes of you』の編曲も同じくアーティ氏です。
この素晴らしい楽曲の咀嚼力。
彼らのオリジナルソングと云っても過言でないレベル。



リードシンガー、フランキー・ヴァリ、そしてメンバー兼作曲家のボブ・ゴーディオ、チャーリー・カレロを始めとするアレンジャー陣、そしてプロデューサーのボブ・クリューらの活躍がフォーシーズンズの輝かしいサウンドを作り上げてきました。

この曲は後に山下達郎さんが、村上ポンタさんの音楽活動25周年記念アルバム『Welcome to My life』にて、ポンタさん、佐山雅弘さん、そしてバカボン鈴木さんによるトリオをバックにカヴァーしていますね。
アレンジはジャズですが。

B面もカヴァーでなんと、ボブ・ディランの『Don't Think Twice , It's All Right』。
邦題は『くよくよするなよ』。
フォークソングの名曲ですがこちらも原曲にはない魅力で迫ります。
モータウン風なアップテンポのリズムに乗って、ヴァリ氏によるファルセットがはっちゃけます。
その振り切れっぷりは虫声に近く、コミックソングにも解釈されかねないワルノリ。
当時のディランの熱心なファンはどんな感想を抱いていたか気になります。
このカヴァーではフォーシーズンズではなく、一応“The Wonder Who?”という名義で歌っています。
半分ジョークという訳です。
アルバム『The 4 seasons sings Big hits by Burt Bacharach ... Hal David... Bob Dylan』に収録されています。
こういう奇抜なアレンジで『くよくよするなよ』を聴けば、落ち込んでなんかいられなくなりますね。




僕にフォーシーズンズの素晴らしさを教えてくれたのは山下達郎さん、大滝詠一さん、そして高橋ひろさんです。
大滝さんもひろさんも今はこの世にいないのですが、是非ご覧になって欲しかったです。

『I've got you under my skin』《LM0012》〈Writen by Cole Porter Arranged by Artie Schoeck〉(03'37'')【1966】


ジャージー・ボーイズ オリジナル・サウンドトラック

ジャージー・ボーイズ オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: ボブ・ゴーディオ,ボブ・フェルドマン,ボブ・クリュー,デニー・ランデル,クリュー
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: CD



Classic Albums Box

Classic Albums Box

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Rhino
  • 発売日: 2014/09/16
  • メディア: CD



Jersey Beat: the Music of Frankie Valli

Jersey Beat: the Music of Frankie Valli

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Wea Int'l
  • 発売日: 2012/10/09
  • メディア: CD



君の瞳に恋してる

君の瞳に恋してる

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2013/08/07
  • メディア: CD



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。