『アーノルド/ミックスナッツハウス』 [邦楽ロック10年代]
ども、3分54秒です。
魅惑の日曜シングル盤アワー。
今回はミックナッツハウスの『アーノルド』。
前回の達郎さんのシングルと“空飛ぶイラスト”繋がりで。
イラストレーター/漫画家・本 秀康先生の7インチシングル専門レーベル“雷音レコード”についてはかねがねご紹介しなくてはと思っておりました。
音楽ファンなら、先生がこれまで数多くのミュージシャンのCDのジャケットのイラストを手掛けられてきた事は御存じでありましょう。
勿論、レコードコレクターズ誌に連載されていた『レコスケくん』でお判りの通り、博覧強記のレコードマニアであらせられます。
漫画家がレコードレーベルを設立、という事自体が凄いですが、その本気度は半端じゃありません。
本業以外の余技の範囲を超えてます。
遊びじゃないのよ、この恋は。
ご自身のイラストによるジャケットは勿論ですが、先生がセレクトしたミュージシャンの音源を初シングル盤化し、音源によってはその為に再レコーディングをしたり、未発表音源を使用したり。
そのレコードのプレスに先生自身も立ち会います。
勿論これらの費用は先生が自腹でされているのでしょう。
恐れ入谷の・・・・。
そしてその値段設定。
なんと1000円(税別)です。
今どきこの値段は凄い。
近年だとアナログの7インチの値段はまちまちですがだいたい1500円くらいで、2000円のところもあります。
2000円なんて、アルバムが買えますよ。
輸入盤のCD以上の値段で平気な顔して売っている輩が多い中、1000円は良心的です。
本当に素晴らしいです。
高い値段で売ってる奴らに先生の爪の垢でも煎じてやりたいです。
音楽業界の鑑。
レーベル名の雷音“RHION”は勿論、RHINOのもじりです。
あ、話が長くなっちゃいましたが、勿論一番肝心なのは“音”ですね。
先生が選ぶミュージシャンだけあって、一癖も二癖もある個性的な方ばかり。
ひねくれていて、ユーモラスでポップです。
今回ご紹介するミックスナッツハウスはスリーピースのインディーズのバンド。
詳しいことはあまり知らないのですが。
そんな彼らによる『アーノルド』。
本先生の同名作品のテーマソングであります。
アーノルドという名前の戦闘用巨大ロボットが開発者の六頭博士と共に行方不明に。
博士とロボットを捜索して軍部へ戻す為、大佐の命により内山田君はトリ号に乗って博士の元へ向かうのですが・・・・。
先生お得意のバッドエンディングが炸裂。
可愛さ(とユルさ)余って残酷さ百倍。
僕が初めて買った本先生の漫画『君の友だち』収録。
この漫画のアニメ版はスネオヘアーの『冬の翼』のPVをご覧いただくとして。
シングルの『アーノルド』。
マンガを元にバンドメンバーによって書き下ろしました。
あだち麗三郎氏がプロデュース。
どことなくキンクスっぽい感じのポップナンバーで。
朗らかなメロディのフォークロック。
本先生は後期ビートルズと評されていましたので当たらずも遠からずと。
原作をもとに歌詞は書かれていますが、漫画の残虐性は薄められています。
B面は『蒸し暑い中華街』。
こちらも今回の為に再レコーディングされています。
細野さんの『トロピカルダンディー』あたりのサウンドを髣髴させる楽曲。
ジャケットのいかにも、70~80年代のアニメソングっぽいアートワークも技ありです。
本先生の漫画を今回のシングルに連動して改めて沢山読み返しましたが、
やっぱり“何とも言えない”気分になりました。
唯一の長編作『ワイルドマウンテン』はやはり名作。
まだ読んでいないよい子の漫画ファンは是非お読みください。
最近はイラスト業の方がお忙しいようですが、
是非是非また漫画を描いて頂きたいです。
シングル『アーノルド』は先月にリリースされた現時点の雷音レコードの最新作ですが、
次なるシングルも期待しています。
『アーノルド』《RHION-12》〈作詞:林 良太/作曲・編曲:ミックスナッツハウス〉(04’35’’)【2016】
2016-09-25 09:10
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