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『土曜日のタマネギ/斉藤由貴』 [邦楽女性アイドル/80年代]

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お、土曜日やないか
どこほっつき歩いてたん?
はよ来いや

♩という訳で〜
帰ってきた?『土曜日のシングルたちへ』。

悲しみを乗り越えて粛々と更新します。

今夜は斉藤由貴さんです。
あー、青春ですね。

斉藤さんの音楽は純文学的でした。

彼女の6枚目のシングル、そして初の12インチシングル『土曜日のタマネギ』。
『トットてれび』じゃなく。
元々は1986年の3月にリリースされた2ndアルバムの『ガラスの鼓動』に収録されていた曲ですが、当時から人気が高く、その反響から5月に後発シングルとしてリリース。
アルバムも名盤の誉れ高いです。

A面の『土曜日のタマネギ』。

特筆すべきはア・カペラの楽曲だという事。
当時女性アイドルがこういうジャンルの楽曲を唄うのは大変珍しかったと思います。
教会音楽から派生した歌唱形式。
でも斉藤さんは敬虔なクリスチャンなので特別不思議でもないのかも。
確か達郎さんの音楽もお好きだったはず。
アカペラもドゥーワップ風。
ON THE KITCHEN CORNER 、なんて。

土曜日の夜、しんと静まり返った台所で、ひとり野菜スープをことこと煮込んでいる女の子。
誰かの為に作っているのでしょうか。
想いは叶わず、
お鍋の中で煮えている野菜たちに、感傷的になった心境を重ねているのでしょうか。
せつないモノローグで構成されています。



作詞は谷山浩子さん。
文学少女の斉藤さんにピッタリな谷山女史の世界のことば。

作曲は当時の斉藤由貴さんの楽曲を始め、南野陽子さんの楽曲でも活躍されていた亀井登志夫氏。
透明感のあるメロディがキラリ。

斉藤さんの独唱とバックで響く爽やかなコーラス隊。
谷山広子、亀井登志夫、久保田利伸、武部聡志、そして担当ディレクターの長岡和弘諸氏、そしてそして斉藤さん。
ナント豪華な顔ぶれ。
このユニークな顔ぶれだけでも斉藤さんの音楽性の非凡さが表れています。

ゆったりとしたミディアムテンポのリズムでのコーラスとうた。
喧騒から離れた土曜日の遅い夜の静寂に相応しい、特別なムードが醸し出されています。

アルバムでは無伴奏コーラスでの斉唱のみで構成されていましたが、
12インチバージョンでは彼女の音楽監督である武部 聡志氏によるロマンティックなオーケストレーションが本編のプレリュードとして奏でられます。
そして斉藤さんの「はぁ~」という溜息で歌が始まります。

アレンジも武部氏によるもの。
料理をしているときに出る音(包丁で野菜を切るときの音、お皿やボールに野菜などを転がす時の音、ベルの音などの音)などがパーカッションのように使われているのも雰囲気が出ていて面白いです。

ジャケットの帯に《じっくり聴きこんで下さい。》と書かれていて、その通りに凝ったサウンドへじっくり耳を傾けてしまいます。

この曲を初めて聴いたのは、たしかとんねるずのオールナイトニッポンだったと記憶しています。
石橋氏がこの曲を気に入っていると云ってました。

斉藤さんの土曜日、というと彼女がパーソナリティを務めていたラジオ番組『斉藤由貴 みえますか? 青春・輝き色』は土曜日の放送でよく聴いてました。
ああ、青春。

アカペラの曲と言えば、同年の秋に出た南野陽子さんの2ndアルバム『ヴァ―ジナル』のA面の一曲目『ガールフレンド』もアカペラ風でした。
カレッジフォークの要素も入ってますが。
このアルバムも良いんだよなぁ。


B面は『AXIA~かなしいことり』。
作詞作曲を詩人でも有名な銀色夏生さんが担当。
アレンジは同じく武部氏。
アルバムバージョンにプレリュードとして武部氏による民族音楽風なSEが奏でられています。
この曲も名曲ですね。
銀色氏による切なく儚いメロディと言葉。
すでに恋人がいながらも、別の男の子を好きになってしまう女の子。
無邪気で無軌道な若さ故の残酷性。
理性ではどうしようもない気まぐれな気持ち。
恋の迷い子、ふたり同士。
松本 隆さん、そして銀色夏生さんの文学的で繊細な言葉を自然に歌に表現できるのが斉藤由貴さんに備わった資質なのだと思います。



現在もドラマや歌で活躍している斉藤さん。
そのつぶらな瞳の輝き、褪せていません。

そして80年代に活躍していた女性アイドルたちの21世紀における活躍ぶり、それとアンチエージングぶりは凄いですね。

この曲は1986年の作品。
思えばこの年に出た音楽は個人的に好きなモノばかり。
これまでの記事にもこの年のシングルは少なくないです。

また日を改めて大好きな1986年のシングルどもを取り上げてみたいと思います。

では、はばないすさたで~。

『土曜日のタマネギ』《C12A0491》〈作詞:谷山浩子/作曲:亀井登志夫/編曲:武部聡志〉(07’17’’)【1986】


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いとぞう

お久しぶりです、土曜日のシングルたちへ!
この曲は斉藤由貴さん以外ではイメージ浮かばないくらいピッタリな楽曲ですよね。透明感があって不思議なムード漂わせていて。
最近「斉藤由貴人気再燃」みたいなニュースも度々目にします。80年代アイドルは今も色あせない魅力溢れる人ばかりで、やはり特別な存在ですね。
by いとぞう (2016-10-15 21:06) 

都市色

>いとぞうさん、コメントありがとうございます。
返事が遅くなって申し訳ありません。
斉藤由貴さんは最近またメディアへの露出が多くなりましたね。
容姿もお変わりなく。
独特のムードがあります。
でもあれから30年が経っているのですね。
by 都市色 (2016-11-07 02:05) 

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