SSブログ

『流動体について/小沢健二』 [フリッパーズ]

スキャン0435.jpg


押忍。
只今深夜、時刻は3時54分。

前回は久しぶりにブログを更新して、久しぶりにクレイジーケンバンドのライヴへ行ったと書きました。
久しぶりついでにコチラのシングルも。

オザケンです。
小沢健二さんのニューシングルです。
『流動食について』、
じゃない。
『竜童組について』
じゃないよ、阿木さん。

流動体について/神秘的』です。

なんと、これより前に出たシングルは1998年初頭の『春にして君を想う』でした。
つまり、19年ぶり。
そのときのメディアは8㎝CD仕様の短冊ですから、隔世の感あり。
20世紀の遺物。
その間に『シッカショ節』というライヴ音源もありましたが、あちらは配信のみで。
フィジカルではありませんでした。

今回はオフィシャルサイトからリリースのいきなりの告知。
なんと二日後にシングル発売。前日(商品店着日)には朝日新聞朝刊に全段で広告が掲載されました。
通常、新譜は半年から二、三か月前くらいに告知が打たれる事が多いのですが、なんと告知から発売まで2日。
しかもそれが19年もシングルを出していない歌手からの発表。
光の速さでニュースは拡散されました。

長年に渡る新作への飢餓感を潤そうと店着日の2月21日に買いに出かけた方も多かったのではないでしょうか。
かくいう僕もその一人。
仕事の終わった20時半過ぎに難波のタワレコへ買い求めました。
てっきり今回も短冊CDで出るのではと一瞬思いましたが、さにあらず。
しかもアナログシングルのサイズのジャケットにCDが入ってました。
それはそれ。
結果、リリースされたシングルはなんとチャート初登場2位。
自己タイの最高位。
発売週にはテレビの音楽番組や情報番組、報道番組へ本人が出演。
なにからなにまで型破りなプロモーション活動の勝利。
突然の贈り物でした。

そういえば、彼のソロデヴューは野音でのフリーライブだったし。
話題には事欠かない人ですね。

さらにその二週間後の先日にはプリファブ・スプラウトのパディ・マクアルーンが新曲のギターの弾き語りがyou tubeにアップされて、それにも吃驚しました。
それがまた素晴らしかったです。
オザケンの『ある光』にはプリファブ・スプラウトの初期のある曲の一節が引用されているのですね。
直接的には関係ないことですが、オザケンとパディ・マクアルーンという寡作な天才の健在ぶりを短い期間の間で思い知らされました。
まさにLIFE OF SURPRISEなり。
さらに、かつての相棒、小山田氏のコーネリアスも四月にシングル(7吋)も出るというじゃありませんか。1993年の興奮が蘇ります。

まぁ、メディアはこぞって、19年ぶりを鬼の首を取ったが如くに強調しますが、
決してオザケン氏の音楽活動が19年ぶりだった訳じゃなく。
21世紀に入って二枚のアルバムを出しているし、二回のライブツアーを開催しています。
ライブアルバムもだしているし。
そこんとこ誤解なきよう。

さてさて、新曲の威力は果たして最高でした。

まずは『流動体について』。
こちらは昨年観に行った彼のライブツアー『魔法的』で演奏されていて聴き覚えがありました。
先述の『ある光』を髣髴させる疾走感のあるアップテンポのナンバー。
エモーショナルな歌声、歌詞。
メロディアスな曲調、流麗なオーケストレーション。
アレンジはご存じ服部隆行氏。
脈打つ熱いビート。
90年代に数々の名曲を残した彼の面目躍如たる、眩いばかりの創造的な閃きに満ちた新曲です。瑞々しい感性は健在。 
あの頃、20代だった彼も今や、結婚をして子どもを育てるお40代のお父さん。
そして現在は生活の拠点をアメリカに移って。
環境の変化はグローバルな視点の歌詞から窺い知れます。
単に90年代の頃の彼ではなくさらに感性が研ぎ澄まされているように感じました。
ブランクを感じさせないパワーは昨年のライブでも感じていたので、今回のシングルへも不安は微塵もありませんでしたが。
特に躍動感のあるメロディと劇的な歌詞のコンビネーションが聴きどころ。
サビにて、どんどん旋律の音階が上がっていくところでのオザケンの珍しいファルセットも印象的。
コーラスにはお馴染みの真城めぐみさんに加え、永積タカシ氏、そして一十三十一さんも参加。
魅惑のシンガー達による凝ったソフトロック風なハーモニーにワクワクします。
突き抜ける様なサウンドのチカラ。
オザケン自身による荒ぶるギターソロもイイですね。
確か『ある光』でも熱いソロを弾いていたっけ。
聴けば聴くほど味わいが増します。

カップリングは『神秘的』。
一転して穏やかなサウンド。
こちらは2012年の東京でのライブにて披露されていますが、そちらへは参加出来なかったので僕は初めて聴きました。
ストリングスの四重奏をバックに唄われる静謐さを湛えたミディアム調の楽曲。
ここでは『eclectic』(2002)で聴かせた多重コーラスや囁くような歌唱表現が効果的に響いていると思います。
秋から冬の透明感のある澄んだ空気を感じます。

曲調は2曲とも異なりますが、
混迷の時代に届けられた熱いメッセージ。
90年代に20代を過ごしたファンには堪らない特効薬。
買ってからアイフォンに入れて毎日何度も聴いて効いています。
目まぐるしい日々の連続の中に、永遠の、普遍的な何かを垣間見させてくれる彼の音楽の魔法を確認しました。

出来るのなら、またそれほど遠くない将来に次の新曲、或いはアルバムを聴かせて欲しいです。

『流動体について』《TYGT-39050》〈作詞・作曲・編曲:小沢健二/ストリングス編曲:服部隆行〉(04’10‘’)【2017】



流動体について

流動体について

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2017/02/22
  • メディア: CD



我ら、時通常版

我ら、時通常版

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI Records Japan
  • 発売日: 2014/03/19
  • メディア: CD



Eclectic

Eclectic

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/02/27
  • メディア: CD



Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学

Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/03/08
  • メディア: CD



刹那

刹那

  • アーティスト: 小沢健二
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2003/12/27
  • メディア: CD



球体の奏でる音楽

球体の奏でる音楽

  • アーティスト: 小沢健二,小沢健二
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1996/10/16
  • メディア: CD



犬は吠えるがキャラバンは進む

犬は吠えるがキャラバンは進む

  • アーティスト: 小沢健二
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1993/09/29
  • メディア: CD



LIFE

LIFE

  • アーティスト: 小沢健二,小沢健二,服部隆之
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1994/08/31
  • メディア: CD



超LIFE(完全限定生産盤) [DVD]

超LIFE(完全限定生産盤) [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • メディア: DVD



nice!(2)  コメント(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。