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『SUBSTITUTE(恋のピンチヒッター) / THE WHO』 [英国ロック/60年代]

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わんばんこ。

ラジオが楽しい今日この頃の都市色です。
ラジコのタイムフリー、エリアフリー機能により、ラジオがますます好きになりました。
聴ける番組が増えてウレシイです。
通勤時間にイロイロと聴けるのがいいですね。
ラジオの恋人、ラジコ。
なんて。

そして昨日、また好きなラジオ番組が始まりまして。
というか、またやって来ました。
春になると、プロ野球シーズンになると、渡り鳥じゃないですが、あの男がマイクに戻って来ます。
還って来た男の名前は安田謙一、またの名を“ロック漫筆家”。

彼のラジオシーズンが今年も無事に開幕しました。
軽妙な音楽とおしゃべりの魅惑のラジオ番組『夜のピンチヒッター』(通称“夜ピン”、not 洋ピン)。
以下はオンエアの冒頭に述べられる口上です。


  ナイター中継が無い金曜の夜。
  ロンリーウィークエンダーの破れたハートをパッと狙い撃つ、ロックンロール無礼講。
  DJがわざと変な曲をかけまくる、怒涛のラジオ番組
  その名も、“夜のピンチヒッター”

生まれも育ちも神戸の安田さんの地元のラジオ局、ラジオ関西にて、
プロ野球シーズンの四月から九月いっぱいまでの約半年、放送局がジャイアンツのナイター中継の為に用意した時間帯にナイターの試合が予定されていない場合にオンエアされるという、ちょっと、変則的な番組。
番組タイトルどおり、まさにジャイアンツナイターの穴埋め、いや、代打の切り札、夜のピンチヒッターな訳です。
放送開始は2011年4月。
放送時間は100分のときもあるし、2時間半のときもあったりと放送日によって異なります。
放送される曜日は決まっていますが、毎週ではなく。
ピンポイントな感じで。
以降、2015年以外は毎年のように定期的かつ不定期なオンエアが繰り広げられています。
2014年までは毎週火曜、2016年と今年は毎週金曜日です。
モチロン、生麦 生声 生放送。
半年の期間内に10回前後の放送回数で、
昨年のシーズンで通算50回を数えました。
毎年、3月頃になると、4月から『夜ピン』が今年も放送されるか否かでそわそわしちゃいます。
まるで受験の合否の結果が気になる学生さんの気分で。
昨年からはさらに放送時間が増えました。

因みに安田さんはタイガースファンです。
草野球チームの監督兼選手でもあります。
《漫筆家》安田さんのお書きになるレヴューやコラムも面白いのですが、
DJとして、おしゃべりもとっても楽しいのです。
そして独特の選曲センスも聴きどころ。
ロックンロールを主体としながら、R&B、歌謡曲、辺境音楽、ラテン、ヒップホップ、テクノ、珍盤奇盤、などなど、古今東西のあらゆる音楽に対してフレキシブルにフラットに対処する安田さん。
長身の右腕からストライクゾーン広めに繰り出される七色の変化球の如き選曲にきりきり舞い!
コーナーを突いた絶妙の配球とコントロール。
あれ、ピンチヒッターでしたね。
どんな球も打ち返します。
この番組はとにかく安田さんのユニークな選曲が楽しめます。
そしてたまーに、僕、都市色がリクエストした曲も聴けます。それは余計か。
これまでさまざまなラジオ番組にリクエストしてきた僕ですが、
リクエストに応えて頂いた確率が高いのがこの番組なのです。
様々なリスナーからのどんなリクエストにも打てば響く安田選手。
もう有難くて、ラジオ関西には足を向けて寝られません。

そして、
この番組から伝わってくる、安田さんの音楽への優しい眼差し、おおらかさを感じずにはいられません。ジャンルを超えて、国境や時代をも超えて、広く寛容に個々の音を楽しんでいる安田さん。
引いては地元愛もひしひしと感じられます。
郷土へのユニークな想いはロングセラーを記録する第三著作集『神戸、書いてどうなるのか』にディープに軽やかに綴られています(それに関する拙ブログの記事はこちら)。


またまた前置きが長くなりました。
そんな“夜のピンチヒッター”のテーマソングがTHE WHOの『SUBSTITUTE』《邦題:恋のピンチヒッター》なのです。
ピンチヒッターとくれば、《恋の~》。
まさにこのラジオ番組の為に用意されたようなポップなロック&ロールのスタンダード。

そして、このラジオ番組のテーマソングとして使用されている『恋のピンチヒッター』がTHE WHOの日本でのデヴュー50周年を記念して、1966年に発売された日本盤シングルが、昨年の夏にユニヴァーサルからCDでリイシューされました。日本でのTHE WHOのデヴューシングルが『恋の~』なのでした。
勿論ジャケットは60年代当時に国内で発売されたシングル盤のデザインで復刻しております(サイズもアナログと同様)ので、
残念ながらこの番組のテーマソング云々についての記載はありません。

アレ?
おいおい、ジャケットの曲名“恋のピンチヒッター”の上に何か小さな文字で何か書かれていないかい?(わざとらしく)

あ、ほんとだ。
ふむふむ。(独り芝居)

ジャケットをご覧ください。
小さくですが、曲の題名の上に小さく表記されているではありませんか。

と、いうか私の手によりイラレを駆って勝手にねつ造しました。
ですので市販の商品には記載されておりません。あしからず。

だからどうした、ですが。
気は心。

曲紹介に戻って、
恋のピンチヒッター。
1966年の3月リリース。
ピート・タウンゼントによるキャッチ―なメロディ。
フレッシュでコンパクトでパンチの効いた演奏。
初めてこの曲を聴いたのは『LIVE AT LEEDS』のバージョンでした。
白熱する四人の演奏に引き込まれました。
そういえば、皇室の佳子さまの留学先がリーズ大学だそうで。
ライヴの開催されたあの大学と同一でしょうか。
判りませんが、
実にリーズナブル(意味不明)。

それはそれとして、

ジャッ ジャッ ジャー ジャッジャッジャッジャーン。

というアコギのカッティングから。
ジョン・エントウィッスルとキース・ムーンの荒々しいビートが響きます。
歌詞もユニークで、
英国人のシニカルでひねりの効いた視点に満ちています。
己を誰かの代用品と、切って捨てるかっこよさ。
悲しい身の上をユーモアで切り抜けるセンス。
最近観た、ケン・ローチ監督の『わたしはダニエル・ブレイク』に通じる反骨精神。
二番の歌詞は思った以上にシリアスですがロジャーの歌とバンドの力強いと相まって悲しみを吹き飛ばす力に漲っています。
これぞロックンロール。



番組ではテーマソングのみならず、曲のイントロがCМ前後に聴こえるジングルとしても使用されています。
《夜ピン》と言えば、《恋ピン》です。

B面は『WALZ FOR A PIG
これはインスト曲なんですが、WHOの演奏ではないのです。
曲もWHOのオリジナルではなくて。
じゃぁ、誰(WHO)なんだ、という訳なんですが、
グレアム・ボンド・オーガニゼーションの演奏だそうで。
これにまつわる詳細は書くと長いので、省きます。
要は悪名高き担当プロデューサーのシェル・タルミ―との契約や移籍問題が原因で、
WHOはレコーディングが出来なくなり、その穴埋めでこのバンドの曲がB面に配されました。
詳しくはCDに付属されている犬伏 功氏による渾身のライナーをご覧ください(当時の解説は朝妻一郎氏によるもの)。
タイトル通りに三拍子のマイナー調の楽曲。
曲はドラマーのジンジャー・ベイカーによるもの。
当時はWHOがてっきり演奏されているものだと思われていて、1968年にリリースされた日本での編集盤『エキサイティング・ザ・フー』には収められていますが、それ以外のディスコグラフィには掲載されてません。
この編集盤は数年前に日本でCD化されて僕も買いました。
そのCDには収録されています。
グレアム・ボンド・オーガニゼーションとはバンド名どおり、キーボード奏者のグレアム・ボンドさんが結成した四人組のモッドなバンドです。
皮肉も『SUBSTITUTE』のB面のsubstitute(代役)を任されてしまったという、数奇なナンバー。

そして今回のCDシングルのリリースの丁度1年前には『SUBSTITUTE』のオリジナル英国盤を含む、リアクション・レーベル時代の5枚のアナログ7インチシングルをまとめたSINGLE BOX、『 The Reaction Singles 1966』が発売されました。これも以前買いました。
このボックスには2種類の『SUBSTITUTE』が入っています。B面が異なります。
先にご紹介した『WALTZ FOR~』がB面の盤と『CIRCLES』がB面の盤の2種類。
リリースされた順番では『CIRCLES』の方が先です。
こっちの曲はタウンゼントのオリジナルで歌も演奏もスピード感があってカッコいいです。
かつては『INSTANT PARTY』と表記されていたのですが、『CIRCLES』の誤りだそうで。
さらにマニアックなことを書くと、この『CIRCLES』がB面の盤にも2種類あって、計3種類あるのです。

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ちょっと何言ってるか分かんない。

ファン以外にはもうどうでもいいはなしですね。
重量盤なので音質もCDよりパワーがあります。
ということで、ジャケットは国内の再発CD、盤は海外からのシングルボックスのアナログを合わせれば、完璧です。

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THE WHOはまだライヴを生で見たことが無いので、
是非、再来日を期待したいです。
ロジャー・ダルトリーは尼崎で観ましたが、良かったよなあ。

まあ、なにはともあれ、昨晩の放送も楽しかったです。
そうそう、
ちょうど、一昨日のレイトで『LA LA LAND』を遅ればせながら観た次第で、
ラジオではそれにまつわる怒涛の選曲が楽しめました。
まだお聴きになってない方、タイムフリー機能でどうぞ。
『LA LA LAND』、敢えて予備知識を排除して観ましたが、もう素晴らしかったです。
これ、ジャック・ドゥミ&ミシェル・ルグランのミュージカルへの愛に溢れていましたよね。
主演の二人も素敵でしたし。
音楽も良かった。
早い話が、

シングル盤(アナログ)を出そう。

以上。

あ、
『夜ピン』、次回は来週の金曜、5月5日の夕方5時55分から。
約3時間半の生放送。
おそらく僕は田舎から聴いてるでしょう。
エリアフリー万歳。

『SUBSTITUTE』《UICY-77827(DP 1494)》〈Written by PETE TOWNSHENT〉(03’47’’)【20016】



The Who Hits 50

The Who Hits 50

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Polyd
  • 発売日: 2014/10/31
  • メディア: CD



Live at Leeds 25th Anniversary Edit

Live at Leeds 25th Anniversary Edit

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Imports
  • 発売日: 2006/12/26
  • メディア: CD



恋のピンチ・ヒッター<日本デビュー50周年記念第2弾>(紙ジャケット仕様)

恋のピンチ・ヒッター<日本デビュー50周年記念第2弾>(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ジンジャー・ベイカー,グラハム・ボンド・オーガニゼイション
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2016/08/24
  • メディア: CD



The Reaction Singles [7 inch Analog]

The Reaction Singles [7 inch Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Geffen Records
  • 発売日: 2015/08/14
  • メディア: LP Record



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