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『Water Colour/小林武史』 [邦楽ロック/80年代]

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こんばんは、8月に紹介している夏のシングル。
8番目は小林武史さん。

小林武史さんというと、ミスチルを始めとして、マイリトルラバー、salyu、桑田佳祐、などなどのプロデューサー/アレンジャーとして大変有名ですが、80年代終盤に短い期間ですがソロシンガーとして活動していたことを知っている人はそれほど多くは無いと思います。
ミディから二枚のアルバムと二枚のシングルを残しています。
何を隠そう僕はその時代の彼の音楽のファンであります。
なんというかMIDIの最期の貴公子というのか。
なんのこっちゃ。

僕は桑田さんの1987~1988年のソロ活動でアレンジャー/共同プロデューサーとして参加したことを通じて知りました。桑田さんのあの時のシングルやアルバムの洗練されたサウンドには驚きました。
その後、サザンや大貫妙子さんのアルバムにもアレンジャー/プロデューサーとして名を連ねます。
その頃に小林さん自身もソロ活動を開始されて、興味を持って聴き始めました。
ファーストアルバム『Duality』は期待通りに素晴らしいアルバムでした。

マイリトルラバーや、小泉さんの『あなたに会えてよかった』でお分かりの通り、小林さんのメロディメイカーとしての才能は半端ありません。
そしてシンガーとしての魅力。
学者の様なルックスに相応しいクールで聡明な歌声。
シリアスで透明感のある繊細なメロディにピッタリなヴォイス。
緻密で風通しの良いアレンジ。
うたものとして十分に聴き応えありです。

今回ご紹介するのは1989年にリリースされたシングル『Water Colour』。
セカンドアルバム『Testa Rossa』からの先行シングル。
シングルとしては最初の作品。
これはプロモーション用のアナログシングル盤。
市販されているのはCDシングルのみです。
当時買ったCDシングルを持っていたのですが、どこかへ行ってしまいました。
という訳でジャケットはいかにもプロモ盤って感じの味気ないデザイン。
涼しげなミントグリーンが色に使われているところだけはグッドです。

A面は『Water Colour』。
この曲はジャケットにも書かれていますが、当時富士フィルムのコマーシャルソングにも使用されました。井森美幸さんが出ていました。
水彩画のように淡く優しいシンセの音色がゆらめき、小気味良いミディアムテンポの打ち込みのリズムが淡々と刻まれます。
心地よく涼しい部屋の窓を通して、燦々と輝く夏の風景を眺めている感じ。
清涼感のあるメロディに乗って、過ぎゆく暑い夏をクールな歌声で惜しむ。

B面は『夏の午後』。
これは90年代、俳優の大浦龍宇一さんが歌手としてシングルをリリースしたときのこの曲をカバーしていました。
晩夏に捧げる美しいバラード。
8月の日差しの強い真夏の午後の気怠く退廃的なムードが如実に立ち上って来ます。
じっとりと汗ばむような映像が心にフラッシュバックしそうに。
静謐さを湛えたアレンジの響き、逃げ水を追い求める様なせつなさ、儚さが歌にメロディに滲んでいます。
佐橋佳幸さんの12弦ギターの演奏も素晴らしい。




こちらは珍しいライヴ映像。
インタビューのバックで流れているのが『Water Colour』です。



小林武史さんの二枚のアルバムは現在どちらも廃盤なのが残念です。
後者の方は原 由子さんがその年のベストアルバムに選んでいましたよ。
90年代以降の華々しいプロデューサー活動にばかり耳が向いてしまいますが、
またソロ活動を再開して欲しいと思っているのは僕だけなのでしょうか。
そんなことを思う夏の終わりです。

『Water Colour』《MDR-25》〈作詞・作曲・編曲:小林武史〉(04'50'')【1989】



テスタ・ロッサ

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ミディ
  • 発売日: 1995/06/21
  • メディア: CD



DUALITY

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ミディ
  • 発売日: 1988/11/21
  • メディア: CD



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