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『Wichita Lineman / GLEN CAMPBELL』 [米国ロック/60年代]

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ハイ、どうも。
またまた始まりました、シングル盤にまつわる問わず語りブログ。

グレン・キャンベルの『ウィチタ・ラインマン』。
1968年の10月にリリースされました。
彼の代表曲。
作詞作曲はジミー・ウェッブ。
全米チャート3位、カントリーチャートでは1位。
大ヒットしました。
この時期にふたりのコンビで数多くの名曲を残します。
今聴いても古びないメロディ、サウンド、そして歌唱。
ポップミュージックの王道のど真ん中。

この曲を初めて聴いたのはトニー・ジョー・ホワイトのファーストアルバムに収録されていたカバーバージョンでした。
男の哀愁ムンムンの良い歌でした。
小西康陽さんが手掛けたTokyo's Coolest Comboでのアルバムでもカバーされていました。
ヴィブラフォンをフィーチュアしたインストで。

今回のシングルは昨年のレコードストアデイのときに発売されたアイテムです。
確か京都のタワレコで買いました。
まさかこのレコードで追悼することになるとは。
今年の夏に81歳でお亡くなりになりました。

先週のサンデーソングブックでグレン・キャンベルの追悼特集が放送されていました。
そのとき僕は京都にいました。
夏のように暑い昼下がりでした。
イオンで映画を観ようと思い、行ってみましたが昼どきのシネコンは人いきれで却下。
京都水族館へ涼みに行きました。
その後は所用の為に京都駅周辺の地下街ポルタ、京都駅近くのイオンへ行ったり来たり。
お天気の良い昼下がりを歩きつづけていました。

歩きながら、番組はアイフォンからのラジコで聴いていました。
そのときに聴こえるグレン・キャンベルの歌声。
ああ、シングルを京都のタワレコで買ったんだっけ。
浪漫と哀愁溢れる男性のほろ苦い響き。
ダンディズム。
じわじわと琴線に触れていきます。

カンザス州のウィチタと言う都市にて、
大陸のハイウェイのロードサイドで電線を点検し続ける男。
地味に淡々と仕事を行っている男。
そして密かに思いを寄せる女性への慕情が募ります。

孤独な男の心情が街を歩いていたあのときの僕に共鳴しました。
家族連れや恋人同士で賑わう水族館やショッピングモールの中で孤独感が押し寄せてきます。
無邪気なペンギンやアシカやアザラシの姿を観ていても慰めきれない気持ちもあります。

まぁ、いいや。





アル・デ・ローリーによるロマン溢れるドラマティックなアレンジ。
華麗なるオーケストレーション。
間奏のギターソロは彼自身の演奏と思われますが、低音の響きと音数が少ないながら雄弁な表現ですね。
一曲でまるで一本の映画を観たような充実感。

それまでグレン・キャンベルの音楽はベスト盤しか持ってなかったのですが、
初めて買ったオリジナルアルバムは『GOHST ON THE CANVAS』でした。
2011年に出たアルバムを確か翌年だったと思います。
アルツハイマーの病を患った彼が最後のアルバムだと宣言した作品でした。
この曲のタイトル曲はリプレイスメンツのポール・ウェスタ―バーグが書いていて。
僕はポール・ウェスタ―バーグが好きでして。
これが実に素晴らしい曲で。
泣けそうに。
これを歌うグレン・キャンベルがまた実に素晴らしのです。
衰えを知らぬ熟練の歌唱表現で。



『Wichitaline man』での印象的なストリングスのフレーズがイントロとアウトロで引用されていてさらに感動を呼び起こします。

このアルバムで引退宣言をしましたが、その後も気丈に音楽活動を継続し作品を発表しました。
身体の衰えに屈しない創作意欲に頭が下がります。
今年出たアルバム『Adiós』が最期となりました。

話は戻って、
シングルのB面を紹介しましょう。

Fate Of Man』。
これはグレン・キャンベルのオリジナルソング。
《男の運命》と題されたうた。
ある男の人生を2分のカントリーソングに纏めています。
穏やかなメロディとサウンドに乗って、歌唱と語りを駆使しして淡々と男の人生を語ります。
その物語は決して明るく幸せなものではありません。
歌詞の中に“pity”が何度も使われていまして、
私生活でも仕事でも恵まれることの無かった男の50代、60代、70代、80代までを綴ります。

奇しくもグレン・キャンベルも80代まで生き続けますが、歌詞の男よりも充実した人生を送ります。
残された数々の楽曲をこれからもずっと楽しんで行きたいと思います。

このシングルはまだユニーバーサルのサイトで手に入ります。
クリアーのレッドヴィニール仕様での重量盤。

『Wichita Lineman』《LC08146》〈Written by JIM WEBB〉(03’03’’)


Capitol Years 1965-77

Capitol Years 1965-77

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI Europe Generic
  • 発売日: 1999/02/04
  • メディア: CD



Adios

Adios

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Imports
  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: CD



Ghost on the Canvas

Ghost on the Canvas

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Surfdog Records Ada
  • 発売日: 2011/08/29
  • メディア: CD



Reunion: Songs of Jimmy Webb

Reunion: Songs of Jimmy Webb

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI Special Products
  • 発売日: 2001/09/13
  • メディア: CD



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