『GOLDEN TIME/オリジナル・ラブ』 [オリジナルラヴ]
こんばんは、俵 孝・・・、いや、都市色です。
《03’54’’》の時間です。
ご紹介するのは田島貴男さんことオリジナル・ラブさんの新曲『GOLDEN TIME』です。
今年メジャーデヴュー25周年を迎え益々絶好調。
レコードでゲット。
黙々と貪欲に音楽を作り続けて25年。
時代が変わろうとも、過去にとらわれずポジティヴな姿勢でライヴにレコーディングに勤しむ男。
田島さんのイメージはずっとそんな感じです。
まさに今回のシングルはそんな感じが詰まってます。
25周年を記念して、歌詞の中に過去の楽曲のタイトルが見え隠れしますね。
そのタイトルの楽曲が作られたときのミュージシャンが起用されています。
ベースは小松秀行、ドラムは佐野康夫。
両氏のミラクルで強靭なリズムセクションを起用して、更なるポップスの高みを目指して見事に最新の名曲が誕生しましたよ。
聴こえてきた瞬間からハートを鷲掴み。
そんな曲ばっかりですね、田島さんの音楽は。
聴いていて笑みが零れてしまいます。
25周年を迎えて、新たなスターを切ろうとする前向きなメッセージが歌詞から伝わってくるでしょう。
そしてめくるめくポップなメロディの展開にドキドキ。
エネルギッシュなヴォーカルにワクワク。
混迷の時代を“ゴールデンタイム”と言い切る男のカッコよさ。
スケールの大きな快男児です。
B面は同曲のリミックス。
口ロロの三浦康嗣氏が担当。
楽曲の良さをスポイルすることなく、しなやかに再構築。
口ロロのメンバーの村田シゲ氏のベースのプレイも光ってます。
近年はソロだったり、バンドセットだったりと様々な趣向で旺盛なライヴの数をこなしておられる田島さん。
ホントに音楽がお好きなのだなぁと思います。
年を取ると新しいことに対して鈍感になったり、無精になったりしがちですが、田島さんは若い世代や新しい音楽に対してフレキシブルですよね。
若いです。
エヴァ―グリーンなり。
僕も少しは見習わなくては、と思います。
誕生日が一日違いの田島さんに。
以上、都市色がブログをお届けしました。
『ゴールデンタイム』《WWEP-001》〈作詞・作曲・編曲:田島貴男〉(04’11’’)【2016】
『アーノルド/ミックスナッツハウス』 [邦楽ロック10年代]
ども、3分54秒です。
魅惑の日曜シングル盤アワー。
今回はミックナッツハウスの『アーノルド』。
前回の達郎さんのシングルと“空飛ぶイラスト”繋がりで。
イラストレーター/漫画家・本 秀康先生の7インチシングル専門レーベル“雷音レコード”についてはかねがねご紹介しなくてはと思っておりました。
音楽ファンなら、先生がこれまで数多くのミュージシャンのCDのジャケットのイラストを手掛けられてきた事は御存じでありましょう。
勿論、レコードコレクターズ誌に連載されていた『レコスケくん』でお判りの通り、博覧強記のレコードマニアであらせられます。
漫画家がレコードレーベルを設立、という事自体が凄いですが、その本気度は半端じゃありません。
本業以外の余技の範囲を超えてます。
遊びじゃないのよ、この恋は。
ご自身のイラストによるジャケットは勿論ですが、先生がセレクトしたミュージシャンの音源を初シングル盤化し、音源によってはその為に再レコーディングをしたり、未発表音源を使用したり。
そのレコードのプレスに先生自身も立ち会います。
勿論これらの費用は先生が自腹でされているのでしょう。
恐れ入谷の・・・・。
そしてその値段設定。
なんと1000円(税別)です。
今どきこの値段は凄い。
近年だとアナログの7インチの値段はまちまちですがだいたい1500円くらいで、2000円のところもあります。
2000円なんて、アルバムが買えますよ。
輸入盤のCD以上の値段で平気な顔して売っている輩が多い中、1000円は良心的です。
本当に素晴らしいです。
高い値段で売ってる奴らに先生の爪の垢でも煎じてやりたいです。
音楽業界の鑑。
レーベル名の雷音“RHION”は勿論、RHINOのもじりです。
あ、話が長くなっちゃいましたが、勿論一番肝心なのは“音”ですね。
先生が選ぶミュージシャンだけあって、一癖も二癖もある個性的な方ばかり。
ひねくれていて、ユーモラスでポップです。
今回ご紹介するミックスナッツハウスはスリーピースのインディーズのバンド。
詳しいことはあまり知らないのですが。
そんな彼らによる『アーノルド』。
本先生の同名作品のテーマソングであります。
アーノルドという名前の戦闘用巨大ロボットが開発者の六頭博士と共に行方不明に。
博士とロボットを捜索して軍部へ戻す為、大佐の命により内山田君はトリ号に乗って博士の元へ向かうのですが・・・・。
先生お得意のバッドエンディングが炸裂。
可愛さ(とユルさ)余って残酷さ百倍。
僕が初めて買った本先生の漫画『君の友だち』収録。
この漫画のアニメ版はスネオヘアーの『冬の翼』のPVをご覧いただくとして。
シングルの『アーノルド』。
マンガを元にバンドメンバーによって書き下ろしました。
あだち麗三郎氏がプロデュース。
どことなくキンクスっぽい感じのポップナンバーで。
朗らかなメロディのフォークロック。
本先生は後期ビートルズと評されていましたので当たらずも遠からずと。
原作をもとに歌詞は書かれていますが、漫画の残虐性は薄められています。
B面は『蒸し暑い中華街』。
こちらも今回の為に再レコーディングされています。
細野さんの『トロピカルダンディー』あたりのサウンドを髣髴させる楽曲。
ジャケットのいかにも、70~80年代のアニメソングっぽいアートワークも技ありです。
本先生の漫画を今回のシングルに連動して改めて沢山読み返しましたが、
やっぱり“何とも言えない”気分になりました。
唯一の長編作『ワイルドマウンテン』はやはり名作。
まだ読んでいないよい子の漫画ファンは是非お読みください。
最近はイラスト業の方がお忙しいようですが、
是非是非また漫画を描いて頂きたいです。
シングル『アーノルド』は先月にリリースされた現時点の雷音レコードの最新作ですが、
次なるシングルも期待しています。
『アーノルド』《RHION-12》〈作詞:林 良太/作曲・編曲:ミックスナッツハウス〉(04’35’’)【2016】
『Cheer up ! The Summer/山下達郎』 [山下達郎]
オイ―ッス!
しーん
もういっちょ、オイース!
閑 閑
ま、いいや。
おひさしブリンギング・イット・オール・バック・ホーム。
今夜も?シングル盤を取り上げていきましょう。
山下達郎さんの3年ぶりのシングル『Cheer up ! The Summer』であります。
いまやつるべ落としの秋の始まりですが構いません。
前作『光と君へのレクイエム』は映画の主題歌でしたが今回はテレビドラマの主題歌とのことで。
まだ観てませんが。
初回盤はアナログ7インチサイズのジャケットにCDが収められています。
だったら、レコードも出して欲しいなぁ。
イラストは勿論、とり・みき先生のタツローくん。
さて。
タイトルに“Cheer”とあるように、達郎さんによる応援ソング。
身近な仲間を励ますような、温かく力強いメッセージが歌詞に滲んでいます。
達郎さんならではの言葉の使い方、語感が確認できます。
60歳の人生の先輩の深みのある響きも。
この楽曲での“夏”とは勿論季節のことではなく、人生にとっての輝ける瞬間そして前向きな姿勢を意味しているのでしょう。
躍動感のあるアップテンポのサウンド。
楽器の殆どを達郎さん自身で担当し、リズム等のプログラミングもご自身によるもの。
風通し良く開放的なサウンドを楽しめます。
80年代の初頭の作風を思わせる爽やかなメロディ。
そして衰えを知らぬ歌唱。
現在の達郎さんご自身、そして氏の音楽活動こそが“夏”真っ只中であるのです。
PVのお嬢さんは、『とと姉ちゃん』のあやさんですね。
B面、いやカップリングはライヴ音源。
達郎さんのライヴ音源とならばクオリティは保証済みですが、
特に今回は凄い。
昨年から今年にかけて開催された最新のツアーから、
ライヴの中でのハイライトの一つとなったあの音源。
フランキー・ヴァリのソロでのヒット曲『君の瞳に恋している(Can't take my eyes of you)』のカヴァーです。
カヴァーと言うと、
近年のツアーではラスカルズの『グル―ヴィン』やビーチボーイズの『神のみぞ知る』を演ってくれましたが、
まさかこの曲が聴けるなんて!
近年のフォーシーズンズのミュージカルやそれを端に発した伝記映画でも改めて再評価が高まる不滅の名曲。
ボブ・ゴーディオとボブ・クリューの名コンビによる珠玉中の珠玉ナンバー。
所謂《ベタ》な曲。
ですが何度聴いても胸を掻き毟りたくなるような甘く切ないメロディとサウンド。
勿論フォーシーズンズから多大な影響を受けた達郎さんなのでこの曲を歌うの造作も無いこと、朝飯前なのでしょうけど、
獅子は一匹の兎を追うにも全力で、というように、気合の籠った熱唱を聴くことが出来ます。
達郎バンドの面々の抑えた演奏も素晴らしいです。
今回のツアーには二度ほどお邪魔しましたが、ホールの花道を歩きながら、オーディエンスの大喝采に応えるように人差し指を向けたり、興に載っての大袈裟な振りも楽しみました。
ファンを喜ばせる渾身のサーヴィス、大エンターテイメントの極致。
Aメロからサビへ突入するときの『Let's GO !!』『GO NOW !!』にシビれ、
サビの高揚感、転調の至福感に悶絶。
エンディングの感動。
芸道40年の為せる業。
カヴァーとは喧嘩だと仰るだけあってオリジナルに見劣りしない貫禄の熱唱。
達郎さんご自身も歌っていて楽しそうでした。
細い瞳をさらに細くして。
我々ファンもそれが嬉しいのです。
あと、ライヴではこの歌の後、フランキー・ヴァリの歌唱法の分析のお話も聴けました。
今後の達郎さんはレコーディングを敢行されて、あわよくばフルアルバムも実現しそう、とのこと。
う~ん、楽しみ。
そして来年はまたツアー。
新宿ロフトの40周年のアコースティックライヴはハナから諦めていますが、来年もまた大阪フェスティヴァルホールで観られたら幸せです。
1986年のポケットミュージックの30周年記念盤はもう少し後かな。
とにかく達郎さんにはいつまでもお元気で、と切に切にお祈りしています。
このブログも負けずに続けていきます。
Cheer up ! 03'54''
『Cheer up ! The Summer』《WPCL-12426》〈作詞・作曲・編曲:山下達郎/ストリングス編曲:牧戸太郎〉(04’13’’)【2016】