『めもらんだむ/高浪慶太郎』 [ピチカートファイヴ]
こんばんは。
田島さん、
野宮さん、
そして小西さん、
お次は高浪慶太郎さんです。。
昨年の12月にリリースされたデヴュー30周年記念7インチ。
ソロ名義としては久しぶりです。
待ちに待った新曲。
《覚え書き》を意味する『めもらんだむ(memorandum)』をタイトルに、
魅惑の2曲をカップリング。
これまでの活動を音楽で振り返るような、
集大成の意味も感じさせます。
そして今回はアニバーサリーという事で、
ピチカートの初期のように男性ヴォーカルと女性ヴォーカルのユニゾンスタイルを意識した仕上がり。
原点に立ち返るような。
佐々木麻美子さんがヴォーカルだった時代は、彼女の歌と寄り添うようなお相手役でした。
田島貴男さんがヴォーカルだった時代は、スパイダースにおける井上 順さんの立ち位置で。
高浪さんの独特の歌唱が好きでした。
少し頼りなげで優しげな永遠の青年の様な歌心。
その味わいは勿論今回も堪能出来ます。
そしてメロディメイカーの才能も遺憾なく発揮されています。
まずはA面『うぉーく・どんと・らん』。
タイトルから察するにベンチャーズ歌謡かと思ったら大間違い。
ロジャー・二コルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズの『Don't take your time』のリズム・パターンを踏襲したソフトロック歌謡。
デュエットヴォーカルのお相手は星野みちるさん。
最近、活躍の目覚ましい歌のお嬢さん。
彼女の作品のプロデューサーのはせはじむ氏がこの曲の作詞を手掛けられています。
そして、はせはじむワークスには欠かせないマイクロスターの佐藤清喜氏もアレンジで関わっています。
高浪さんの声と愛らしい星野さんの声の調和も良い塩梅です。
軽快でワクワクするメロディライン。
さすが高浪さん。
♪ でもボクは 今日もまた この道を進んでる 休み休みだけど
はせ氏によるこの歌詞のフレーズが高浪さんの活動を端的に表現されています。
小西さんによるライナーノーツを掲載した、世界に先駆け初CD化された
ロジャー二コルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズの唯一のアルバムのリリースから来年で30年になるのですね。
また、高浪さんが星野みちるさんに提供した楽曲をB面に配したシングルはまたの機会に。
来年の夏かな。
B面は『心の旅路』。
『心の旅路』ときて、
《Mind Excursion》ときて、
《Tradewinds》、《アンダース&ポンシア》《ブッダ・カーマストラ》と連想できたあなた、同志です。
90年代に再発されたアンダース&ポンシアの作品集で高浪さんはライナーノーツを担当していました。
大滝さんによる英語の文章も載ってるアレです。
こちらも上記のキーワードのエッセンスが織り込まれたセンチメンタルでドリーミーな和製ソフトロック。
作詞も高浪さんが担当しています。
今の心境が反映されているような。
穏やかな曲調と相まって。
出身の長崎に居を構えてマイペースで音楽活動を続けている高浪さんが現在組んでいるユニット“プレイタイムロック”の美人ヴォーカリスト・市場美奈さんをデュエット・ヴォーカルに。
市場さんの清楚な歌の響きも素敵です。
彼女が吹くフルートの音色も清か。
次は是非是非、久々のソロアルバムが聴きたいです。
これからもどうぞお元気で。
『03’54”』は高浪慶太郎さんを応援しています。
『うぉーく・どんと・らん』《HCCD-9568》〈作詞:はせはじむ/作曲:高浪慶太郎/編曲:佐藤清喜・高浪慶太郎〉(03’23’’)