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『Strawberry Fields Forever / Penny Lane /The Beatles』 [BEATLES]

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こんばんは。
ポール関連のシングルを続けて紹介していますが、
とどめはこの方たち。
カブトムシ―ズ。
今年、2017年はアルバム『サージェント・パパーズ・ロンリーハーツ・クラブバンド』のリリースから50年。

♪ 20年前の今日~ と唄っていた日から早、半世紀。

僕がヘルニアで苦しんで入院している5月にはデラックス・エディションも発売されました。
まだ買ってません。
MONO ボックスの音を聴いてれば幸せなんです。
2枚組のアナログ盤だけでも買おうかな。
デアゴスティーニにしょうかな。
アビーロードは買いました。

未だに影響を執拗に与え続けるビートルズ
財布の紐を緩めさせません。

そして今回取り上げるシングル盤も発売50周年。
ストロベリーフィールズ・フォーエヴァー』と『ペニー・レーン』の世紀の名曲の強力ダブルサイダー。
レノン&マッカートニー名義なれど中期以降はそれぞれが単独で楽曲を制作していました。
藤子不二雄が途中から藤子不二雄Ⓐ、そして藤子・F・不二雄に分かれて作品を作り続けたように。
今回のシングルは例えるなら『魔太郎がくる!!』と『エスパー魔美』のカップリングか。違う。

話が逸れました。
1967年2月にリリースされたシングル。
ビートルズはアルバム・アーティストとしてのイメージが強いですけれど、
シングルについてもこだわりが深いのですね。
リリースされたシングルは基本的にアルバム未収録の体裁を取っています。
シングル曲をまたアルバムに再録することは同じ商品を結果的に購入させる事となり、その無駄を省こうとするポリシーが素晴らしい。
泣けてきます。
なかなか出来るコトじゃありません。
実に『03’54’’』想いですね。
更に凄いのはB面もイイ曲が多い。
捨て曲が無い。
ビートルズだもの。

そして今回のシングルは両A面仕様です。
この盤を一言で言うなら、
レノン&マッカートニー、少年時代を歌う。
Ⓐ先生にも『少年時代』という作品がありました。

まずは先行、ジョン・レノン選手の『Strawberry Fields Forever』。
ジョンが幼年期に過ごしていた孤児院『Strawberry Field』からインスパイアされた楽曲。
サイケデリックな音作りが印象的で歌詞も幻想的で哲学的な感じです。
ジョンの誘いに呼ばれて、どこかうら寂しい、見知らぬ街に迷い込んだ気分になります。
終わりのない夢の中。
楽曲のエンディングも終わるような終わらないような尻切れとんぼ。
二つのテンポの異なるテイクを繋ぎ合わせるという離れ業はパラレルワールドの世界のごとく。
今聴いても斬新で不思議な音の迷宮。
まどろみのまぼろしの世界。
いちご畑に彷徨って。



そして後攻のポール選手が歌うのは『Penny Lane』。
ジョンの夢から覚めると、ベッドからはカーテン越しに明るい太陽が差し込んでいる。
身支度を整えて爽やかな朝日の当たる町へ繰り出そう。
若き頃のポールがジョンの家に向かう為に足繁く通ったストリートの様子が軽快なタッチで音でスケッチされています。
澄み渡るポップでノスタルジックなメロディ。
間奏のトランペットのソロ演奏の軽快な響き。



ジョンとポールの好対照で甲乙つけがたいふたつのポップソング。
二面性に富んだ両A面。
そして商業的にも芸術的にも充たされて。

ライヴ活動を凍結し、
音のプロフェッショナル、ジョージ・マーティンと若く才気にあふれた四人の音楽好きな若者たちがスタジオで夢中になって作り上げた先鋭的な音遊びの成果が一枚のシングルと一枚のアルバムになり、ロック史に今も燦然と輝いています。


因みに今回取り上げたシングルは今年のレコードストアデイにて手に入れました。
英国オリジナル・スリーブを復刻し、日本盤のジャケットも封入されています。

そんなレコードストア・デイもレコードの日も正直あんまり好きじゃありません。
嫌いでもないけど。


『Strawberry Fields Forever』《7XCE 18415》〈Written by Lennon-McCartney〉(04’06’’)【2017】


サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2017/05/26
  • メディア: CD



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『VERONICA/ELVIS COSTELLO』 [英国ロック/80年代]

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こんばんは。

前回前々回と『Flowers in the dirt』時代のポールのシングルを取り上げてますが、
このアルバムには『My brave face』を始めとしてエルヴィス・コステロとの共作曲が収録されています。
そして同年ににリリースされたコステロのアルバム『SPIKE』にもそれらの一部が納められています。
という訳で2人のコラボレーションである、アルバムからのシングルカット『VERONICA』を。

横山やすしさんが道化師姿になったかのようなジャケットが印象的なアルバムがコステロとの出会いでした。
ワーナーブラザーズに移籍第一弾アルバムで豪華なゲストミュージシャンが参加し、さまざまなジャンルの楽曲を網羅した名作アルバムでした。
このアルバムも大変良く聴きました。
ブログを書くに当たり、改めて聴き直してやはり聴き応えがあり、感激しました。
そのアルバムの中でもっともキャッチ―でポップな楽曲が『VERONICA』
でした。
アルバムリリースして約10年後にこのアルバムのデラックスエディションが出ました。
コステロのお得意の膨大な秘蔵音源をプラスしてのCD二枚組。
そのライナーノーツによると、1987年でのポールとの共作でもっとも初期に出来上がった曲で、
コステロのおばあちゃんはアルツハイマーの症状を患っていて、その彼女のコトが楽曲のインスピレーションになったそうです。
非常にパーソナルでデリケートな内容なだけにコステロ自身は楽曲を一人でまとめることが困難だったそうですが、ポールとの共作で楽曲として仕上げることが出来たそうです。
おばあちゃんの悲壮的な出来事がモチーフとなりましたが、メロディ自体は明るい曲調で希望が満ち満ちています。ワクワクします。
忘却する記憶の中で、英国の田園風景の中を少女時代の彼女が無邪気に走ったり踊ったりしているはず。
朗らかなAメロ、切ないBメロ、そして躍動感と疾走感のあるサビのメロディでの胸のときめき。

コステロのアクのある歌い声はジョン・レノンを思い出させます。
ユーモアとペーソスがミックスされた素敵な声。
演奏にはポールも参加してヘフナーのベースを弾いています。
60年代っぽいサウンドも眩いです。



とてもイギリスっぽい曲ですね。
デラックス盤のディスク2にはこの曲のデモ音源が入っています。
この音源にはポールは参加していません。
コステロの弾き語り。
『SPIKE』には共作としてもう一曲『Pads,Paws,and Claws』というロックナンバーも収録されています。
その後のふたりのそれぞれの次作アルバムにも他の残りの共作曲が収録されました。


B面は『You're no good』。
アルバム未収録で、こちらはニック・ロウがベースを弾き、アトラクションズのピート・トーマスが叩いています。仲間内でシンプルに仕上げた感じ。
ソングライターのクリント・バラード・ジュニアが作った曲で様々なシンガーやバンドが取り上げていますが、一番有名なのはリンダ・ロンシュタットのバージョン。邦題は『悪いあなた』。
ブルージィなポップソング。
他にもこの時期のコステロのシングルのB面はカバーが多かったです。

1989年と言うと、
この年のアルバムには好きなものが多いです。
XTCの『オレンジ&レモンズ』
ローリング・ストーンズの『スティール・ホイールズ』
フィル・コリンズの『バット・シリアスリー』
ニール・ヤングの『フリーダム』
クラプトンの『ジャーニーマン』
トム・ペティの『フルムーン・フィーヴァー』
ビリー・ジョエルの『ストーム・フロント』
リッキー・リー・ジョーンズの『フライング・カウボーイズ』
エアロスミスの『パンプ』
プリファブ・スプラウトの『プロテスト・ソングス』
キンクスの『UK ジャイヴ』
ロイ・オービソンの『ミステリーガール』
などなど。

日本では、
元春の『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』
タイマーズの『タイマーズ』
達郎さんの『JOY』
フリッパーズ・ギターの『海へ行くつもりじゃなかった』
近田春夫とヴィブラストーンの『Vibra is back』
ユニコーンの『服部』
ピチカートファイヴの『女王陛下のピチカートファイヴ』
などなど。

音楽が本格的に好きになって、聴いたミュージシャンのアルバムは特に印象深いという事もあるのでしょうが。
あの頃はみんな元気でした。
これからもお元気で。

『VERONICA』《W7558》〈Written by Paul McCartney and D.P.A MacManus〉(03’02’’)【1989】



Spike

Spike

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Bros UK
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD



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『THIS ONE/Paul McCartney』 [BEATLES]

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オッス!

モウイッチョ、ポールデス。
ナツヤスミノシュクダイハオワッタカ。

今夜も名盤『Flowers in the Dirt』からのシングル『THIS ONE』を。
“8”の次は“1”で。
アルバムの曲順もこうでした。

アルバムの中で一番大好きな曲ですし、オールタイムでもポールのベストソングのひとつだと信じて疑いません。

なのに!
だのに!何故!

昨年出たポールの最新ベスト盤『Pure McCartney』には収録されていませんでした。
CD2枚組の通常盤はおろか、CD4枚組のデラックス盤にも4枚組のアナログ盤にも入ってない。
『This one』の“T”の字すらありませんでした。
目の錯覚かと思いました。
眼科へ行こうかと悩みました。
それどころか『Flowers in the Dirt』の収録曲がひとつも入ってない始末。
ドントまずいぜ。
せめて『My Brave Face』くらいはねじ込んでくれよと思うのです。
がっかりです。
なにがピュアだよ。
POORだぜ。

『Flowers in the Dirt』が何か不祥事でも犯したのかと心配になりました。
翌年にこのアルバムがアーカイヴとして出るから収録を見送ったのでしょうか。
『My Brave Face』も『This One』も残念ながら全米/全英のトップテン入りは逃しましたが。
入れて欲しかったなぁ。

まぁ、いいや。

気を取り直して。

今回ご紹介するシングルは『My Brave Face』に次ぐ、アルバムからの先行第2弾シングル。
ポールの単独の作詞作曲。
イントロでの幻想的でサイケデリックな音像が漂い、
霞の中から朝日のように眩い旋律が差し込んでくるような歌いだし。
それはそれは魔法の様なメロディ。
メロディメイカーとしての真骨頂。
心が洗われるような優しく、温かい響き。
何と言うかあざとさや商魂が感じられない自然な鼻歌のように純粋な。
彼が音楽作りを趣味の延長でやっているのがなんとなくわかるような。
そんな気がするのです。
彼の若々しい少年のような歌声も。
47歳の仕業とは思えません。
そんなミラクルな才能がポールにはあるのですね。

ちょっと照れてしまうようにロマンティックで素朴な愛の告白の歌詞も素敵です。


 白鳥が海の上を滑るように羽ばたく
 その背中には神様が乗っている
 水はなんて穏やかで虹は輝いている
 そして白鳥は闇へ消えていく

ジャケットのイラストには歌詞の世界が描かれています。
歌が綴る清々しい風景に希望が瞬きます。
エンディングでややロックでハードな曲調に移っていくのもかっこいい。



このMVでポールのまぶたの上に目が描かれていますが、
ジョンがアルバム『イマジン』で『How do you sleep ?』なんて歌ってからかわれてしまうのもむべなるかな、と思いました。お茶目なポールさん。

曲をまた聴いていたら、
もうベスト盤にこの曲が入ってる入ってないとかどうでも良くなりますね。
御免よ、ポール。
『Flowers in the Dirt』自体が一つのベストアルバムなんだよね。
規格外の名盤なのさ。PAULEST!
判ったよ。

B面は『The First Stone』。
アルバム未収録曲です。
物静かなギターの演奏のイントロから、一転アップなリズムが始まり80年代初頭のニューウェイヴ風なサウンドが展開します。レゲのリズムが入ったり。
目まぐるしくてかっこいいロックナンバーです。
楽曲のクレジットは《McCartney / Stuart》となっています。
1986年の『Press to Play』のアウトテイクかと思われます。
リズムを強調したサウンドが印象的。
エンジニアはジェフ・エメリック。

さぁ、ポールのアーカイヴシリーズの次は何でしょうか。
『Flowers in the Dirt』で打ち止めじゃないかと言う噂も耳にしました。
アーカイヴシリーズ以外のポールのソロ作品(ウィングス時代を含む)のCDは現在不当にプレミアが付いてますね。
甚だ遺憾です。
如何ともしがたいですな。

『THIS ONE』《R 6223》〈Written and Arranged by Paul McCartney〉(04’10’’)【1989】


フラワーズ・イン・ザ・ダート[スペシャル・エディション](2CD)

フラワーズ・イン・ザ・ダート[スペシャル・エディション](2CD)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2017/03/24
  • メディア: CD



フラワーズ・イン・ザ・ダート[デラックス・エディション](3CD+DVD付)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2017/04/19
  • メディア: CD



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