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『君に捧げるほろ苦いブルース/荒木一郎』 [荒木一郎]

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おはようございまーす。
増田明美で〜す。
ひょっとこ、
じゃない、『ひよっこ』でーす。

という訳で、朝ドラ観てましたか?
もう終わっちゃいましたが面白かったですねー。
僕も観てました。

さて、
終盤にかけて、9月中旬から下旬にかけて、
僕のブログに関して、とある二方に関するシングルへのアクセスが急上昇していました。
そのうちの一つは、荒木一郎さんの『いとしのマックス』でした。
折角アクセスしたのに殆ど内容の無い記事でがっかりだったと思います。
お生憎様。
もう十年前の記事ですしね。

この曲にこの時期にアクセスが集まったのは恐らく『ひよっこ』のエピソードにて、『いとしのマックス』がフィーチュアされたからでしょう。
物語の時代背景は1967年。
この歌が流行っていた頃のお話でした。

という訳で、今回は荒木一郎さんのシングルを。
昨年、デヴュー50周年を迎えた荒木さん。
記念ライブも開催されました。
残念ながら行けませんでしたが。
アニバーサリーと言うことで、
荒木さんのこれまでの活動を俯瞰する本『まわり舞台の上で』が出版されました。
かなりのボリュームの内容で、荒木さんへの超ロングインタビュー、
それから俳優、歌手、プロデューサー、作家としての多岐に渡る活動についても言及や評論や資料が掲載されており、質、量ともに読み応えありすぎの本です。これまで語られる事のなかった数奇なお話がいっぱい。
60〜70年代、あの頃、芸能界の異端児の軌跡を楽しみました。

そんな訳で今回ご紹介するのは日本のシンガーソングライターの草分けでもある荒木さんの70年代の代表曲『君に捧げるほろ苦いブルース』です。
先にお話した本を読んで、荒木さんの作る歌は人と人の繋がりや出会いの中で自然と生まれてくるというコトが分かります。
仕事とかお金とかの為では無く。
荒木さんの生活の中で、
趣味の音楽活動の延長で紡がれる歌なんだそうです。非常にパーソナルな、まさにシンガーソングライターの世界。
但しこの曲は正確には《人との繋がり》では無く、荒木さんが飼っていた猫ちゃんの歌です。
この猫ちゃんがお亡くなりになったときに、猫ちゃんが生きていた証として、その思い出を偲んで作られました。
歌詞には直接反映されていませんが、物悲しいマイナー調の旋律には、猫ちゃんへの愛惜の念が溢れている気がします。
荒木さんの歌唱は過剰にエモーショナルでは無く寧ろ淡々と呟くようですが独白のような表現に却って深い悲しみが伝わってきます。
バンジョーやクラリネットの音色がいいです。
鼻歌のようなシンプルな曲ですが、聴けば聴くほどに味わいが増します。




B面は『ジャニスを聴きながら』。
一転して朗らかで楽天的な曲です。
世間への皮肉をユニークに織り込んで、プレイボーイの色気を嗅ぐわせながら歌う荒木さんの魅力に満ちてます。
華やかな女性コーラスを侍らせて。
彼女たちとの歌の掛け合いも聴きどころの一つ。
タイトルにある《ジャニス》とはやはりジャニス・ジョプリンなんでしょうか。それともジャニス・イアンかな。
これも鼻歌みたいに軽やかなメロディですぐに覚えてしまいます。



つまらなそうに素っ気なく歌う荒木さん最高。途中から少しノッてきますが。

両面に配した二曲を収めた同年のアルバム『君に捧げるほろ苦いブルース』は荒木一郎としての代表作といって過言では無い名作。バラエティに富んだ楽曲たち、そして俳優としても脂が乗っていた時期の豊かな表現力が歌唱や歌詞に伝わってきます。
何よりメロディメイカーとしての才気が爆発してます。
痺れます。
荒木さんを海外のアーティストに例えるならセルジュ・ゲンズブールでしょうね。
当時31歳の天賦の才を思い知らされます。

まだまだ荒木一郎さんには書きたいコトがありますが、今このブログを実家へ向かう途中の新幹線の中でスマホから書いてます。
下車する駅に近づいてるのでこの辺にしましょう。
次回も荒木一郎さんのシングルでお会いしましょう。
二、三日の内に。
では良い連休を。

『君に捧げるほろ苦いブルース』《3A-145》〈作詞・作曲:荒木一郎/編曲:荒木一郎、畠山博明〉(03’34’’)【1975】


まわり舞台の上で 荒木一郎

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君に捧げるほろ苦いブルース

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2001/12/18
  • メディア: CD



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