『夜明けのマイウェイ/パル』 [荒木一郎]
こんばんは。
今宵も荒木一郎の世界で星に唄おう。
引き続き荒木さんを特集。
裏方としても沢山の素晴らしい仕事を残しています。
イッチャンが作曲家としての作品を紹介しましょう(急に馴れ馴れしい)。
パルで『夜明けのマイウェイ』。
これは1979年の日本テレビ系で放送されたドラマ『ちょっとマイウェイ』の主題歌としてヒットしました。
鎌田敏夫脚本、桃井かおり初主演ドラマです。
『まわり舞台の上で』によれば、
彼女が出演したシャンプーのCMに目を付けたテレビ局のプロデューサーが、桃井かおり主演でドラマをと、マネージャーの荒木さんに仕事を持ち込みます。
ドラマの音楽も頼まれ、丁度その時に別の件で荒木さんにプロデュースをレコード会社から依頼されていた三人組の男性グループと一人の女性歌手。
みんなまとめて面倒見よう、といったかどうだか判りませんが、
ドラマの為に三人組と女性歌手をひとつのグループに組ませたのが《パル》でした。
彼女たちの歌をフィーチュアして、ドラマのサウンドトラックを制作し、
同時にパルとしてのファーストアルバムも成立させます。
全て荒木一郎さんプロデュース。
作詞作曲も担当。
アレンジは桜庭信幸さん。
惜しくも2014年にお亡くなりになりました。
物語が始まりそうな、なにやらドラマチックなイントロです。
ミュージカルの様な、女性ヴォーカルの歌いだし。
タイトルの中に引用されているだけあって、曲調はちょっと『MY WAY』っぽいのです。
これも荒木さんの狙いなのでしょう。
桃井さんもマイウェイだし。
人生への新しい夜明けの始まりを告げる、すがすがしいメロディとコーラスワークに花が咲きます。
歌詞とメロディに荒木さんらしい、優しい眼差しが感じられます。
このドラマは残念ながら見たことがありません。
DVDボックスになっているんですが、高いです。
どこかのCSチャンネルで放送しないかな。
過去に放送されていたんですが見逃しちゃいました。
面白そうなキャストだから絶対面白そう。
この曲はのちの1983年に出たアルバム『SCENE-PHONIC』にて荒木さんのセルフカバーが収録されていますが、そっちの方が好きです。
B面は『ラジコン・ブルース』。
一転してブルース調のロックンロールに仕上げています。
やや泥臭いギタープレイが印象的。
こちらは男性メンバーがリードを務めています。
三人のメンバーの中に、新井正人さんがいて、後にソロで活躍します。
ZZガンダムの主題歌『アニメじゃない』とか。
主題歌のシングルもサントラのアルバムもヒットを記録しますが、
さあ、これからというときに、
メンバーのリーダー格の男性が荒木さんを出し抜いて別の事務所と契約します。
このドラマに始まり、移籍騒動などの顛末は『まわり舞台の上で』に詳しいです。
なかなか芸能界はままなりません。
イロイロありますね。
『夜明けのマイウェイ』《GK-8089》〈作詞・作曲:荒木一郎/編曲:桜庭伸幸〉(03’08’’)【1979】