『相棒 ちょっと長い関係のブルース/台風クラブ』 [邦楽ロック10年代]
ども、おハローございます。
いま何年やねん、と突っ込まれっぱなしの選曲が続く拙ブログですが、
久しぶりに《比較的》最近のシングルを紹介してみましょう。
時節は台風上陸直前、という事でこのバンド名の方々にご登場願いましょう。
さぁ、“台風クラブ”の皆さんです。
はりきってどうぞ!
今年のレコードストアデイに出たシングル『相棒 ちょっと長い関係のブルース』です。
ハートの在処へまっすぐに突き刺さってくる、せつないメロディ。
センチな気持ちを照れ隠しするように、ぶっきらぼう気味に言葉を吐き出すヴォーカル。
そのヴォーカル兼ギター担当の石塚 淳さんはバンドの曲も作っていて、
その楽曲がまた粒ぞろいでグッときます。
男の日常でのカッコ悪さを見事に歌詞に捉えていて、それを魅力的なメロディへ巧みに結びつけています。
その楽曲をドラムの伊奈昌宏さんとベースの山本啓太さんの骨太のリズムで肉付けしています。
ギター、ドラム、ベースのシンプルな編成による一丸となった熱い演奏。
ミディアムテンポのリラックスしたムードがいい塩梅。
曲の内容は友人との思いがけない別れを歌っていると思われます。
自分に正直になれない心情を歌詞に掬い取っていて、あっけなく時は過ぎていく青春の虚無感がシングル盤の溝に深く刻まれていて名曲です。
イントロの出だしの瞬間が僕の好きな何かの曲に似ている気がするのですが、思い出せません。
何だろう。勿論パクリとかそんなんではありません。
という訳で、
台風クラブは京都出身の3人組のバンドです。
相米監督の80年代の名作映画との関連性は判りませんが、
70年代の日本語のロックの世界観が伝わってくる楽曲とガレージロックなサウンドが硬い絆で結ば絵れていて、若者たちのインディーな精神がスパークしています。
彼らの音楽を知ったのは二年前程です。
実際に音源として買ったのは本 秀康さんのレーベル《雷音レコード》から出た『ずる休み』というアナログ7インチでした。
じわじわと話題になっていて、違いの判る音楽好きな気の置けない方々はだいたい台風クラブを聴いて絶賛しています。
去る8月に待望の全国流通のファーストアルバムが発売されました。
タイトルは『初期の台風クラブ』。
問答無用の傑作でした。
実にファーストアルバムらしい一枚。
雷音レコードから出たシングルも今回のシングルの曲も勿論収録されてます。
きっとずっとこれかれらも聴きつづけていくであろう音楽です。
日本語のロックの新しい記録を更新するでしょう。
なかなか最近そういうのに出会えないのですが。
そんな
彼らのライブを一度観ようと、今年の1月に十三のファンダンゴへ行きました。
チッツのアルバムのレコ発に彼らも出演とのことで、
仕事終わりに駆け付けたのですが、ライブのトップバッターで演奏した台風クラブには残念ながら間に合いませんでした。
その次に出た赤犬のライヴを観たのですが、
ライヴ途中でとある曲になるとメンバーの方がステージから降りてきて、とある事が起こるのですが、あろうことか僕の元へメンバーの男性がやってきて絡まれてしまいました。
もう大変でした。
愉しいエンターテイメントショーでしたが。
そしてトリのチッツのライブもとっても素晴らしかったです。
アレ、台風クラブの話でしたね。
B面は『飛・び・た・い』。
ディスコティックなサウンドを切れのいいトリオで、
ロックバンドが演奏するディスコのカッコよさ。
ありふれた地方都市に住む、ありふれた若者の悶々とした日常を切り取ったような歌詞が魅力です。
行動範囲の狭まれている退屈な町で少年のどうにもならない気持ちと行動の愚かしい行方はコンビニの駐車場での嘔吐で幕を閉じます。
そんな訳で台風が進路を逸れてくれることを祈りながら、台風クラブのライブへ今度こそ行けるコトを期待しながら、選挙へ行きます。
現在の反吐が出る様な最悪な政局が少しでも好転しますように。
『相棒 ちょっと長い関係のブルース』《HR7S048》〈作詞・作曲:石塚 淳/編曲:台風クラブ〉(03’26’’)【2017】